日経平均株価「6万円」突破の可能性も…2025年の振り返りと2026年の株式市場(日本株式編)【解説:東京海上アセットマネジメント】

2025年の日本株式市場, デフレ脱却が業績拡大をサポート, 株式需給の引き締まりにより、PERは拡大, 労働力不足とAI・投資, 1.株式市場の見通し, 2.東京海上アセットマネジメントが考える投資のポイント, 3.リスクシナリオ

(※画像はイメージです/PIXTA)

2025年の日本株式市場は、関税交渉妥結やAI投資拡大、デフレ脱却の進展を背景に底堅く推移しました。需給改善や政策期待が相場を支え、半導体・AI関連の堅調さも続きました。本記事では、2025年の日本市場を振り返るとともに、2026年の相場展望についてみていきましょう。東京海上アセットマネジメントが解説します。

2025年の日本株式市場

日本株式(TOPIX(東証株価指数))は、トランプ米大統領の関税政策を受けて大きく下落する局面があったものの、日米関税交渉が15%で妥結したことが好感されたほか、米国の利下げ期待の高まり、AI投資拡大、高市政権に対する期待から上昇しました。

年初来の騰落率でみると、米国株式に対して日本株式は小幅にアウトパフォームしました(図表1)。7月の参院選での自公の過半数割れなど政治懸念はあったものの、自由民主党と日本維新の会の連立や、高市政権に対する期待感が日本株式を後押ししました。

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[図表1]TOPIXおよびS&P500の推移 出所:LSEG

※2025年1月1日を100として指数化 [図表2]日・米長期金利の推移(参考) 出所:LSEG [図表3]ドル円・ユーロ円の推移(参考) 出所:LSEG

デフレ脱却が業績拡大をサポート

企業の売上高とCPI(消費者物価指数)の長期的なトレンドはおおむね一致しています(図表4)。デフレ環境の継続が、これまで日本企業の売上高を抑制してきた一因で、日本企業は従業員の賃金抑制や投資抑制などコストカットを進めてきました。

しかし、2021年頃から、ようやくデフレ脱却が鮮明になりつつあり、売上高は増加基調で、日本企業は従業員の賃金や投資を増やす「物価と賃金の好循環入り」の可能性が高まっています。

ただし、拙速に日銀が金融引き締めを行うと、この好循環が失われる可能性があるため注意が必要です。

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[図表4]売上高とCPI 出所:財務省、LSEG

インフレを背景に名目GDPが上昇する一方で、実質GDPの伸びが緩やかであることから(図表5)、消費者の成長に対する実感は希薄ではあるものの、企業収益は名目値であり、株価も堅調に推移していることは事実です。

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[図表5]名目GDPと実質GDPの推移 出所:LSEG

インフレ環境への転換による名目GDP成長率の回復が株価上昇の原動力であり、名目GDPと株価との連動性が高いことが見てとれます(図表6)。今後、名目GDP成長率が+2.5%程度(潜在成長率+0.5%、インフレ率+2%)で推移すれば、2020年代後半には日経平均株価は6万円を突破する可能性もあるとみています。

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[図表6]名目GDPと日経平均株価の推移 出所:LSEG

株式需給の引き締まりにより、PERは拡大

TOPIXの予想PERは過去10年でコロナ禍を除き、おおむね12~16倍のレンジで推移してきましたが、足もとは16倍を超える水準にあります(図表7)。この水準は一見割高に見えますが、日本株式の需給改善によりPERレンジが切り上がる可能性があると考えます。

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[図表7]予想PER(TOPIX)の推移 出所:ブルームバーグ

需給改善の要因は2点です。第1に、自社株買いの活発化です。東証のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ解消要請を契機として、2022年以降に自社株買い枠設定の動きが強まり、2024年度は時価総額対比2%弱と高水準になっています。(図表8)。

企業は自社株買いを行うと、自社株の多くを消却しており、市場の株式供給が減少しています。

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[図表8]自社株買枠設定推移(期初時価総額比) 出所:ブルームバーグをもとに東京海上アセットマネジメント作成

第2に、TOB(公開買い付け)による完全子会社化の増加です。東証による「資本コストや株価を意識した経営の要請」や親子上場解消の動きなどを背景に、完全子会社化のTOB件数や金額が大きく増加しています。

2020年のNTTによるNTTドコモ完全子会社化以降、この動きが活発化し、2020年と2023年は6兆円超、2025年に13.6兆円まで拡大しています(図表9)。

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[図表9]完全子会社化TOB件数・総額の推移 出所:ブルームバーグ

TOBによる完全子会社化により、市場から退出する企業が増えており、今後も日本株式市場の需給は徐々に引き締まっていくことが想定されます。

労働力不足とAI・投資

高市政権は日本の経済成長率押し上げに資する政策を掲げています。AI、半導体、造船、情報通信、デジタルなど企業の大型投資を促す設備投資促進減税案を検討しており、これにより投資の活発化と生産性向上が期待されます。

また、労働市場改革も重要な柱です。日本では労働力人口減少や労働時間短縮により労働投入量が減少し、成長率を下押ししてきました。人口動態を加味すると2030年には500万人超の労働力不足が見込まれます(図表10)。

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[図表10]労働人口の減少 出所:厚生労働省、国連などをもとに東京海上アセットマネジメント作成

この解消には省力化投資などを通じた生産性向上が不可欠であり、高市政権の政策方向性は日本経済の成長率底上げに寄与すると考えます。

半導体市場については、2023年9月に好況期入りし、過去の平均的なサイクルでは好況期2〜3年、不況期1年程度で推移してきましたが、75ヵ月続いた局面もあり今回も長期化する可能性があります(図表11)。足もとではAI関連需要が強く、在庫に過剰感はないため在庫調整リスクは低い状況です。

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[図表11]世界半導体出荷額(前年比)(3ヵ月平均)の推移 出所:ブルームバーグをもとに東京海上アセットマネジメント作成

生成AI市場は2032年に1.6兆米ドル、年平均成長率40%弱と高成長が見込まれます(図表12)。現在はハイパースケーラーのデータセンター投資によるインフラ強化段階ですが、今後有力なコンテンツやアプリケーションが普及すれば、デバイスやソフトウェアなど幅広い分野に需要が拡大すると予想されます。

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[図表12]生成AI関連需要見通し 出所:ブルームバーグ

まとめ

1.株式市場の見通し

・2026年は株価上昇を想定。デフレ脱却により安定的に業績拡大、日本株式の需給逼迫継続、高市政権に対する期待などが株価上昇をサポート。

・自由民主党と日本維新の会の連立、高市政権の政策は成長にポジティブ。政権運営の安定性を注視。

2.東京海上アセットマネジメントが考える投資のポイント

・日本株式の需給のタイトさを考慮すれば、PERの切り上がりは妥当。今後も、PERは徐々に切り上がっていく可能性も想定される。

・高市政権は半導体・AI、造船、創薬、防衛など、成長分野への支援を強化。生産性向上、成長率の向上に期待。

・ハイパースケーラーを中心に、AI投資意欲は非常に強く、AI関連銘柄を中心に半導体は好調な状況が継続することを想定。

3.リスクシナリオ

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[図表13]リスクシナリオ 出所:東京海上アセットマネジメント

4.株価見通し

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[図表14]株価見通し 出所:東京海上アセットマネジメント

*2025年12月末時点の数値に対する変化率

※日経平均株価(予想値)はNT倍率(12/30:14.76)から算出したもの

東京海上アセットマネジメント

※上記は過去の実績及び将来の予想であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。

※上記は作成日時点の弊社の見解であり、今後、予告なく変更することがあります。

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「Market Report 2026年1月9日」をTHE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「Market Report 2026年1月9日」をご確認ください。

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