三菱の新型「デリカD:5」車中泊仕様が魅力的な訳

東京オートサロン2026に展示されていた、新型デリカD:5をベースにしたキャンピングカー「デリカD:5アクティブキャンパー ロゴス・エディション」(写真:筆者撮影)
ワイルドなスタイルや高い4WD性能などにより、アウトドア好きを中心に根強い支持を受けているのが、三菱自動車(以下、三菱)のオールラウンド・ミニバン「デリカD:5」だ。
【写真を見る】三菱の新型「デリカD:5」をベースにしたキャンピングカー「デリカD:5アクティブキャンパー ロゴス・エディション」の内外装を確認(32枚)
2026年1月9日に大幅改良を受けた新型が発売されたが、早くもその新型モデルをベースにしたキャンピングカーが登場。三重県を拠点とするキャンピングカー・メーカーのダイレクトカーズが手がけた「デリカD:5アクティブキャンパー ロゴス・エディション(以下、アクティブキャンパー)」がそれだ。
車中泊に最適な新作の「アクティブキャンパー」
アウトドア・ブランド「ロゴス(LOGOS)」とダイレクトカーズのコラボレーションによって生まれたのがこのモデル。いわゆるバンコン(バンコンバージョン)というスタイルを採用し、外装や高い4WD性能などはほぼノーマルのまま。内装には、快適な車中泊に最適な装備を採用することで、都市部から自然豊かなフィールドまで、幅広いシーンでクルマ旅を楽しめる工夫が施されている。
当記事では、そんな新型アクティブキャンパーについて、初披露された「東京オートサロン2026(2026年1月9~11日・幕張メッセ)」の三菱ブースで取材。デリカD:5が持つアウトドアでの魅力を、より広げた最新キャンピングカーを紹介する。

26年1月9日に三菱から発売になったばかりの新型「デリカD:5」。車両価格は451万~494万4500円(写真:三菱自動車)
デリカD:5は、広い室内などによる良好な居住性と悪路での高い走破性などを融合した、オールラウンド・ミニバンという独自スタイルを持つオフロード系モデルだ。
07年の登場以来、フルモデルチェンジを行わず、基本構成を継続。19年間の長きにわたり、内外装や2.2L・クリーンディーゼルターボエンジン、4WD性能などを熟成させ、幅広い層から支持を受けているロングセラーモデルとなっている。
新型デリカD:5での変更点

新型デリカD:5のインテリア(写真:三菱自動車)
その新型では、まずエクステリアを変更。とくにフェイスデザインは、フロントのグリルやバンパーのデザインを刷新することで、よりアクティブで力強い顔付きを演出する。また、インテリアでは、8インチカラー液晶のディスプレイメーターを採用し、視認性を向上。インストルメントパネルには、金属調アクセントも装備し、先進性やプレミアム感も加味する。
加えて、「アウトランダーPHEV」にも搭載する「S-AWC」を新採用することで、4WD性能もアップデートする。独自の車両運動統合制御システムであるS-AWCは、4WD機構をベースに、4輪の駆動力・制動力を最適に制御することで、路面状況に応じて、すべてのタイヤのグリップ力を最大限に確保する技術だ。
これにより、「走る・曲がる・止まる」といった車両運動を、ドライバーにとって違和感がないよう継ぎ目なく連続的に統合制御。クルマの操縦性と安定性を飛躍的に向上させているという。

新型デリカD:5に用意された4つのドライブモード(写真:三菱自動車)
さらに、S-AWCとリンクする4つのドライブモードも設定。燃費を優先した2WDモードの「エコ(ECO)」、日常の走行に幅広く対応する「ノーマル(NORMAL)」、砂利道やぬかるみで走破性を発揮する「グラベル(GRAVEL)」、雪道など滑りやすい路面での操縦安定性を高める「スノー(SNOW)」の各モードを選択できる。
ほかにも、急な下り坂でも車速を一定に保つ「ヒルディセントコントロール」も搭載するなどで、路面状況に応じた最適な走行が可能。もともと定評のある優れた4WD性能を、さらに進化させていることがポイントだ。
アクティブキャンパーの外装

アクティブキャンパーのリアビュー(写真:筆者撮影)
そんな新型デリカD:5をキャンピングカー仕様にしたのが、今回発表されたアクティブキャンパーだ。スタイルは、いわゆるバンコンと呼ばれるジャンルに属する。
ちなみにバンコンでも、トヨタ「ハイエース」など商用バンをベースにしたモデルなどには、外装を大型化し、広い就寝スペースの確保のほか、キッチンなど快適装備も追加した8ナンバー登録の本格仕様もある。だが、このモデルは、外装はほぼノーマルで、登録も3ナンバー車のままだ。

展示車両には、ルーフラックやオーニングなども装備されていた(写真:筆者撮影)
展示車の場合は、天井に荷物を積載できるルーフラック、停車中に展開すると日よけになるオーニングなど、外装に数々のオプションパーツを装着している。だが、それらは取りはずすことも可能で、基本的なボディサイズは純正と同じ全長4800mm×全幅1815mm×全高1875mmとなっている。
もちろん、そのぶん、このモデルにはキッチンなどは備わっていない。だが、ボディがほぼノーマルと同じなので、普段使いとキャンピングカーとしての機能を両立できる点が特徴。アウトドアのレジャー用途だけでなく、通勤や買い物などの日常生活にも違和感なく利用できる。
また、大型なボディを持つ本格的キャンピングカーと比べ、自宅周辺やショッピングセンターなどで駐車場の制限も少なく、維持をしやすいこともポイント。とくに都市部在住で、アウトドアを楽しみたいユーザーなどには、非常に現実的な選択肢となるモデルだといえる。
アクティブキャンパーの内装

アクティブキャンパーの車内。テーブルをセットすることでリビング&ダイニング的に使用可能(写真:筆者撮影)
一方、内装には、運転席後方の2列目と3列目に、それぞれ1人がけのシートを装備。その左側には横座りのシートを設置する。室内右側の前後に配列する1人がけのシートは、いずれもダイレクトカーズ・オリジナルの500iseatというタイプだ。前向き・後ろ向きどちらにも展開可能で、走行中は、前後を前向きにすることで2名乗車が可能。運転席と助手席を合わせ、合計4名の乗車人数となる(ノーマルは7~8名)。
また、1人がけシートのうち、2列目を停車中に後ろ向きにし、3列目シートとの間にテーブルをセットすれば、対座式のダイネットとなる。さらに、それぞれをフラットに倒せば、ベッドとして使うことも可能。左側の横座りシートも使えば、大人2名がゆったりと横になれる就寝スペースとなる。

ロゴスのロゴが入ったインテリアパネル(写真:筆者撮影)
2列目と3列目のシートの間にあるDCクーラー内蔵の木製ボックスなど、家具類には美しい木目が特徴のホワイトバーチ材を採用。ブラウンに統一したシートやインテリアとのマッチングにより、ログハウスのようなイメージを演出しつつ、落ち着いた雰囲気も醸し出す。
パネルなどの各部には、コラボしているアウトドア・ブランドのロゴス(LOGOS)を象徴するロゴもワンポイントであしらい、遊び心なども演出。これらにより、まるで森の中にいるような安らぎと、自然の温もりを感じさせる室内のテイストを実現している。

天井には、釣り竿を固定できるロッドホルダーも設置されていた(写真:筆者撮影)
ほかにも、このモデルでは、300Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備。キャンプ地や車中泊時などにエンジンを停止中でも、前述のDCクーラーなど、家電製品の電源となるサブバッテリーとして使うことができる。
さらにオプションには、運転席・助手席に回転シートも用意する。今回の展示車では、停車中に助手席を180度後方へまわし、常設ベッドの前後スペースを拡大する使用例を見せていた。また、釣り好き向けには、天井に設定できるロッドホルダーも用意。24インチのTVやオゾン発生器など、より室内を快適にできる装備も選ぶことができる。
ベース車両の価格は798万円
なお、このモデルの価格(税込み)は、オプション未装着のベース仕様で798万円。販売はすでに開始されているが、ロゴスとのコラボモデルということもあり、2026年12月24日までの期間限定販売となる。
ともあれ、新型デリカD:5が本来持つ高い悪路走破性などと、車中泊に快適な装備を組み合わせたことで、よりアウトドアを満喫できそうなのがこのモデルだ。しかも、外装がほぼノーマルのため、運転や維持のハードルが比較的低いのも魅力だといえる。とくに、キャンプ好きのファミリー層など、これからキャンピングカーの購入を検討している初心者などには、注目の1台となるのではないだろうか。