比例票「立憲民主」「公明」表記にご注意 有効・無効は「各自治体の選管判断」ではなく明確に「無効」
今回の衆院選の直前、立憲民主党と公明党の衆院議員らによる新党「中道改革連合」が誕生した。
SNS上では、比例代表の投票で「立憲民主党」「公明党」などと書いた場合、各市区町村の開票管理者の判断によっては中道改革連合の得票になる、という情報が広がっている。実際には、これらは無効票となるため、誤った言説だといえる。
◆「選挙の大原則に反する」誤情報に疑問を呈した候補者も
こうした言説は、「産経ニュース」が1月24日夜に「『立民』『公明』と書いた場合の有効か無効の判断は、各地の開票管理者に任せられる」「自治体で判断が異なる可能性」などと報じたことがきっかけで広まった。

産経デジタルの記事を引用する鈴木貴子氏のX投稿
東京新聞がSNS分析ツールMeltwaterで調べたところ、この記事に言及した投稿は産経報道の直後に急増し、27日までに約1万5000に達した。SNS上で影響力を持つ与野党の国会議員も記事を引用して見解を述べたことで、拡散はさらに進んだ。
衆院選で北海道7区に立候補している自民党の鈴木貴子氏は25日、自身のX(旧Twtter)で、立憲民主党と公明党は参院に議席を持つ公党だとして、これらの党名が書かれた票を中道改革連合の得票とすることは「有権者の意思の尊重という選挙の大原則に反するのではないでしょうか?」とつづった。
◆中道改革連合の有効投票例は「中」「中道改革」
比例代表の投票では、正式名称以外にも、各政党・政治団体が届け出た略称の使用も認められている。自由民主党の略称は「自民党」、日本共産党の略称は「共産党」といった具合だ。
ただ、実際にはそれ以外の書き方をする有権者もおり、そうした場合の対応について、公職選挙法の67条は「投票した選挙人の意思が明白であれば、その投票を有効とするようにしなければならない」と定めている。その政党に投票したことが明白だと認められる書き方なら、有効と扱うというわけだ。
「立憲民主党」「公明党」が有効とする説は、この条文が影響しているとみられる。中道改革連合をこの2党が結成したことは、広く知られている事実だからだ。
ただ、この条文には「68条第2項の規定に反しない限り」という条件も付けられている。68条の2項は「比例名簿を届け出た政党以外の政党や政治団体」を、無効になる投票事例の1つとして挙げている。
今回の衆院選では、立憲民主党と公明党は比例名簿を届け出ていない。
◆総務省の見解は…
総務省は1月28日、比例代表の投票の判定に関する注意事項をまとめた通知を、各都道府県の選挙管理委員会に出した。

総務省が都道府県選挙管理委員会に出した通知に記された「有効投票例」
そこには、政党・政治団体の正式名称と略称のほかに、有効投票とみなされる例がいくつか列挙されている。例えば、自民党なら「自」や「自民」、中道改革連合なら「中」や「中道改革」だ。
一方で通知には、公選法の条文と同じように「名簿届け出の政党や政治団体以外の名称や略称は、無効投票と解される」と明記されており、これに照らせば「立憲民主党」や「公明党」は無効になりそうだ。
この点について総務省選挙課に確認すると、担当者は「無効になると考えられます」と述べた。(長崎高大)

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