60代・70代の年金平均額は? 厚生年金・国民年金のリアルな受給額と老後の家計収支を検証
- 日本の公的年金の基本構造:国民年金と厚生年金の仕組み
- 【年齢別】厚生年金の平均受給月額一覧(60歳~90歳以上)
- 60~69歳における厚生年金の平均月額
- 70~79歳における厚生年金の平均月額
- 80~89歳における厚生年金の平均月額
- 90歳以上における厚生年金の平均月額
- 【年齢別】国民年金の平均受給月額一覧(60歳~90歳以上)
- 60~69歳における国民年金の平均月額
- 70~79歳における国民年金の平均月額
- 80~89歳における国民年金の平均月額
- 90歳以上における国民年金の平均月額
- 受給額の分布で見る厚生年金と国民年金の実態
- 厚生年金の男女別平均月額と受給額分布
- 厚生年金の受給額分布(1万円刻み)
- 国民年金の男女別平均月額と受給額分布
- 国民年金の受給額分布(1万円刻み)
- モデルケースで見る老後の家計:65歳以上・無職夫婦世帯の収支状況
- 65歳以上・無職夫婦世帯の収入
- 65歳以上・無職夫婦世帯の支出
- 単身世帯の場合:65歳以上・無職の方の家計収支
- 65歳以上・無職単身世帯の収入
- 65歳以上・無職単身世帯の支出
- 国民年金の受給額を増やす選択肢:付加年金制度とは
- 付加保険料を納付できる方
- 付加保険料を納付できない方
- 付加保険料を「20歳~60歳の40年間」納付した場合のシミュレーション

60代・70代の年金平均額は?厚生年金・国民年金のリアルな受給額と老後の家計収支を検証
2月は2か月に一度の年金支給月です。
通帳に記帳された金額を見て、ご自身の生活や将来について改めて考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に「他の人は一体いくらくらい年金をもらっているのだろう」という疑問は、多くの方が抱く関心事だと思います。
この記事では、60歳代から90歳以上の方々が実際に受け取っている厚生年金と国民年金の平均額を、年齢別・男女別に詳しく見ていきます。
さらに、年金生活を送るシニア世帯のリアルな家計収支や、将来の年金額を少しでも増やすための具体的な方法についても解説します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、今後のライフプランを考えるきっかけとして、ぜひ最後までお役立てください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金の基本構造:国民年金と厚生年金の仕組み
はじめに、日本の公的年金制度の基本的な仕組みについてご説明します。
公的年金は、基礎となる「国民年金」と、その上乗せ部分である「厚生年金」で構成される「2階建て」の構造になっています。下の図で全体像を把握すると、より理解しやすくなるでしょう。

1階部分にあたる国民年金は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象です。国民年金保険料(※1)は、所得にかかわらず全員が同じ金額を納めます。
2階部分の厚生年金は、会社員や公務員など、企業や官公庁に勤務する方が加入します。こちらは毎月の給与や賞与の金額に応じて保険料(※2)が決まるため、納める額は人によって異なります。
では、将来受け取れる年金額はどのように決まるのでしょうか。
国民年金(老齢基礎年金)は、保険料を全期間(480か月)納付することで、65歳から満額(※3)を受け取れます。保険料の未納期間などがある場合は、その月数に応じて年金額が減額される仕組みです。
一方、厚生年金(老齢厚生年金)の額は、加入していた月数と、現役時代に納めた保険料の金額によって決まります。一般的に、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、より多くの年金を受け取れることになります。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円です。
※2 保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を掛けて算出されます。
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円です。
【年齢別】厚生年金の平均受給月額一覧(60歳~90歳以上)
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを基に、1歳刻みの「平均年金月額」を一覧でご紹介します。
まずは、国民年金部分を含む厚生年金の平均受給月額から見ていきましょう。年齢によってどのような違いがあるのでしょうか。
60~69歳における厚生年金の平均月額

60歳代の厚生年金の平均月額
・60歳:9万9664円
・61歳:10万4455円
・62歳:10万9323円
・63歳:6万8758円
・64歳:8万3901円
・65歳:14万9862円
・66歳:15万2378円
・67歳:15万2356円
・68歳:15万2709円
・69歳:15万1284円
※65歳未満で厚生年金を受給している方には、特別支給の老齢厚生年金のうち報酬比例部分のみを受け取っている方も含まれます。これは、定額部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられているためです。
70~79歳における厚生年金の平均月額

70歳代の厚生年金の平均月額
・70歳:15万455円
・71歳:14万8371円
・72歳:14万6858円
・73歳:14万5583円
・74歳:14万7774円
・75歳:15万1410円
・76歳:15万1241円
・77歳:15万962円
・78歳:15万862円
・79歳:15万3115円
80~89歳における厚生年金の平均月額

80歳代の厚生年金の平均月額
・80歳:15万3729円
・81歳:15万5460円
・82歳:15万7744円
・83歳:15万9994円
・84歳:16万2555円
・85歳:16万3947円
・86歳:16万5577円
・87歳:16万5557円
・88歳:16万6200円
・89歳:16万6767円
90歳以上における厚生年金の平均月額

90歳代の厚生年金の平均月額
・90歳以上:16万4027円
原則的な年金受給開始年齢である65歳以降のデータを見ると、厚生年金の平均月額は14万円台から16万円台で推移していることがわかります。
また、年齢が上がるにつれて、平均額が緩やかに上昇していく傾向が見られます。
【年齢別】国民年金の平均受給月額一覧(60歳~90歳以上)
続いて、国民年金(老齢基礎年金)について、年齢ごとの平均受給月額を見ていきましょう。こちらにも年齢による違いは見られるのでしょうか。
60~69歳における国民年金の平均月額

60歳代の国民年金の平均月額
・60歳:4万5186円
・61歳:4万6371円
・62歳:4万7784円
・63歳:4万7258円
・64歳:4万7896円
・65歳:6万1240円
・66歳:6万1369円
・67歳:6万1345円
・68歳:6万1293円
・69歳:6万978円
※65歳未満で国民年金(老齢基礎年金)を受け取っているのは、繰上げ受給を選択した方々です。
70~79歳における国民年金の平均月額

70歳代の国民年金の平均月額
・70歳:6万1011円
・71歳:6万770円
・72歳:6万234円
・73歳:6万32円
・74歳:5万9813円
・75歳:5万9659円
・76歳:5万9555円
・77歳:5万9349円
・78歳:5万9124円
・79歳:5万8676円
80~89歳における国民年金の平均月額

80歳代の国民年金の平均月額
・80歳:5万8623円
・81歳:5万8269円
・82歳:5万8003円
・83歳:5万7857円
・84歳:5万9675円
・85歳:5万9425円
・86歳:5万9228円
・87歳:5万9204円
・88歳:5万8756円
・89歳:5万8572円
90歳以上における国民年金の平均月額

90歳代の国民年金の平均月額
・90歳以上:5万5633円
本来の受給開始年齢である65歳以降で見ると、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額は5万円台から6万円台で推移していることがわかりました。
受給額の分布で見る厚生年金と国民年金の実態
ここでは、厚生年金と国民年金について、実際の受給額がどのように分布しているのかを詳しく見ていきます。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、60歳から90歳以上の全受給権者を対象とした平均月額と受給額の分布状況をご紹介します。
厚生年金の男女別平均月額と受給額分布

厚生年金の平均額(全年齢)
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含みます。
厚生年金の受給額分布(1万円刻み)
・~1万円:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上~:1万9283人
厚生年金の平均月額は全体で15万289円ですが、男女別に見ると男性が16万9967円、女性が11万1413円と、約6万円もの差があることがわかります。
国民年金の男女別平均月額と受給額分布

国民年金の平均額(全年齢)
・〈全体〉平均年金月額:5万9310円
・〈男性〉平均年金月額:6万1595円
・〈女性〉平均年金月額:5万7582円
国民年金の受給額分布(1万円刻み)
・1万円未満:5万1828人
・1万円以上~2万円未満:21万3583人
・2万円以上~3万円未満:68万4559人
・3万円以上~4万円未満:206万1539人
・4万円以上~5万円未満:388万83人
・5万円以上~6万円未満:641万228人
・6万円以上~7万円未満:1715万5059人
・7万円以上~:299万7738人
国民年金の平均月額は全体で5万9310円でした。男女別では、男性が6万1595円、女性が5万7582円となっています。
受給額の分布を見ると、「6万円以上~7万円未満」の層が最も人数が多く、多くの方が満額に近い年金を受け取っていることが推測されます。
モデルケースで見る老後の家計:65歳以上・無職夫婦世帯の収支状況
この章では、65歳以上の無職世帯(夫婦のみ・単身)における1か月の家計収支の実態を見ていきます。
ここでは、総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考にします。

65歳以上の生活費(夫婦世帯)
65歳以上・無職夫婦世帯の収入
・実収入:25万2818円
・うち社会保障給付:22万5182円(主に年金)
65歳以上・無職夫婦世帯の支出
・実支出:28万6877円
・うち消費支出:25万6521円
消費支出は、一般的に「生活費」にあたる部分です。その内訳は以下の通りです。
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
税金や社会保険料などの非消費支出は3万356円で、内訳は次のようになっています。
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
このモデル世帯の場合、1か月の実収入25万2818円に対して支出の合計が28万6877円となり、毎月3万4058円が不足している状況です。
単身世帯の場合:65歳以上・無職の方の家計収支
次に、65歳以上の無職単身世帯の家計収支についても同様に確認していきましょう。

65歳以上の生活費(単身世帯)
65歳以上・無職単身世帯の収入
・実収入:13万4116円
・うち社会保障給付:12万1629円(主に年金)
65歳以上・無職単身世帯の支出
・支出:16万1933円
・うち消費支出:14万9286円
消費支出の主な内訳は以下の通りです。
・食料:4万2085円
・住居:1万2693円
・光熱・水道:1万4490円
・家具・家事用品:6596円
・被服及び履物:3385円
・保健医療:8640円
・交通・通信:1万4935円
・教育:15円
・教養娯楽:1万5492円
・その他の消費支出:3万956円
非消費支出の平均額は1万2647円でした。
・直接税:6585円
・社会保険料:6001円
単身世帯のケースでは、1か月の実収入13万4116円に対し、支出の合計は16万1933円となり、毎月2万7817円の赤字という結果でした。
国民年金の受給額を増やす選択肢:付加年金制度とは
働き方が多様化する現代では、フリーランスや自営業など、厚生年金に加入しない働き方を選ぶ方も増えています。
しかし、将来受け取る年金が国民年金のみの場合、受給額が少なくなる傾向にあるのが実情です。
ここでは、国民年金の受給額を増やす方法の一つとして、「付加保険料の納付」について解説します。

国民年金付加年金制度
付加年金とは、定額の国民年金保険料(2025年度は1万7510円)に「付加保険料(月額400円)」を上乗せして納めることで、将来の年金額を増やせる制度です。
付加保険料を納付できる方
・国民年金第1号被保険者
・65歳未満の任意加入被保険者
付加保険料を納付できない方
・国民年金保険料の納付を免除(法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、学生納付特例)されている方
・国民年金基金に加入している方
個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は、同時に加入することが可能です。ただし、iDeCoの掛金によっては併用できないケースもあるため注意が必要です。
付加保険料を「20歳~60歳の40年間」納付した場合のシミュレーション
仮に、20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納め続けた場合を考えてみましょう。
65歳以降に受け取れる「付加年金額」は、「200円 × 付加保険料納付月数」で計算できます。
・40年間に納付した付加保険料の総額:19万2000円(400円 × 480か月)
・65歳以降に受け取れる付加年金額(年間):9万6000円(200円 × 480か月)
40年間で納める付加保険料の合計は19万2000円です。それに対して、毎年9万6000円が年金に上乗せして支給されるため、受給開始から2年で支払った保険料の元が取れる計算になります。
まとめ
今回は、60歳代から90歳以上の方々の年金受給額の平均や、シニア世帯の家計の実態について、さまざまなデータをもとに解説しました。
厚生年金の平均月額は14万円から16万円台、国民年金は5万円から6万円台がひとつの目安となることがお分かりいただけたかと思います。
また、年金収入だけでは家計が赤字になるケースも少なくないという現実も見えてきました。
ご自身の年金記録や将来の受給見込額を正確に把握することが、これからのライフプランを考える上での第一歩となります。
日本年金機構の「ねんきんネット」などを活用して、一度ご自身の状況を確認してみてはいかがでしょうか。
寒さが続く季節ですが、暖かいお部屋でじっくりとご自身の将来のお金について考える良い機会かもしれません。
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