【まいばすけっと】運営するイオンは「増収増益なのに最終赤字?」元機関投資家が読み解く「イオン」の本当の正体とは
2026年2月期第3四半期の連結業績:営業収益、営業利益、経常利益のいずれも過去最高を更新

【まいばすけっと】運営するイオンは 「増収増益なのに最終赤字?」元機関投資家が読み解く「イオン」の本当の正体とは
私たちの生活に身近なスーパー「イオン」や「まいばすけっと」。
普段何気なく利用しているこれらの店舗ですが、運営元のイオン株式会社がどのような稼ぎ方をしているのか、詳しく知っていますか?
今回は、元機関投資家でアナリストの泉田良輔氏がYouTubeチャンネル『イズミダイズム』で解説した、イオンの最新決算(2026年2月期第3四半期)の内容をご紹介します。
「増収増益なのに最終赤字?」「イオンは小売業ではない?」といった、プロならではの視点で語られるイオンの意外な姿に迫ります。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「まいばすけっと」論争に見る、買い物の「効率」と「エンタメ」
動画の冒頭、話題は昨年SNSでバズった「『まいばすけっと』は都民の罰だ」という投稿について触れられました。
都内には大きなスーパーが少なく、品揃えが固定化された『まいばすけっと』で買い物せざるを得ない状況を嘆く声に対し、「まいばす愛好家」である泉田氏は独自の視点を展開しています。
泉田氏は、ほぼ毎日『まいばすけっと』を利用するヘビーユーザー。同氏によれば、決まった商品が整然と並んでいることは「安心感」であり、商品を選ぶ時間を省ける「効率性」こそが魅力だといいます。
「選ぶことはコスト」であり、余計なことを考えずに必要なものを安く手に入れられる点は、忙しい現代人にとって理にかなっていると評価しています。
買い物を「エンタメ」と捉えるか「作業」と捉えるかで評価が分かれるといえるでしょう。
しかし決算数値を見ると、『まいばすけっと』が含まれるSM(スーパーマーケット)事業は黒字を確保しており、事業としては好調であることがわかります。
【イオン】過去最高益を更新!しかし最終利益は赤字のワケ
続いて、イオン全体の業績についても見ていきます。
2026年2月期第3四半期(3月〜11月)の連結業績は、営業収益、営業利益、経常利益のいずれも過去最高を更新しました。
・営業収益:7兆7494億円(前期比 +3.7%)
・営業利益:1447億円(前期比 +23.1%)
・経常利益:1271億円(前期比 +24.5%)
これだけ見ると絶好調に見えますが、実は「親会社株主に帰属する四半期純損益」は109億円の赤字となっています。

イオンの決算を解説する泉田氏
なぜ、本業でこれだけ稼いでいるのに最終赤字なのでしょうか?泉田氏は損益計算書を読み解き、その原因が「特別損失」にあると指摘します。
具体的には、店舗のリストラに伴う減損損失などが一時的に膨らんだことが要因です。
泉田氏は「本業の利益(営業利益・経常利益)がしっかり伸びていることが重要」とし、今回のような一時的な損失による赤字については、そこまで深刻に捉える必要はないとの見解を示しています。
ただし、今後も同様の損失が続かないかは注視が必要とのことです。
イオンは「小売業」以外にも強みあり? プロが注目する稼ぎ頭
「イオン=スーパーマーケット」と思っている方が多いかもしれませんが、アナリストの視点は少し異なります。
泉田氏がイオンを分析する際、真っ先に注目するのは「金融事業」と「不動産(ディベロッパー)事業」だといいます。
セグメント別の利益を見てみると、その理由が一目瞭然です。
・GMS(総合スーパー)事業: 営業損失 116億円(赤字)
・総合金融事業: 営業利益 404億円
・ディベロッパー事業: 営業利益 493億円
なんと、本業と思われがちなスーパー事業(GMS)は赤字である一方、カード事業などの「金融」と、イオンモールを運営する「ディベロッパー」の2事業だけで、グループ全体の利益の大部分を稼ぎ出しているのです。

イオンの決算を解説する泉田氏
泉田氏は「イオンは実質的に金融・不動産会社に見える」と語ります。
これらの事業は日本国内だけでなく、中国や東南アジアなどグローバルに展開しており、人口増加が続く成長市場でしっかりと利益を上げている点が、イオンの強みであると分析しています。
投資家なら「優待」だけでなく「中身」を見よう
動画の最後で泉田氏は、株式投資における視点についてもアドバイスを送っています。
イオンは株主優待が人気で、それ目当てに保有している個人投資家も多い銘柄です。しかし、「優待や『増収増益』というニュースのヘッドラインだけで判断するのではなく、実際にどの事業が稼いでいるのかを決算資料で確認することが大切」だと語ります。
今回のイオンのように、
・表向きは「スーパー」だが、中身は「金融・不動産」で稼いでいる
・「最終赤字」だが、本業は「過去最高益」で好調
といった事実は、決算短信や説明会資料を少し深掘りすることで見えてきます。 普段の買い物では見えない「企業の本当の姿」を知ることで、投資の判断材料はぐっと豊かになると泉田氏は締めくくりました。
参考資料
・Youtubeチャンネル「イズミダイズム」
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