ホンダ「N-VAN」車中泊仕様が初心者に最適な訳

N-VANベースの軽キャンパー「ピッコロスマイル」, ファン・ターボの4WDをベース車に採用, 新型「ピッコロスマイル」の特徴, ベッドを収納すれば、ダイネットも出現, ピッコロスマイルの価格について

東京オートサロン2026に出展されていた、N-VANをベースにした新型の軽キャンパー「ピッコロスマイル」(写真:筆者撮影)

気軽にクルマ旅が楽しめ、近年人気が伸びている軽自動車ベースのキャンピングカー、いわゆる軽キャンパー。魅力は、本格的な大型モデルと比べると、購入費用はもちろん、維持費もかなり抑えられることだ。

【写真を見る】ホンダの軽自動車「N-VAN」をベースにした車中泊仕様「ピッコロスマイル」の細部(14枚)

とくに外装がほぼノーマルに近い車中泊仕様なら、コンパクトな車体だから駐車場を選ばない。また、路地などでの取りまわしも非常によいため、キャンピングカー初心者や女性ユーザーなどを中心に、大きな支持を受けている。

【写真】ホンダの軽自動車「N-VAN」をベースにした車中泊仕様「ピッコロスマイル」の細部(14枚)

N-VANベースの軽キャンパー「ピッコロスマイル」

そんな軽キャンパーを主軸とするメーカーとして知られるオートワンキャンパー(神奈川県)が、新型「ピッコロスマイル」を発表した。軽商用バンのホンダ・N-VANをベースとするこのモデルは、外観はほぼノーマルのまま。キャンプはもちろん、仕事や買い物など日常の用途にも使いやすいことが特徴だ。

しかも、N-VANが元来持つ広い室内や豊富な荷室アレンジを生かし、4名乗車・2名就寝が可能。さらに、停車中に家電を使えるサブバッテリーなどの電装系装備も採用することで、快適なキャンプや車中泊を楽しめる高い実用性も実現する。

当記事では、そんな新型ピッコロスマイルを、初披露された「東京オートサロン2026(2026年1月9~11日・幕張メッセ)」で取材。主な特徴や魅力などについて紹介する。

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ピッコロスマイルのベース車となるホンダ「N-VAN」(写真:本田技研工業)

ピッコロスマイルのベース車は、前述のとおり、ホンダのN-VAN。日本一売れているクルマとしても有名な、軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」を擁するホンダNシリーズに属する軽商用バンだ。

2018年に登場したこのモデルは、N-BOXのプラットフォームを生かした広い荷室スペースや高い積載効率性などが大きな特徴といえる。燃料タンクを前席の下に搭載する独自の「センタータンクレイアウト」の採用により、荷室を低床化し、高さのある荷物の積載にも対応できる空間を実現する。

また、助手席側ドアをピラーレスにすることで、荷物などの積み下ろしがとても楽だ。その高い実用性などにより、商用ユースはもちろん、アウトドア・レジャーなど趣味の用途まで、幅広い層のユーザーから高い支持を受けている。

ファン・ターボの4WDをベース車に採用

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助手席センターピラーレス (ドアインピラー構造)による大きな開口部(写真:本田技研工業)

そんなN-VANのなかでも、ピッコロスマイルがベースとするのは「ファン・ターボ」の4WD車。外装に丸目のフルLEDヘッドライトやクロームメッキなどを採用し、ターボエンジンで走りも強化した最上級グレードだ。

じつは、筆者もN-VANファン・ターボ(2WD車)のオーナーなのだが、軽乗用モデルと遜色のない愛嬌のある外装デザイン、軽自動車と思えないストレスレスでパワフルなエンジンが魅力だ。しかも、ピッコロスマイルのように4WD仕様であれば、キャンプ場などにある悪路でも高い走破性を発揮してくれるだろう。

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N-VANの広い室内空間(写真:本田技研工業)

加えて、ホンダ独自の先進運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載することもポイントだ。高速道路などで、一定車間を保ちつつ先行車を自動で追従する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」など、長距離運転の疲労軽減や快適性に寄与する最新機能も満載。まさに、街乗りから郊外まで、幅広いフィールドでクルマ旅を楽しめるベース車だといえる。

新型「ピッコロスマイル」の特徴

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大人2名が就寝できるベッドスペース(写真:筆者撮影)

ピッコロスマイルの外装は、先に述べたとおり、ほぼノーマルのままだ。ボディサイズも全長3395mm×全幅1475mm×全高1960mmと、4WD車の純正ボディと同寸となっている。また、登録もノーマルと同じ軽商用バンの4ナンバーだ。車検は初回もそれ以降も2年ごと。毎年支払う軽自動車税種別割は、自家用の場合で5000円/年なので、維持費が非常に安いことも魅力といえる。

一方、4名乗車と2名就寝が可能な室内。こちらも、大きな変更はあえて加えず、隅々まで使える純正の四角い荷室を生かし、必要最低限ながら充実の装備となっている。

まず、ベッドは、大人2名が横になれるスペースを確保。これは、2列目シートはもちろん、助手席までフラットにできるN-VANならではのレイアウトだ。しかも、運転席には回転シートを採用し、ベッド展開時は180度後方へ移動させることで、ベッドスペースをより長くする工夫も施している。

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助手席側から見たピッコロスマイルの室内(写真:筆者撮影)

ちなみに、オートワンキャンパーでは、スズキの軽商用バン「スペーシア ベース」を使った軽キャンパーもラインナップする。だが、そちらの就寝人数は1名。これは、スペーシア ベースの2列目シートが完全にフラットにならず、座面の厚みぶんの段差ができるため。N-VANほど、ベッドスペースを広く取れないそうだ。

軽自動車ベースで、外装を大きく変更しないモデルの場合は、ある程度仕方がないのもたしか。だが、ユーザーからは、そうした車中泊仕様でも2名就寝できるモデルが欲しいという声が多かったそうで、同社はN-VANに着目。新型のピッコロスマイルを製作するに至ったのだという。

ベッドを収納すれば、ダイネットも出現

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シャワー付きのシンク・セット(写真:筆者撮影)

荷室のベッドマットをはずせば、対面対座シート付きのダイネットにも変更可能だ。壁に断熱処理を施すことで、冬でも暖かく、夏もある程度の暑さを抑えられる工夫も施している。

さらにオプションとして、シャワー付きシンク・セットも用意。シャワーはノズルが伸びるタイプなので、室内での使用はもちろん、車外でシャワーを浴びることも可能だ。また、キャビネット内には55Ahのサブバッテリーも搭載。エンジン停止中に、家電などを使うこともできる。

しかも、オプションとして100Ahのサブバッテリーや100Wの薄型ソーラーパネルなども選択でき、より大容量の電源を確保することも可能だ。電装系では、ほかにも走行充電や700Wインバーターも標準装備。室内は比較的シンプルなため、見た目ではあまりわからないが、隠れたさまざまな場所に充実した電装設備を実装している。

ピッコロスマイルの価格について

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東京オートサロン2026に展示されていた車両のスペックと価格(写真:筆者撮影)

なお、ピッコロスマイルの価格(税込み)は、標準装備だけのベーシックな仕様で313万7200円。さまざまなオプション付きの展示車両の場合は316万4700円だ。ノーマルのN-VANファン・ターボ4WD車の車両価格(税込み)が209万2200円だから、ベーシックな仕様ならプラス100万円ちょっとで手に入ることになる。

軽キャンパーの場合は、ユーザーがDIYで自作するケースもある。だが、個人的には、やはり「餅は餅屋」だと思う。とくに電装系装備は、専門知識を持つプロが手がけた仕様のほうが安心だ。

しかも、このモデルを見る限り、前述のとおり、荷室はかなりシンプルな仕上がり。これは、荷室が持つ本来の広さをできるだけオミットせずに、できうる限りの装備を搭載するプロの技が光っている証しだといえる。そう考えると、クルマいじりが苦手な人、またキャンピングカーの初心者などで、1~2名の少人数でクルマ旅を楽しみたい層には、最適な選択肢のひとつといえるのではないだろうか。