巨人イオンの本格参入で激化するリカバリーウェア戦国時代…ワークマン・ニトリ・テンシャル、各社の勝算は

衣料の戦略発表を行なったイオンリテールの小田嶋淳子衣料本部長(右)と、トップバリュコレクションの大迫博文社長。
「着るだけで疲労回復」をうたうリカバリーウェアの領域に小売りの最大手が本格参入する。イオンリテールは2月18日、トップバリュのリカバリーウェア「EX セリアント」からルームウェアのTシャツとロングパンツを発売すると発表した。2月20日から全国の「イオン」「イオンスタイル」360店舗で販売を始める。
同社は2019年10月に一般医療機器に登録し、疲労回復をうたう関連商品を販売していたが、2022年の制度変更を機に一般医療機器としての販売を休止。再登録と市場の成熟を経て、事実上の再参入となる。

イオンリテールが販売する「リカバリーウェア」。
縮小する衣料、リカバリーウェアを「中核に」
「24時間、リカバリーウェアで体を整える体制がやっとできた」。同社の小田嶋淳子衣料本部長は会見でこう強調した。
今回新たに発売するのは、同社のリカバリーウェアとして初のルームウェア商品。メンズとレディースでそれぞれ9商品(長袖Tシャツ3種類・半袖Tシャツ3種類・ロングパンツ3種類)を展開する。
同社は2025年12月にメンズとレディース向けインナーを「EX セリアント」から発売しており、今回のルームウェア発売によってリカバリーウェア市場に本格参入することになる。
同社の「2026年 衣料品戦略」では「高付加価値」「価格」の二本柱を掲げられており、小田嶋本部長は「リカバリーウェアを中核に、縮小する衣料市場の流れを反転させる」と意気込む。

イオンリテールは「価格」「高付加価値」を戦略の柱とする。
繊維には米コロジェニックス社が開発した、複数の鉱石を繊維に練り込んだ素材を採用。体熱を吸収して遠赤外線として再放射することで血行を促進する仕組みという。「約1万回洗濯しても大丈夫」(イオンリテール広報)と、洗濯を繰り返しても効果が落ちにくいのが特徴で、リサイクルポリエステルを約40%使用するなど環境負荷への配慮も盛り込んだ。

鉱石由来の繊維を使い、一般医療機器に登録した商品だ。
ターゲットはファミリー層、2030年に売上100倍目指す
総合スーパー(GMS)の最大手として、イオンモールなど大規模店舗の多くが1階の食料品フロアで買い物をするファミリー層をメイン顧客としていることから、主なターゲットは子育て中のファミリー層に設定。「価格や品質でベンチマークにしている」(小田嶋本部長)という「ユニクロ」を参考に、肌着は2980円、ルームウェアは価格は4000〜5000円台とした。
ニトリやワークマンが1000円台の低価格帯で販売していることに触れ「われわれは中価格帯に当たるのではないか」との認識を示す。
「子育て中のパパ・ママは仕事も含め非常に疲れている中で、帰宅後も家事をしなければならない。彼らのニーズに合った商品展開を計画している」(小田嶋本部長)
事業目標については「具体的な売上金額は非公開」とした上で「2026年はリカバリーウェア全体で前年比売上げ10倍。2030年には2025年比で売上げ100倍を目指す」と明言した。
「後発ではない」強調、リカバリーウェア強化2つの背景
同社がリカバリーウェア事業を強化する背景には、2つの背景がある。