「金メダル効果」で株価20%高のヨネックス、実は4年間で売上高2.7倍の絶好調企業だった...中国市場で急成長【ミラノ・コルティナオリンピック】

男子ハーフパイプで金メダルを獲得した戸塚優斗選手。

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(以下ミラノ五輪)が日本時間2月23日早朝、ロミオとジュリエットの舞台にもなった街、ヴェローナの「ヴェローナ・オリンピックアリーナ」で開かれた閉会式をもって、拍手喝采のなか幕を閉じた。

今大会、日本代表は金メダル5個を含む過去最多24個のメダルを獲得した。さまざまな競技で選手の活躍が目立つ中、戸塚優斗選手(男子ハーフパイプ)、木村葵来選手(男子ビッグエア)がそれぞれ金メダルを獲得したスノーボード(以下スノボ)では、ヨネックスが新潟製造の国産ボードで選手の活躍を支えた。

ヨネックスといえば、テニスやバドミントンの「ラケット=ヨネックス」のイメージが根強い。だが、ラケットで培った炭素(カーボン)素材の知見を転用し、31年前にスノーボード事業に参入。軽いカーボン製ボードを武器に、海外メーカーがシェアで先行する市場で奮闘している。

ヨネックス広報は日本人選手の金メダル獲得について「大変喜ばしい」とコメントしている。

男子ビッグエアで出場した木村葵来選手はヨネックス製ボードで金メダルを獲得した。

“金メダル効果”で株価が一時20%高に

ヨネックスは1995年9月、業界初となるフルカーボングラファイト構造のスノーボードを発表し、スノーボード事業に参入した。同社広報は「バドミントン・テニス・ゴルフなどで長年培ってきた高度なカーボン技術をスノーボードにも活かせると考えたのが参入のきっかけ」と説明する。

スノボ市場では世界シェア1位の米バートン(​​Burton)を筆頭に、ボードの素材には「ウッドコア」(木製芯材)を採用するのが主流だ。これに対して、ヨネックスは長年扱ってきたカーボンを活用し、業界での知名度を上げてきた。

表彰式などの中継映像で、ヨネックスと契約する戸塚選手と木村選手が持つボードのヨネックスロゴがフォーカスされたことは、SNSでも多数の注目を集めた。

木村選手(中央)が金メダルを獲得した男子ビッグエアでは、バートン社の木製ボードを使用した選手もメダルを獲得している(右)。

サポート選手の金メダル効果を受けてか、同社の株価はミラノ五輪期間中に上昇している。2月19日には一時、1株4015円前後をつけた。ミラノ五輪開幕時点の2月6日の終値が3270円だったことを考えると、約20%上がったことになる。その後、翌2月20日の終値は3750円で推移している。

過去4年で売上高2.7倍、注目の「種目別」売り上げ

金メダル効果に沸くヨネックスのビジネスは、どんな事業セグメントで成り立っているのか。決算資料から収益の特徴を見てみよう。