「10年外食していない」「休む暇ない」 “足りない年金”苦労の日々 ケガで休職「生きていけない」『every.気になる!』

老後の安心を支えるはずの年金ですが、物価高で出費がかさむ中、受給する人たちからは「年金だけでは足りない」「仕事しないと生活できない」といった声が上がります。今年初めての支給日に街で取材し、この日ならではの楽しみや普段の苦労を聞きました。

■セールの日「安いときに買わないと」

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2月13日、埼玉・川口市にあるスーパー「新鮮市場 東本郷店」。この日は2か月に1度の年金支給日です。店では「年金スペシャル」と題してセールを行っていました。バナナは 1袋108円、6個入りのみかんは429円です。

夫婦でひと月の年金が約12万円の受給者(78)

「(バナナを)2袋買います。安いですね。いつも100円以上するんだけど、今日はすごく安い」

ひと月の年金が夫婦で約15万円という男性(83)は、3食で258円の雑炊をまとめ買いしていました。「これ安い。1食80円(税抜)。安いときに買わないと」

夫婦でひと月の年金が約30万円という女性(83)は、入ったばかりの年金でちょっと贅沢(ぜいたく)をするそうです。「これが贅沢だと思う。煮魚が食べたい。ご褒美」と笑顔を見せました。

普段は買わないカレイの切り身や菓子パンなど、約2800円分を購入しました。「やっぱり年金支給日はうれしいです」

■物価高で「やっていけるか不安」

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うれしいはずの年金支給日。しかし、食費のやりくりには苦悩が尽きません。

夫婦でひと月の年金が約25万円の受給者(76)

「食費を切り詰めないときついですね。白菜でミルフィーユ鍋を作るとか。夜食べて、お昼食べて、次の日の夜のおつゆまで作りますから。3食分作りますから。贅沢はしないです。できないですね」

ひと月の年金が約12万円の受給者(72)

「飲食店にここ10年行ったことない。これからさらに物価高騰になって物が高くなったら、やっていけるのか不安はある」

家賃や光熱費などを支払うと、残るのは3万5000円ほどだといいます。

■「おいしいもの食べないと…」

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1人暮らしでひと月の年金が約8万円という女性(90)も、外食はめったにしないそうです。ただ、支給日は友人と外でランチを楽しみました。入ったのは牛丼のチェーン店です。

「(食べたのは899円の)牛すき鍋(膳)。もう年金暮らしはさ、おいしいもの食べないと明日からの英気を養えないから。これが生きがいなの」

支給日の贅沢を楽しみにして、100歳まで頑張ると話していました。

■「年金だけでは生活できない」

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年金だけでは足りず、仕事をしている人も。支給額がひと月あたり約15万円の男性(79)は定年後も働き続けています。「生涯学習センターで20年働いてますよ。休んでいる暇なんてないですよ」。週に3日ほど働き、なんとか生活を維持しているそうです。

66歳の女性は、ひと月に約4万5000円の年金では生活できないため、介護の仕事をしています。「正月休み明けから数日しか仕事してないのにケガをして、1月は5日しか働いてないんです」。仕事中に腕を骨折し、休職しました。

本来は給料と年金でひと月に25万円ほど入ってきますが、今は年金頼みだといいます。

「動けるうちは仕事をして、年金の額は重要じゃないと思っていたんです。こんなことになるとは考えてなかった」

「家賃は6万1300円。実際に払うと生活できない。電気代・ガス代が払えなくなるし、食費もない状態になってしまうので。生きていけないので」

労災の手続きがなかなか進まず、保険金が振り込まれるのはまだ先だといいます。

■まだ自宅のローンが…節約の日々

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80歳の女性は、生活に変化がありました。「夫がこの前、70歳で定年退職。不安ですよね。(年金だけでは)足りないのが現実かしらね」

女性は夫と2人暮らし。現在の収入は、夫婦でひと月あたり約20万円の年金だけです。「私がもっと若ければパートで働きに行くんですけど。80歳だと雇ってくれるところもなくて…。これから先どうやっていけばいいか不安がありますよね」

自宅のローンもまだ残っており、節約の日々です。ある日の昼食は3玉入りのうどん。食べ飽きないよう、この日はカレー味にしました。

「お米が本当に高い…。少し安くなるというけど、安くならない。毎日食べているとあっという間になくなるから、パンやうどんにしないと」

そんな中、女性には最近の楽しみがあります。「赤い布を縫って座布団を作る」。半年前から始めた人形作りです。孫が男の子と女の子、2人ずついるんですけど。(作った人形を)持っていかれるんです。『ばあちゃん持っていくね~』て言って。うれしいですね」

(2026年2月23日『news every.』より)