【国の給付金】2カ月に一度、ふつうの年金本体に「給付金上乗せあり」の人とは? 年金生活者支援給付金のイロハ《月額・支給要件・手続き》

70歳代のリアルな生活実感:約9割が「ゆとりなし」と感じる背景|老後の年金は「みんなが同じ水準ではない」

老後の年金は「みんなが同じ水準ではない」, 年金生活者支援給付金のイロハ《2026年度4月分からの月額》, 【2025年→2026年】年金生活者支援給付金の支給金額, 年金生活者支援給付金のイロハ《年金に上乗せされる支給要件とは?》, 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象, 年金生活者支援給付金のイロハ《手続きしないと振り込まれません》, 【毎年9月に順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」, 手続きは毎年必要?, 70歳代のリアルな生活実感:約9割が「ゆとりなし」と感じる背景, 70歳代世帯:家計の現状

【国の給付金】2カ月に一度、ふつうの年金本体に「給付金上乗せあり」の人とは?年金生活者支援給付金のイロハ《月額・支給要件・手続き》

公的年金は働き方で受給額に差があり、老齢年金の平均月額(国民年金5万円台、厚生年金15万円台)では生活に不安を抱えるケースも少なくありません。

物価高も相まって、家計にゆとりがないと感じるシニア世代が増えています。そこで知っておきたいのが、一定の所得基準を満たすと年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」です。

本記事では、70歳代のリアルな家計状況とともに、2026年度の最新給付額や対象基準、申請手順を分かりやすく解説します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

老後の年金は「みんなが同じ水準ではない」

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で15万円台です。

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国民年金の平均月額(男女全体・男女計)

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厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。

年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。

年金生活者支援給付金のイロハ《2026年度4月分からの月額》

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。

受給中の年金によって、以下3種類の年金生活者支援給付金があり、それぞれに、支給要件と支給額(基準額)が設定されています。

・老齢年金生活者支援給付金

・障害年金生活者支援給付金

・遺族年金生活者支援給付金

【2025年→2026年】年金生活者支援給付金の支給金額

2026年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から3.2%引き上げとなりました。

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出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

【2026年度】

・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円

・障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円

・遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。

上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万1000円、年額にすると約6万7000円受け取れます。

なお、「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円です。

※2025年3月において認定されている平均給付金額です。

年金生活者支援給付金のイロハ《年金に上乗せされる支給要件とは?》

年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。

「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人です。

給付金の判定に用いる所得は、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。

「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。

「老齢年金生活者支援給付金」支給対象

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出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。

65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下

老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

補足的老齢年金生活者支援給付金

昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。

年金生活者支援給付金のイロハ《手続きしないと振り込まれません》

年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。支給対象になったら自然に年金に上乗せされるわけではありません。

すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます)。

【毎年9月に順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」

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出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。

なお、これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。

手続きは毎年必要?

年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続き不要で継続受給が可能です。

継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。

なお、毎年度(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。

70歳代のリアルな生活実感:約9割が「ゆとりなし」と感じる背景

年金生活者支援給付金のようなサポート制度が重要視される背景には、シニア世代の厳しい家計事情もあるでしょう。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」より、70歳代世帯の家計の現状についての調査データを見ていきます。

70歳代世帯:家計の現状

老後の年金は「みんなが同じ水準ではない」, 年金生活者支援給付金のイロハ《2026年度4月分からの月額》, 【2025年→2026年】年金生活者支援給付金の支給金額, 年金生活者支援給付金のイロハ《年金に上乗せされる支給要件とは?》, 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象, 年金生活者支援給付金のイロハ《手続きしないと振り込まれません》, 【毎年9月に順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」, 手続きは毎年必要?, 70歳代のリアルな生活実感:約9割が「ゆとりなし」と感じる背景, 70歳代世帯:家計の現状

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

年金でさほど不自由なく暮らせる

・二人以上世帯:12.3%

・単身世帯:12.3%

ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる

・二人以上世帯:61.2%

・単身世帯:52.2%

日常生活費程度もまかなうのが難しい

・二人以上世帯:26.5%

・単身世帯:35.5%

「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した世帯を合わせると、二人以上世帯・単身世帯ともに87.7%となり、およそ9割の世帯が家計にゆとりがないと感じていることが分かります。

では、具体的にどのような要因が不安につながっているのでしょうか。

【ゆとりがない理由】 ※上記で「ゆとりがない」等と回答した世帯

・物価上昇等により費用が増えていくとみているから(二人以上世帯:57.7% / 単身世帯:54.1%)

・高齢者への医療費用の個人負担が増えるとみているから(二人以上世帯:30.0% / 単身世帯:22.6%)

・高齢者への介護費用の個人負担が増えるとみているから(二人以上世帯:18.7% / 単身世帯:19.8%)

・年金が支給される金額が切り下げられるとみているから(二人以上世帯:17.2% / 単身世帯:13.2%)

・年金が支給される年齢が引き上げられるとみているから(二人以上世帯:6.5% / 単身世帯:4.8%)

・その他(二人以上世帯:16.0% / 単身世帯:24.0%)

このように、「物価上昇等により費用が増えていくとみているから」という理由が半数以上を占めています。日々の生活費の負担感や、今後の医療・介護・年金制度に対する不安が、シニア世代の家計を圧迫している現状がうかがえます。

だからこそ、今回ご紹介している「年金生活者支援給付金」のような制度をしっかり把握し、申請漏れを防ぐことが、老後の生活を守るための大切な一歩となるでしょう。

まとめにかえて

物価上昇などでシニア世代の家計負担が増す中、2026年度の「年金生活者支援給付金」は月額5620円(障害年金生活者支援給付金1級は7025円)に引き上げられ、貴重な収入源となります。

対象者には「緑の封筒」などで通知が届きますが、ご自身で申請手続きをしないと受け取れない点には注意が必要です(一度手続きすれば原則自動継続)。

ご自身の受給状況や郵便物を今一度確認し、申請漏れを防いで年金生活を守っていきましょう。

参考資料

・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」

・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

・総務省「個人住民税」

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