「サークルやアルバイトでの経験談」を熱く語る学生が、面接官の印象に残らない残念な理由

面接で学生がアピールしたいことと面接官が重視していることは、実はかなり異なるのが現実だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
就活はただ動けばいいというものではない。地道な下準備で培った底力が、その後のインターンシップや面接の場で花開くのだ。ライバルに差を付けるESの基となる、自己分析と企業研究への向き合い方をお伝えしよう。(取材・文/古井一匡)
能力検査への対策は
過去問を繰り返すのが基本
就活生がライバルと内定を競う「本番」が、適性検査と面接だ。さまざまな攻略法が喧伝されているが、それらは全ての人にとって有効なのか。「自分らしさ」を発揮できてこそ、採用担当者の目に留まり、内定を獲得することができる。
企業が人材採用において、応募者の能力や性格、資質などが自社の業務や企業風土にマッチしているかを判断するために行うのが「適性検査」だ。適性検査には、基礎的な知的能力を測る「能力検査」と価値観や思考パターンを測る「性格検査」の二つがあり、面接における質問の材料として、また入社後の配属や人材育成の資料としても用いられる(図表1参照)。
前者の能力検査はさらに「言語分野」と「非言語分野」の二つに分かれ、「言語分野」では国語力にフォーカスし、語彙(ごい)、文章の並び替え、長文読解、論理的な関係性などの問題が出される。「非言語分野」では論理的思考力、数的能力などにフォーカスし、四則演算、推論、グラフや図表の読み取り、確率、集合、空間認識などの問題が出される。
能力検査の受験形式は企業によってさまざまだが、近年多いのは自宅のパソコンなどからインターネット経由で受験するウェブテスト方式だ。指定された会場のパソコンで受験するテストセンター方式、企業が指定した会場で受験するペーパーテスト方式もある。
能力検査は特に人気企業、大手企業では選考対象者を絞るために用いられ、正答率は7、8割必要とされるケースもあり対策は必須だ。具体的には過去問を繰り返し解くことが基本。問題の傾向と解法パターンを身に付けるとともに、自分の苦手分野が分かってくるので、そこを集中的にカバーする。
さらに、本番では多くの問題を短時間で解かなければならず、時間を計りながら練習することで解答スピードを上げることも重要だ。
もう一つの性格検査は、採用候補者の性格特性や行動傾向を調べるものだ。テスト形式としては、質問に対して「はい」「いいえ」で答える、どの程度当てはまるかを4、5段階から選ぶ、あるいは複数の文章が提示され最も自分に近いものを選ぶといったパターンが多い。
能力検査とは違って、どれが正解ということはない。質問の意図を深読みしたりせず、素直に回答することが重要。考え過ぎるとむしろ回答に一貫性がないとして、マイナスの評価になりやすい。
また、性格検査では候補者のストレス耐性に注目する企業が多いといわれるが、具体的にどこで測っているかは明確には分からないので、やはり素直に回答すればよい。
面接の準備では
エントリーシートを再確認
就活のプロセスで内定(内々定)に直結する最も重要なステップが「面接」である。
通常、先輩社員や人事担当者による1次面接、部課長クラスによる2次面接、役員クラスによる最終面接など複数回、行われる。
面接対策としては当たり前だが、事前準備を怠らないように。具体的には、面接を受ける企業の事業内容や企業理念などを再確認する。同時に、提出したエントリーシート(ES)をよく見直す。ESに書いた自己PR、ガクチカ、志望動機が面接での質問材料になるので、自分なりに何を聞かれそうか予想し返答を考える。家族や友人、大学のキャリアセンターなどに手伝ってもらい、模擬面接を行うのも効果的だ。
面接本番での受け答えで気を付けたいのは、ESの書き方と同様に、最初に結論を端的に述べ、続けてその理由を説明すること。
スラスラ話す必要はない。面接官が知りたいのは候補者の素顔であり、質問を頭の中で反芻(はんすう)し、しっかり考えて答える方が好印象だ。
企業の重視ポイントと
就活生のアピールポイント
ところで、書類選考や適性検査、面接において企業は学生のどういう点を重視し、学生は何をアピールしようとしているのか。
ダイヤモンド・ヒューマンリソースの調査によると、企業が重視する点の第1位は「対人コミュニケーション力」で88.0%だが、これは学生がアピールしたい点としては36.2%。企業の第2位は「仕事への意欲・興味」で61.0%なのに対し学生は同34.8%。企業の第3位は「協調性」で60.7%なのに対し学生は同36.9%とそれぞれ大きな開きがある(図表2参照)。
一方、学生が最もアピールしたいポイントとして挙げているのが「粘り強さ・責任感」だが、これは企業側も重視しておりギャップは小さい。しかし、同じく学生が重視する「アルバイト体験」(43.6%)について企業は16.2%、「サークル活動体験」(30.5%)に至っては重視する企業はわずか6.8%に過ぎない。
ESの作成や面接の対策においてはこうしたギャップを意識すると大きなメリットが期待できる。例えば、アルバイトやサークル活動の話をESに盛り込む場合、一歩踏み込んで、そうした体験から何を学び、どう成長したかを分かりやすく伝えてみる。あるいは、面接においては面接官とのコミュニケーションを楽しむくらいの意識を持って臨めば高評価につながる可能性がある。ぜひ工夫してみてほしい。