「住民税非課税世帯」になる収入はいくら?《年金・給与収入のボーダーライン》をわかりやすく解説
- 住民税が非課税になる世帯が受けられる「5つの優遇措置」を一覧で解説
- 優遇措置1:国民健康保険料(応益割)の減額
- 優遇措置2:介護保険料の減額
- 優遇措置3:国民年金保険料の免除・納付猶予
- 優遇措置4:保育料の無償化
- 優遇措置5:高等教育の修学支援新制度
- 住民税の基本構造から知る「住民税非課税世帯」の定義
- 住民税が非課税になる世帯に共通する3つの条件とは
- 所得基準はいくら?住民税非課税世帯になるためのボーダーライン
- 給与と年金では違う?収入別の住民税非課税ボーダーラインを解説
- ケース1:単身世帯における給与・年金収入の目安
- ケース2:配偶者または扶養家族がいる場合の給与・年金収入の目安
- なぜ高齢者世帯は「住民税非課税」に該当しやすいのか?
住民税非課税世帯が対象となり得る「5つの支援・優遇制度」とは?

「住民税非課税世帯」になる収入はいくら?《年金・給与収入のボーダーライン》をわかりやすく解説
3月も中旬を過ぎ、日差しに春の暖かさを感じる日が増えてきました。
卒業や入学、そして4月からの新生活を前に、準備に追われているご家庭も多いのではないでしょうか。
何かと出費がかさむこの時期、家計の負担は少しでも軽くしたいものです。
政府は物価高騰などに対応するため、さまざまな経済対策を打ち出しています。
昨年は住民税非課税世帯への給付金が話題となりましたが、支援策は一時的な給付金だけにとどまりません。
実は、住民税が非課税となる世帯は、国民健康保険料の減額や保育料の無償化など、日々の暮らしに直結する複数の優遇措置を受けられる可能性があります。
この記事では、住民税非課税世帯が対象となる代表的な「5つの優遇措置」を詳しく解説します。
あわせて、どのような世帯が該当するのか、給与や年金収入の具体的なボーダーラインについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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住民税が非課税になる世帯が受けられる「5つの優遇措置」を一覧で解説
コロナ禍や近年の物価高騰を受け、政府は住民税非課税世帯を対象とした現金給付など、多様な支援策を実施してきました。
住民税非課税世帯とは、所得が一定の基準よりも低く、住民税が課税されない世帯を指します。詳しい条件については後ほど解説します。
しかし、こうした世帯を支える制度は、一時的な給付金だけではありません。
日々の暮らしをサポートするためのさまざまな優遇措置が設けられています。ここでは、その中でも代表的な5つの制度について見ていきましょう。

【一覧表】住民税非課税世帯への優遇措置
優遇措置1:国民健康保険料(応益割)の減額
優遇措置2:介護保険料の減額
優遇措置3:国民年金保険料の免除・納付猶予
優遇措置4:保育料の無償化
優遇措置5:高等教育の修学支援新制度
この他にも、各自治体が独自に実施している制度を含めると、活用できる支援は多岐にわたります。
では、具体的にどのような世帯が住民税非課税に該当するのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
住民税の基本構造から知る「住民税非課税世帯」の定義
はじめに住民税の基本的な構造を理解し、そのうえで住民税非課税世帯に該当するための条件を見ていきます。
住民税とは、お住まいの都道府県や市区町村に納める地方税のことです。自治体にとって重要な財源であり、公共サービスやインフラ整備などに充てられています。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造
個人が納める住民税は、「均等割」と「所得割」という2つの要素で構成されています。
・均等割:所得額にかかわらず、一定の所得がある方に均等に課される部分
・所得割:前年の所得金額に応じて課税額が変動する部分
この「均等割」と「所得割」の両方が非課税となる状態を「住民税非課税」と呼び、世帯の構成員全員がこの条件を満たす場合に「住民税非課税世帯」となります。
所得割だけが非課税になるケースもありますが、その場合に給付金などの支援対象となるかは、自治体ごとに判断が異なるため注意が必要です。
詳細については、ご自身がお住まいの市区町村の公式サイトなどで基準を確認することをおすすめします。
住民税が非課税になる世帯に共通する3つの条件とは
それでは、住民税が課税されないための具体的な条件を確認していきましょう。
以下のいずれかの条件に当てはまる場合、住民税は非課税扱いとなります。
・生活保護法による生活扶助を受けている方
・障害者、未成年者、寡婦またはひとり親に該当し、前年の合計所得金額が135万円以下の方
・前年の合計所得金額が、お住まいの市区町村が定める基準額を下回る方
1と2は全国で共通の条件ですが、3の所得基準は市区町村によって異なるため、お住まいの自治体の情報を確認することが重要です。
所得基準はいくら?住民税非課税世帯になるためのボーダーライン
それでは、住民税非課税世帯に該当する所得の具体的な水準はどのくらいなのでしょうか。ここでは兵庫県神戸市のケースを例に見ていきます。

均等割も所得割もかからない人(非課税者)
神戸市の場合、「非課税となる所得の基準額」は以下の式で計算されます。
35万円×(本人+同一生計配偶者(※)+扶養親族数)+10万円+21万円
ただし、21万円が加算されるのは、同一生計配偶者(※)または扶養親族がいる場合に限られます。
※同一生計配偶者:納税者と生計を共にする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の人を指します。
給与と年金では違う?収入別の住民税非課税ボーダーラインを解説
住民税が非課税になる所得基準は、同一生計配偶者や扶養親族の有無だけでなく、その収入が給与なのか年金なのかによっても異なります。
所得は収入金額から必要経費や各種控除を引いて計算されます。
ここでは神戸市の基準をもとに、収入の種類別に非課税となる年収の目安を確認しましょう。

住民税非課税世帯に該当する世帯(神戸市)
ケース1:単身世帯における給与・年金収入の目安
合計所得金額が45万円以下の場合
・給与収入のみの場合:年収110万円以下
・公的年金収入のみの場合(65歳以上):年金収入155万円以下
・公的年金収入のみの場合(65歳未満):年金収入105万円以下
ケース2:配偶者または扶養家族がいる場合の給与・年金収入の目安
合計所得金額が101万円以下の場合
・給与収入のみの場合:年収156万円以下
・公的年金収入のみの場合(65歳以上):年金収入211万円以下
・公的年金収入のみの場合(65歳未満):年金収入171万3334円以下
単身の方を例にすると、給与収入だけであれば年収110万円以下、65歳以上で公的年金収入のみなら年金収入155万円以下が、住民税非課税のおおよその目安となります。
一方、同一生計配偶者や扶養している親族がいる世帯では、この非課税となる収入の基準額は高くなります。
特に65歳以上で公的年金収入のみの世帯の場合、収入の目安は211万円以下となり、単身世帯と比較して条件が大きく緩和されるのが特徴です。
このように、住民税が非課税になるかどうかは、世帯の状況や収入の種類によって大きく変わってくることがわかります。
なぜ高齢者世帯は「住民税非課税」に該当しやすいのか?
厚生労働省の「令和6年国民生活基礎調査」をもとに、年齢階級別に住民税が「課税されている世帯」の割合を確認してみましょう。

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合
・29歳以下:63.0%
・30〜39歳:87.5%
・40~49歳:88.2%
・50~59歳:87.3%
・60~69歳:79.8%
・70~79歳:61.3%
・80歳以上:52.4%
・65歳以上(再掲):61.1%
・75歳以上(再掲):54.4%
※ 全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯を含む
※ 総数には、年齢不詳の世帯を含む
※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む
データを見ると、住民税の課税世帯の割合は30歳代から50歳代で約9割にのぼりますが、60歳代になると79.8%に低下します。
さらに年齢が上がると、65歳以上では61.1%、75歳以上では54.4%と、その割合はさらに下がっていきます。
このように、年齢を重ねるにつれて住民税が課税される世帯の割合は、段階的に減少する傾向が見られます。
その背景には、多くの方が年金生活に入ると現役時代よりも収入が減ることや、65歳以上の方には手厚い公的年金等控除が適用されることなどがあります。
加えて、遺族年金や障害年金は所得税・住民税の課税対象外です。
これらの理由から、公的年金を主な収入源とする高齢者世帯は、他の世代に比べて住民税非課税世帯に該当しやすくなっているといえるでしょう。
まとめ
この記事では、住民税が非課税となる年金収入や給与収入のボーダーラインについて、具体的な例を交えて解説しました。
住民税非課税の判定基準となる所得額は、お住まいの市区町村によって設定が異なります。
したがって、ご自身の自治体の基準を一度確認してみることが大切です。
暮らしを支える公的制度は数多くありますので、ご自身が対象となるものがないか、この機会に調べてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・内閣府「「強い経済」を実現する総合経済対策」
・総務省「個人住民税」
・神戸市「住民税(市県民税)とは」
・神戸市「いくらまでの収入なら住民税(市県民税)が課税されませんか?」
・厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(e-stat)
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
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