【4月から年金増額】国民年金+1.9%・厚生年金+2.0%!「月15万円(年180万円)」をもらえる割合は何パーセント?
年額180万円の壁!ふつうの人は一体いくらもらえる?

【4月から年金増額】国民年金+1.9%・厚生年金+2.0%!「月15万円(年180万円)」をもらえる割合は何パーセント?
「老後の生活は、毎月いくらあれば安心できるのだろうか」と考えたことはありませんか。
春の訪れとともに、新年度の年金額がどう変わるのか気になる方も多いでしょう。まずは、老後生活の現実的な必要額を、総務省が公表した最新データから見ていきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の単身無職世帯における1カ月あたりの消費支出は平均で14万9286円です。
一方で、税金などを差し引いた可処分所得は12万1469円となっており、毎月およそ2万8000円が不足する計算になります。
このデータから見えてくるのは、生活を守るための一つの目安として「月額15万円」というラインです。
では、公的年金の支給額だけでこの金額をクリアできる人は、実際にどのくらいいるのでしょうか。公的な資料をもとに、年金受給のリアルな実態に迫ります。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【年金制度の基本】日本の公的年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
日本の公的年金制度は、土台となる「国民年金(基礎年金)」と、その上に乗る「厚生年金」で構成されており、しばしば「2階建て構造」と表現されます。
この2つの年金制度の基本的な仕組みについて、それぞれ確認していきましょう。
公的年金の仕組みを図で確認

1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」とは
・加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
・保険料:加入者全員が定額ですが、年度ごとに見直されます。2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円です。
・受給額:保険料を全期間(480カ月)納付すると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます。2026年度の老齢基礎年金(満額)は月額7万608円です。未納期間がある場合は、その期間に応じて満額から減額されます。
2階部分にあたる「厚生年金」とは
・加入対象:会社員や公務員、またパートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。
・保険料:収入(標準報酬月額と標準賞与額)に応じて決定されます。
・受給額:加入していた期間や納めた保険料の総額によって、個人ごとに異なります。
このように、2階部分である厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。国民年金と厚生年金では、加入の対象者や保険料の決まり方、将来受け取る年金額の計算方法が異なります。
そのため、老後に支給される年金額は、個人の加入状況や現役時代の収入によって差が生じるのです。
また、公的年金の額は、物価や現役世代の賃金の変動に合わせて毎年度改定される仕組みであることも、理解しておくべき重要なポイントです。
※特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
【2026年度】年金額は増額へ!国民年金は+1.9%、厚生年金は+2.0%に
公的年金の支給額は、毎年の賃金や物価の変動を考慮して改定されます。2026年度については、前年度と比較して国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の増額となり、4年度連続でのプラス改定が決定しました。

2026年度の年金額
・国民年金(老齢基礎年金・満額):7万608円(1人分)
・厚生年金:23万7279円(夫婦2人分のモデルケース)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)です。
※厚生年金の金額は、平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)の男性が40年間就業した場合の老齢厚生年金と、2人分の老齢基礎年金(満額)を合計した給付水準です。
国民年金のみの加入だった場合、満額を受け取ったとしても月額は約7万円です。受給開始を上限である75歳まで遅らせる「繰下げ受給」を利用したとしても、月額は13万円に届きません。
※国民年金(老齢基礎年金)の満額:国民年金保険料を480カ月納付した場合に、65歳から受け取れる年金額です。
※繰下げ受給:老齢年金の受給開始を66歳から75歳までの間で遅らせる制度です。「繰下げ月数×0.7%」の率で増額され、75歳で受給を開始すると増額率は最大84%になります。
厚生年金の受給額「月15万円」の壁。受給者の割合はどのくらい?
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の平均月額は、男女全体で「15万289円」となっています。注意点として、この金額には1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の額も含まれています。
受給額ごとの人数分布は、以下の通りです。
厚生年金受給額の分布状況

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・1万円未満:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上~:1万9283人
データを見ると、厚生年金を月額15万円以上受給している人の割合は49.8%と、全体の半数を下回っています。厚生年金に加入していなかった人も含めると、この割合はさらに低くなると考えられます。
パート必見!「年収106万円の壁」撤廃へ。2025年成立の年金制度改正法を解説
2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」には、パートやアルバイトとして働く人々の働き方に大きく影響する、いわゆる「年収106万円の壁」を撤廃する内容が盛り込まれました。
働き控えの原因?「年収106万円の壁」の概要

出所:厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)
「106万円の壁」とは、パートタイマーなどの短時間労働者の年収が106万円を超えると、社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養から外れ、自ら保険料を納める義務が生じる目安のことです。
保険料の負担によって手取り収入が減少するため、多くの人が収入が基準額を超えないように労働時間を調整する「働き控え」を選択する一因と指摘されてきました。
なお、社会保険の適用対象となる企業の規模は段階的に拡大されており、2024年10月からは従業員数「51人以上」の事業所が対象となっています。
今回の法改正では、「3年以内の賃金要件の撤廃」と「10年かけて企業規模要件を段階的に撤廃」することが決定しました。
短時間労働者の社会保険加入要件はどう変わる?

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
これまで、パートタイムなどで働く短時間労働者が社会保険に加入するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要がありました。
・週の所定労働時間が20時間以上
・2カ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・所定内賃金が月額8万8000円以上(賃金要件)
・従業員数51人以上の企業で働いている(企業規模要件)
今回の改正によって、このうちの4番目「賃金要件」と5番目「企業規模要件」が撤廃されることになります。
いわゆる「106万円の壁」は、全国の最低賃金の引き上げ状況を考慮しながら3年以内に廃止される見通しです。また、社会保険の適用対象となる企業の規模要件は、10年かけて段階的に拡大されていきます。
まとめ:将来の年金を見据えて今から準備を
厚生年金は、加入期間が長くなるほど将来の受給額が増えるため、私たちの老後生活を支える重要な柱です。「ねんきんネット」を利用すれば、いつでも将来の年金額を試算できるので、ライフプランを設計する上で役立つでしょう。
また、年金本体に加えて、要件を満たすことで上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」のような公的支援制度があることも、ぜひ知っておきたいところです。
これらの制度を上手に活用し、理想のセカンドライフを実現するために、今からできる準備を進めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
・厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)
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