1542人に聞いた「円の預貯金いくら持ってる?」職業別は3位リタイア含む無職1409万円、2位建設1499万円、1位は納得

 同僚でも友人でも、なんなら親にも聞けない「貯金いくら持ってる?」。1542人のアンケート結果を公開。シンプルな結果に加えて職業別の預貯金ランキングも。公的データとも比較した。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2026春号」から抜粋しています】

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 株や投資信託がNISAなどを通じた資産形成の主役になりつつある一方で、日々の生活や万一の備えを支えているのは、やっぱり預貯金だ。

 相場が荒れたときの安心材料にもなるし、失業や病気、教育費や住宅修繕といった予定外の出費&必ず出ていくお金は現金でしっかり取っておきたい人も多い。貯金は家計の安全装置。

「老後2000万円問題」は2019年だが、今や物価高と円安で様変わりした。「いくら(投資で)増やすか」の前に「今、いくら持っているか」「どれくらい持ちこたえられるか」という切実な問題に。

 そこで本誌は今回、預貯金をはじめ暮らしのお金をテーマにした「アエラマネー貯金・カード払い・投資アンケート2026」を実施、1542人から回答を得た(謝礼なし)。広く回答を募るため、楽天証券にも告知の協力をあおいだ。

※編集部注:本来は銀行・信用金庫などに預けるお金を「預金」、ゆうちょ銀行・JAバンクなどに預けるお金を「貯金」と呼んで区別するが、アンケートでは「普段は使わない、老後や万が一に備えて貯めている円のお金」という意味で「貯金」という単語を使用している

■貯金なし9.5%

 まず「貯金はありますか?」という、そもそもの質問から。結果は貯金「あり」が90.5%、「なし」が9.5%。アンケートの結果分析にも協力してくれた楽天証券IR・広報部長の松﨑裕美さんは語る。

「9.5%が『貯金なし』という結果ですが、この約10%の中には『資産のほぼすべてを投資に回していて、現預金ではあまり持っていない』という方もいらっしゃるようです。

 昨今の株高、円安の環境下で、預貯金よりも資産を効率的に運用に回すという選択肢を取りやすくなってきたのかもしれません。『お金に働いてもらう』という意識が少しずつ浸透してきているのを感じますね」

 アンケートの自由記入欄に書き込まれた、貯金派の声を紹介しよう。

「キャッシュを厚めに持って暴落や不景気になったときも心穏やかに過ごしたい。株高で周りが浮かれているときに現金の比率を上げておきます」(40代・男性)

「一定額までは貯金という概念でコツコツ貯めていくことは必要だと思う」(70代・男性)

「最近は『預金』の大切さが軽んじられているのでは……と、心配になる」(50代・男性)

 続いて、毎月の貯金額(給与天引きなど)を聞いた。一番多いのが1万円以上5万円未満で31.5%。次が5万円以上10万円未満で13.6%。

 なお、毎月の貯金額ゼロの人は全体の40%超だった。この内訳は「現金は十分あるので貯金はしない」が19.8%、「貯金をする余裕はない」が21.9%。

■1000万円未満6割

 一番気になる質問、「貯金をいくら持っていますか?」(グラフは次ページに)。

 最も多かったのは100万円以上500万円未満で27.6%。その次が1000万円以上3000万円未満で24.8%。

 10万円以上100万円未満と500万円以上1000万円未満はどちらも14%台。

 3000万円以上の高額貯金者も20%近い(3000万円以上5000万円未満8.2%、5000万円以上10.3%)。

 国のデータと比較してみよう。

「総務省統計局が発表する『家計調査報告』によると、2人以上世帯における2024年の貯蓄現在高の平均値(文末の脚注参照)は1984万円で、比較可能な2002年以降の最多となりました。

 また、貯蓄ゼロ世帯を除いた貯蓄保有世帯の中央値は1189万円と、こちらも1000万円を超えています(どちらも預貯金以外の金融資産も含めた金額)」

※編集部注:平均値、中央値に関しては文末の脚注で解説しています

「国のデータでは1984万円が平均ですが、2分の1以上の世帯は平均を下回っています。また、高齢世帯がデータを上振れさせている面も大きいので、現役世帯の実態を探るには『二人以上の世帯のうち勤労者世帯』のデータのほうがより参考になりそうです」

 こちらの貯蓄額は貯蓄ゼロ世帯も含めた平均値で1579万円、貯金ゼロ世帯を除いた中央値で947万円。 

 貯金ゼロ世帯も含めた中央値だと885万円。これらも株や投資信託などの有価証券、貯蓄型の保険などまで含んだ合計の数字である。

「預貯金は普通預金のような流動性が高い『通貨性』と、満期が定められた『定期性』に分けられますが、『二人以上世帯のうち勤労者世帯』の平均は通貨性預貯金が588万円、定期性預貯金が344万円で合計932万円。この数字が、実際の『貯金の平均』に近いかもしれませんね。

 今回のアンケートでは『貯金あり』の人の40%超が500万円未満でしたが、預貯金少なめ・株や投資信託多めの方もいらっしゃると思います」

■総合商社1550万円

 本誌のアンケート結果を職業別でも集計した(上の表参照)。

 1位の「総合商社」1550万円はさすがといったところか。わずかな差で2位は「建設・プラント、不動産」(1499万7701円)。

 預貯金は一般的にリタイア時点で最も多くなるといわれる。長年つみたてたお金に加え、会社員・公務員は退職金をもらうケースが多いからだ。リタイア後は年金をもらいつつ預貯金を取り崩しながら暮らすパターンが多い。

 そこで今回のアンケートでは、リタイア済みの人を対象に「退職時の貯金はいくらでしたか?」という質問をした(下の表参照)。

 退職金等で住宅ローンを返済するなどをした場合は、返済後に手元に残った金額を聞いている。

 最多回答は1000万円未満の36.6%。

 意外と少ない? そもそも貯金の余裕がなかったのか、貯金を減らして投資に回したのか、住宅ローンの返済などで手元資金が減ったか。

「『投資』という選択が浸透しだしていることも一つの要因ではないでしょうか。株や投資信託などは持っていても、預貯金はあまり持っていないという方も一定数、いらっしゃるようです」

 アンケートではNISAで投資をしているかも聞いた。こちらは「投資中」が79.7%。ただし本誌(マネー誌)読者や楽天証券の告知を見てアンケートに答えた人が多いこの調査では、相当高めにバイアスがかかっている。

「金融庁によると、2025年6月末時点のNISA口座は2696万口座。単純計算でNISAをやっているのは日本人の4.5人に1人ほどになります」

 この2696万口座という数字は旧NISAも含めた累計で、お金の移動がない休眠口座も入っている。それを踏まえると、NISAをやっている人はまだ少数派。

「ここで日本銀行調査統計局の資料を引用させてください(上のグラフ参照)。日本は家計の金融資産の51%を預貯金が占めています。

 一方、米国では預貯金11.5%、株式などと投資信託の合計で54.6%。米国と比べて日本は預貯金比率が高いのが現状です。

【松﨑さんから後日追加情報】2025年12月17日に発表された日銀データの速報値(7~9月期)では日本の預貯金比率が49.1%と50%を下回り、注目された

 物価高に加え為替も不安定な昨今、預貯金一辺倒では実質的に資産が減ることにつながりかねません。今は株式や投資信託のつみたてサービスがありますので、まずは少額からはじめてみませんか」

【平均値と中央値について】「平均値」とは調査対象者全員の貯蓄現在高を合計し、それを人数で割った数値。「中央値」は貯蓄現在高を順番に並べたとき、真ん中に位置する金額帯を指す。平均値は巨額の資産を持つ一部の富裕層が含まれると、その影響を強く受けて跳ね上がるため、「一般的な人がどれくらい持っているのか」という実態とズレが生じやすい。ざっくり標準的な水準を知りたい場合は外れ値の影響を受けにくい中央値のほうが納得のいく指標になることが多い。データの数字の平均値には貯蓄ゼロ世帯が含まれ、中央値には含まれていない点も注意が必要

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、乃木野 豊

松﨑裕美(まつざき・ゆみ)楽天証券 IR・広報部長。証券他社のマーケティング職を経て現職。楽天証券のYouTubeやセミナー、ラジオにも出演中の敏腕広報

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2026春号』から抜粋

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