住民税非課税世帯になる「年金・給与収入のボーダーライン」はいくら?住民税非課税世帯が対象の「5つの優遇措置」をみる
- 住民税非課税世帯が対象の「5つの優遇措置」を一覧でチェック
- 優遇措置1:国民健康保険料(応益割)の減額
- 優遇措置2:介護保険料の減額
- 優遇措置3:国民年金保険料の免除・納付猶予
- 優遇措置4:保育料の無償化
- 優遇措置5:高等教育の修学支援新制度
- そもそも「住民税非課税世帯」とは?住民税の基本構造から解説
- 住民税が非課税になる世帯の3つの条件
- 住民税非課税世帯になる「所得」の基準額はいくら?
- 給与・年金収入別に見る住民税非課税のボーダーライン
- ケース1:単身世帯の収入ボーダーライン
- ケース2:配偶者または扶養家族が1人いる世帯の収入ボーダーライン
- 高齢者世帯が「住民税非課税」に該当しやすい理由とは
- ご自身の状況を確認し、利用できる制度を把握しよう
高齢者世帯が「住民税非課税」に該当しやすい理由とは

住民税非課税世帯になる「年金・給与収入のボーダーラインライン」はいくら?住民税非課税世帯が対象の「5つの優遇措置」をみる
3月も下旬にさしかかり、桜の便りが聞かれる季節となりました。
卒業や入学、そして4月からの新生活を前に、何かと出費がかさむ時期でもあります。
物価高が続くなかで、家計への影響を少しでも和らげたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
2025年11月に閣議決定された経済対策では、所得制限なしで子育て世帯を対象に「子ども1人あたり2万円」の現金給付が行われましたが、家計を支える仕組みはこうした一時的な給付金だけではありません。
国や自治体は、所得が一定基準以下の世帯を対象に、継続的な支援制度を設けています。
その代表的な対象が「住民税非課税世帯」です。
この記事では、住民税非課税世帯が利用できる可能性のある「5つの優遇措置」を具体的に紹介します。
あわせて、どのような世帯が「住民税非課税」に該当するのか、年金収入や給与収入のボーダーラインについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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住民税非課税世帯が対象の「5つの優遇措置」を一覧でチェック
物価高騰などへの対策として、国や自治体はこれまで住民税非課税世帯を中心に、現金給付をはじめとする様々な支援策を実施してきました。
住民税非課税世帯とは、世帯全員の所得が一定の基準を下回り、住民税が課税されていない世帯を指します(詳しい条件は後ほど解説します)。
このような世帯への支援は、一時的な給付金に限りません。
日々の暮らしを支えるための各種優遇制度も用意されています。ここでは、その中から代表的な5つの制度を取り上げて解説します。

【一覧表】住民税非課税世帯への優遇措置
優遇措置1:国民健康保険料(応益割)の減額
優遇措置2:介護保険料の減額
優遇措置3:国民年金保険料の免除・納付猶予
優遇措置4:保育料の無償化
優遇措置5:高等教育の修学支援新制度
これら以外にも、各自治体が独自に設けている支援制度も存在するため、活用できるサポートは多岐にわたります。
では、具体的にどのような世帯が住民税非課税世帯に該当するのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
そもそも「住民税非課税世帯」とは?住民税の基本構造から解説
まず住民税の基本的な仕組みを理解し、そのうえで住民税非課税世帯に当てはまる条件を確認していきましょう。
住民税は、居住する都道府県や市区町村に納める地方税の一種です。自治体の重要な財源として、公共サービスの提供やインフラ整備などに充てられています。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造
個人が納める住民税は、「均等割」と「所得割」という2つの要素で構成されています。
・均等割:所得額にかかわらず、一律の金額が課税される部分
・所得割:前年の所得額に応じて税額が変動する部分
この均等割と所得割の両方が課税されない状態を「住民税非課税」といい、世帯の構成員全員がこの条件を満たす場合に「住民税非課税世帯」と呼ばれます。
なお、所得割のみが非課税となるケースもありますが、給付金などの支援制度の対象になるかは自治体の判断によって異なります。
詳細については、必ずお住まいの市区町村が定める基準をご確認ください。
住民税が非課税になる世帯の3つの条件
それでは、住民税が課されないための具体的な条件を見ていきましょう。
以下のいずれかの条件に該当する場合、住民税は非課税扱いとなります。
・生活保護法による生活扶助を受けている
・障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下である
・前年の合計所得金額が各市区町村の定める基準を下回る
注意点として、1と2の条件は全国で共通ですが、3の所得基準は市区町村ごとに異なるため、お住まいの自治体の情報を確認することが重要です。
住民税非課税世帯になる「所得」の基準額はいくら?
「住民税非課税世帯」に該当する所得水準はどのくらいなのか、ここでは兵庫県神戸市のケースを例に確認してみましょう。

均等割も所得割もかからない人(非課税者)
神戸市では、非課税となる所得の基準額を以下の計算式で定めています。
35万円×(本人+同一生計配偶者(※)+扶養親族数)+10万円+21万円
ただし、21万円の加算は、同一生計配偶者(※)または扶養親族がいる場合に限られます。
※同一生計配偶者とは、納税義務者と生計を同一にする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の人を指します。
給与・年金収入別に見る住民税非課税のボーダーライン
住民税が非課税となる所得の基準は、前述の「同一生計配偶者や扶養親族の人数」だけでなく、収入の種類によっても異なります。
所得は収入金額から各種控除額を差し引いて計算されるため、ここでは神戸市の基準を実際の「収入」ベースに換算して見ていきましょう。

住民税非課税世帯に該当する世帯(神戸市)
ケース1:単身世帯の収入ボーダーライン
合計所得金額が45万円以下の方が対象です。
・給与収入のみの場合:収入110万円以下
・年金収入のみの場合(65歳以上):収入155万円以下
・年金収入のみの場合(65歳未満):収入105万円以下
ケース2:配偶者または扶養家族が1人いる世帯の収入ボーダーライン
合計所得金額が101万円以下の方が対象です。
・給与収入のみの場合:収入166万円以下
・年金収入のみの場合(65歳以上):収入211万円以下
・年金収入のみの場合(65歳未満):収入171万3334円以下
単身世帯の場合、給与収入のみなら年収110万円以下、65歳以上で年金収入のみなら155万円以下が、住民税非課税となるおおよその目安となります。
一方で、同一生計配偶者や扶養親族がいる世帯では、非課税となる収入基準額が上がります。
特に65歳以上で年金収入のみの世帯では、収入の目安が211万円以下となり、単身世帯と比較して条件が大きく緩和される点が特徴的です。
このように、住民税が非課税になるかどうかは、世帯の構成や収入の種類によって大きく変わってきます。
高齢者世帯が「住民税非課税」に該当しやすい理由とは
厚生労働省が公表している「令和6年国民生活基礎調査」を基に、年代別の住民税「課税世帯」の割合を見ていきましょう。

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合
・29歳以下:63.0%
・30〜39歳代:87.5%
・40~49歳代:88.2%
・50~59歳代:87.3%
・60~69歳代:79.8%
・70~79歳代:61.3%
・80歳以上:52.4%
・65歳以上(再掲):61.1%
・75歳以上(再掲):54.4%
※ 全世帯数には、非課税世帯および課税の有無不詳の世帯を含みます。
※ 総数には、年齢不詳の世帯を含みます。
※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含みます。
データを見ると、住民税が課税されている世帯の割合は、30歳代から50歳代にかけて約9割と高水準ですが、60歳代になると79.8%に低下します。
さらに年齢が上がると、65歳以上では61.1%、75歳以上では54.4%と、その割合はさらに下がっていきます。
このように、年齢を重ねるにつれて住民税が課税される世帯の割合は減少傾向にあります。
その背景には、年金生活への移行による収入の減少や、65歳以上に適用される手厚い公的年金等控除の存在が挙げられます。
また、遺族年金や障害年金は所得税・住民税の課税対象外です。
これらの理由から、公的年金を主な収入源とする高齢者世帯は、他の世代に比べて住民税非課税世帯に該当しやすくなっていると考えられます。
ご自身の状況を確認し、利用できる制度を把握しよう
今回は、住民税が非課税となる年金収入や給与収入のボーダーラインについて、具体的な例を交えて解説しました。
住民税非課税の所得基準は、お住まいの市区町村によって設定が異なります。
ご自身の状況が該当するかどうかを確かめるためには、まずはお住まいの自治体の基準を確認することが大切です。
日々の生活を支える公的な制度は数多く存在します。内容を正しく理解し、ご自身が利用できる制度がないか、この機会に確認してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・内閣府「「強い経済」を実現する総合経済対策」
・総務省「個人住民税」
・神戸市「住民税(市県民税)とは」
・神戸市「いくらまでの収入なら住民税(市県民税)が課税されませんか?」
・厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(e-stat)
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
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