今月4月15日は年金支給日《2026年4月分から年金が増額改定》国民年金・厚生年金はいくらに?
- 2026年度の年金額改定:1.9%〜2.0%増額でも実質目減りの現実
- 2026年度における国民年金・厚生年金の受給額例
- パターン①:男性・厚生年金期間が中心の場合
- パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心の場合
- パターン③:女性・厚生年金期間が中心の場合
- パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心の場合
- パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間が中心の場合
- 65歳以上のリタイア世帯における平均的な月の生活費は?
- 「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出
- 65歳以上《単身》無職世帯の1カ月の家計収支
- 年金収入のみで生活するシニア世帯の割合は?
- 所得に占める公的年金の割合から見る世帯状況
- 日本の公的年金制度の基本構造
- 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要
- 2階部分:厚生年金の概要
- 【国民年金・厚生年金】平均受給月額の実態
- 厚生年金の平均月額と個人差
- 国民年金の平均月額と個人差
- 将来の年金生活に向けて今から備えよう
【2026年度に65歳になる人】多様なライフコースに応じた5つの《年金額の例》をチェック

今月4月15日は年金支給日《2026年4月分から年金が増額改定》国民年金・厚生年金はいくらに?
新年度が始まり、桜の便りが聞かれる4月は、新しい生活とともに将来の計画を見直すのによい機会です。
特に30歳代を過ぎると、自身の老後について具体的に考え始める方も多いのではないでしょうか。
「将来、年金は一体いくらもらえるのだろう」「年金だけで生活していけるのか」といった漠然とした不安を感じることもあるかもしれません。
日本の公的年金制度は、現役時代の働き方によって将来受け取る金額が変わる仕組みです。
そのため、早い段階から年金制度を理解し、自身の将来を考えることが大切になります。
年金について知っておきたいことの一つに、毎年度行われる「年金額改定」があります。
2026年度は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額となりましたが、物価の上昇には追い付いておらず、実質的には目減りしているのが現状です。
こうした現実を把握し、現役時代から対策を講じることが求められます。
今回は、65歳以上のシニアの生活に焦点を当て、2026年度の年金額や、暮らしにまつわるお金事情について詳しく見ていきましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
2026年度の年金額改定:1.9%〜2.0%増額でも実質目減りの現実
2026年度の年金額の例は以下の通りです。

令和8年度の年金額の例
2026年度の年金額は、前年度と比較して基礎年金(国民年金部分)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分を含む)が2.0%引き上げられることになりました。
この改定後の金額は、4月・5月分がまとめて支給される6月支給分から適用されます。
2026年度における国民年金・厚生年金の受給額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):月額7万608円(+1300円)
・厚生年金(夫婦2人分):月額23万7279円(+4495円)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)です。
※厚生年金は、男性が平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生労働省は、2026年度の年金額改定内容とあわせて、現役時代の年金加入状況や年収に応じた年金額の例を「多様なライフコースに応じた年金額」として公表しています。
ここでは、「2026年度に65歳になる人」を想定した年金の概算額が、加入履歴の類型・男女別に合計5パターン示されています。
こちらも確認していきましょう。
多様なライフコースに応じた年金額の例は以下の通りです。

多様なライフコースに応じた年金額の例
パターン①:男性・厚生年金期間が中心の場合
年金月額:17万6793円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円(※賞与含む月額換算。以下同様)
・基礎年金:6万9951円
・厚生年金:10万6842円
パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心の場合
年金月額:6万3513円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8896円
・厚生年金:1万4617円
パターン③:女性・厚生年金期間が中心の場合
年金月額:13万4640円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万1881円
・厚生年金:6万2759円
パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心の場合
年金月額:6万1771円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万3119円
・厚生年金:8652円
パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間が中心の場合
年金月額:7万8249円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万9016円
・厚生年金:9234円
上記はあくまで一例ですが、厚生年金の加入期間が長く、現役時代の収入が高いほど、老後に受け取る年金額が多くなる傾向がうかがえます。
また、国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたかが、将来の年金水準に大きく影響することも分かります。
65歳以上のリタイア世帯における平均的な月の生活費は?
次に、65歳以上のシニア世帯が毎月どの程度の生活費で暮らしているのか、平均的なデータを見ていきましょう。
老後のお金について具体的にイメージするために、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を確認します。
「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支

「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支
65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入
・収入合計:25万4395円
・うち社会保障給付(主に年金):22万8614円
65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出
・消費支出:26万3979円
・非消費支出:3万2850円
支出合計29万6829円
この世帯では、1カ月の収入が25万4395円で、その約9割にあたる22万8614円を公的年金などの社会保障給付が占めています。
一方で、支出の合計は29万6829円です。
その内訳は、社会保険料や税金などの「非消費支出」が3万2850円、いわゆる「生活費」である消費支出が26万3979円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月約4万2000円が不足しており、貯蓄などを取り崩して補っていると考えられます。
続いて、同じく総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身無職世帯における1カ月の家計収支データも見てみましょう。
65歳以上《単身》無職世帯の1カ月の家計収支
65歳以上《単身》無職世帯の家計収支は以下の通りです。

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
毎月の実収入:13万1456円
■うち社会保障給付(主に年金):12万212円
毎月の支出:16万1435円
■うち消費支出:14万8445円
・食料:4万2545円
・住居:1万1416円
・光熱・水道:1万5565円
・家具・家事用品:6069円
・被服及び履物:3049円
・保健医療:8388円
・交通・通信:1万3601円
・教養娯楽:1万6132円
・その他の消費支出:3万1681円
■うち非消費支出:1万2990円
・直接税:7072円
・社会保険料:5912円
65歳以上《単身》無職世帯の家計状況
・1カ月の赤字額:2万9980円
・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.6%
・平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):125.3%
この単身世帯の1カ月の支出合計は16万1435円です。内訳を見ると、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2990円、食費や住居費といった「消費支出」が14万8445円となっています。
一方、1カ月の収入は13万1456円で、その約9割(12万212円)が主に公的年金です。
この単身世帯も、毎月2万9980円の赤字を抱えている状況です。
年金収入のみで生活するシニア世帯の割合は?
それでは、実際に年金収入だけで生活している高齢者世帯は、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)における収入の実態を詳しく見ていきます。
まず、高齢者世帯全体の所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、次いで仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%という内訳です。
ただし、これはあくまで全体の平均値です。
「公的年金・恩給を受給している世帯」に限定して見ると、収入の100%が「公的年金・恩給」という世帯が43.4%に達していることがわかります。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
所得に占める公的年金の割合から見る世帯状況

高齢者世帯の総所得に占める「公的年金・恩給」の割合別世帯構成
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
高齢者世帯全体で見ると稼働所得なども収入の一部を構成していますが、公的年金を受け取っている世帯に限定すると、約半数が年金収入のみで生活している実態が明らかになります。
日本の公的年金制度の基本構造
実際に受け取れる年金額は個人差が非常に大きいものです。
ここで、年金の基本的な仕組みを再確認しておきましょう。
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2種類で構成されており、その構造から「2階建て」と呼ばれています。

日本の公的年金制度のしくみ
1階部分:国民年金(基礎年金)の概要
1階部分にあたる国民年金は、日本国内に住む原則20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象です。
年金保険料は全国で一律となっており、毎年度見直しが行われます(※1)。40年間、保険料をすべて納付した人は、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)を受け取ることができます。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
2階部分:厚生年金の概要
2階部分の厚生年金は、主に会社員や公務員が加入する制度です。また、特定適用事業所(※3)で働くパートタイマーなど、一定の条件を満たす人も対象となり、国民年金に上乗せして加入します。
・年金保険料(※4):給与水準に応じて決まる(上限あり)
・老後の受給額:加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じる
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
「2階建て構造」と説明される日本の公的年金制度ですが、1階の「国民年金」と2階の「厚生年金」では、加入対象者や保険料の決定方法、将来受け取れる年金額などに大きな違いがあります。
【国民年金・厚生年金】平均受給月額の実態
ここでは、60歳から90歳以上のすべての受給権者を対象に、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきます。
厚生年金の平均月額は以下の通りです。

厚生年金平均月額
国民年金の平均月額は以下の通りです。

国民年金平均月額
厚生年金の平均月額と個人差
厚生年金の平均年金月額は、全体で15万289円でした。男女別の詳細は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金部分を含みます。
年金月額階級別の受給者数
・~1万円:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上~:1万9283人
厚生年金の平均年金月額は、全体では15万円台ですが男女で差があり、男性は16万円台、女性は10万円台となっています。
また、月額1万円未満の人から25万円を超える高額な受給者まで幅広く分布しており、個人差が大きいことが分かります。
国民年金の平均月額と個人差
国民年金の平均年金月額は、全体で5万9310円でした。男女別の詳細は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:6万1595円
・〈女性〉平均年金月額:5万7582円
年金月額階級別の受給者数
・1万円未満:5万1828人
・1万円以上~2万円未満:21万3583人
・2万円以上~3万円未満:68万4559人
・3万円以上~4万円未満:206万1539人
・4万円以上~5万円未満:388万83人
・5万円以上~6万円未満:641万228人
・6万円以上~7万円未満:1715万5059人
・7万円以上~:299万7738人
国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台で、最も多い層は「6万円以上~7万円未満」です。
多くの人が満額に近い年金額を受け取っている一方で、月額1万円未満となる人も一定数存在しているのが現状です。
将来の年金生活に向けて今から備えよう
厚生年金と国民年金では受給額に大きな差があり、現役時代の働き方が老後の生活に直接的な影響をおよぼすことがお分かりいただけたでしょう。
多くのシニア世帯が毎月の家計で赤字に直面しており、公的年金だけでゆとりのある生活を送ることが容易ではない現実もデータから見えてきました。
昨今の物価高を考えると、老後に不安を感じる人は少なくないでしょう。
新年度が始まったこの機会に、ご自身の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を改めて確認し、将来のライフプランをじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
まずはご自身の将来の年金額を把握し、毎月の生活費を予測して、家計が黒字になるか赤字になるかを試算することが大切です。
その上で、老後に必要な貯蓄額を算出し、どのような金融商品で、毎月いくら積み立てていくかを具体的に計画することが重要になります。
早い時期からご自身の年金見込み額を把握し、必要であれば資産形成などの対策を始めることが、安心して老後を迎えるための重要な一歩となるでしょう。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
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