【年金生活者支援給付金】自動では振り込まれない!シニアが対象の「年金に上乗せされる」給付金制度とは?対象条件、申請手続きの流れを整理
【次回支給は6月15日】年金生活者支援給付金はいつからもらえる?申請時期で変わる支給開始日も確認

【年金生活者支援給付金】自動では振り込まれない!シニアが対象の「年金に上乗せされる」給付金制度とは?対象条件、申請手続きの流れを整理
年金額は一律ではなく、加入してきた制度や保険料の納付状況、働いていた期間、収入水準などによって人それぞれ異なります。
実際には月数万円にとどまる人もいれば、厚生年金で比較的高い水準を受け取る人も存在しており、受給額には大きな開きがあります。
こうした差を補うため、「年金生活者支援給付金」という年金に上乗せされる給付金制度が設けられています。
本記事では、年金受給額の実態や給付金制度の内容、さらに制度改正による影響まで分かりやすく解説していきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【最初に知っておきたいポイント】年金受給額は人それぞれ異なる
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、公的年金の平均月額は、国民年金(老齢基礎年金)が5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)が15万円台となっています。

国民年金の平均月額(男女全体・男女計)

厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)
グラフでも分かるように、厚生年金で月30万円以上受け取る人がいる一方、国民年金・厚生年金のいずれも月3万円未満にとどまる人も存在し、受給水準は幅広く分かれています。
また、年金収入に加えてそのほかの所得を含めても一定水準を下回る場合は、「年金生活者支援給付金」の対象になる可能性があります。
「年金生活者支援給付金」はいくら受け取れる?
年金生活者支援給付金は、年金収入やそのほかの所得が一定基準以下の年金生活者を支える目的で、2019年に始まった制度です。
給付金は、公的年金に加算される形で2カ月ごとに支払われます。
受給している年金の種類に応じて、年金生活者支援給付金は次の3種類に分かれており、それぞれに受給条件と支給額(基準額)が定められています。
・老齢年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
【2026年度】年金生活者支援給付金の給付基準額
2026年度の年金生活者支援給付金は、前年度と比べて3.2%引き上げられました。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
老齢年金生活者支援給付金は、この基準額をもとに、保険料納付済期間などに応じて実際の支給額が決まります。
なお、上記はいずれも月額であり、実際の支給時には2カ月分がまとめて年金へ上乗せされます。
基準額どおりの金額を受け取る場合、1回あたり約1万1000円、年間では約6万7000円となります。
参考として、厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月時点の平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円です。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。
受け取れるのはどんな人?支給対象となる条件を確認
年金生活者支援給付金の支給要件について確認していきましょう。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれ対象となる年金(障害基礎年金または遺族基礎年金)を受給しており、前年の所得が479万4000円以下の人が対象です。
給付判定に使われる所得には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。
また、扶養親族などの人数に応じて、所得基準額は引き上げられます。
一方、「老齢年金生活者支援給付金」は、所得条件に加えて本人に関するいくつかの追加要件があります。
「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、次の要件をすべて満たす人です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下
老齢年金生活者支援給付金の判定でも、障害年金や遺族年金などの非課税収入は所得に含まれません。
また、基準額近くで対象外となる人との不公平感をやわらげるため、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が設けられています。
補足的老齢年金生活者支援給付金について
昭和31年4月2日以後生まれの人で80万9000円を超え90万9000円以下の人、昭和31年4月1日以前生まれの人で80万6700円を超え90万6700円以下の人は、「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象となります。
所得が増えるほど、補足的老齢年金生活者支援給付金の支給額は少なくなります。
年金生活者支援給付金は「申請しなければ受け取れない」ので注意
年金生活者支援給付金を受け取るには、請求手続きが必要で、対象になったとしても、自動的に年金へ加算されるわけではありません。
すでに年金を受給している人で、所得の変化により年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送られます。

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
また、これから65歳になる人には、誕生日の3カ月前に老齢基礎年金の請求書とあわせて給付金請求書が届きます。
同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と一緒に提出しましょう。
年金生活者支援給付金の手続きは毎年必要?
年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば支給要件を満たしている限り、2年目以降は手続き不要で継続して受け取れます。
継続支給の判定は前年の所得をもとに行われ、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。
対象外となった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
なお、各年度(4月分から)の支給額は、毎年6月上旬に届く「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。
年金生活者支援給付金はいつからもらえる?申請時期で変わる支給開始日
前述したように、年金生活者支援給付金は、対象となる条件を満たしていても、自動的に支給されるわけではなく、請求手続きが必要です。
原則として、年金生活者支援給付金は、認定請求の手続きを行った翌月分から支給対象となるため、対象となる可能性がある場合は、案内が届いたらできるだけ早く手続きを進めることが大切です。
反対に、申請が遅れるほど、受け取り開始も後ろ倒しになります。
ただし、新たに基礎年金の受給権を得た人については、受給権を得た日から3カ月以内に認定請求を行えば、受給権を得た日に申請したものとみなされ、さかのぼって支給されます。
一方で、3カ月を過ぎてしまうと、通常どおり申請した翌月分からの支給となるため注意が必要です。
なお、老齢基礎年金を繰上げ受給している人は65歳到達日、繰下げ受給する人は繰下げの申出日が基準日となります。
給付金を確実に受け取るためにも、案内書類が届いたら内容を確認し、期限を意識して早めに手続きを進めることが大切です。
年金制度を正しく理解しておこう
本記事では、年金生活者支援給付金の支給額や対象条件、申請方法を解説しました。
収入や所得が一定水準以下であれば、年金生活者支援給付金の対象となる可能性があり、申請によって年金に上乗せして受け取れる場合があります。
対象であっても手続きをしなければ支給されないため、送付される案内や通知書は見逃さないよう注意したいところです。
制度は変化していくからこそ、最新情報を確認して、自分に使える仕組みを知ることが安心した老後生活につながるでしょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・総務省「個人住民税」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金を請求した場合は、いつから支給の対象になりますか。」
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