出光興産もロシア・サハリン2産の原油を輸入、タンカーが今治から千葉へ 調達先を多角化

ロシアの「サハリン2」で生産された原油を積載するタンカー「ボイジャー」=5月4日、愛媛県今治市沖(西山諒撮影)

ロシア極東サハリン(樺太)の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で生産された原油を積載したタンカー「ボイジャー」が7日、千葉県袖ケ浦市にある出光興産の子会社、富士石油(東京都品川区)の石油施設に向かっていることが分かった。ボイジャーは5日から6日にかけて愛媛県今治市にある太陽石油(東京都千代田区)の施設で原油の積み下ろしを行っていた。その後、6日午前10時半ごろに今治を出航。瀬戸内海を抜けて紀伊半島沖を通過し、太平洋を航行している。

千葉県袖ケ浦市の富士石油の石油施設=2019年8月9日、国土地理院撮影

出光興産の広報担当者は「経済産業省から、受け入れの要請があった。ボイジャーによる輸入は制裁対象にはなっていない」と説明。「(石油製品の)安定供給を果たすため、調達先の多角化に取り組む一環だ」と話した。同社は2022年のウクライナ侵略後にロシア産原油の取引を中止する以前は、全体の輸入量の約4%をロシア産が占めていた。

サハリン南端のプリゴロドノエで稼働した石油・天然ガス開発事業「サハリン2」のLNGプラント=2009年2月

ボイジャーは、2019年建造のオマーン船籍の原油タンカー。2025年1月、米財務省の外国資産管理局(OFAC)がロシアのウクライナ侵略に関連して制裁対象に指定し、EUなども続いた。ただ、サハリン2で産出された資源は例外となっている。

ボイジャーは4月24日にサハリンのプリゴロドノエ港を出港し、5月4日に今治沖に到着していた。

船舶の位置情報を提供するサイト「マリントラフィック」によると、ボイジャーは7日午後9時30分の時点で、静岡県の南約150キロ沖の海上を11ノット(時速約20キロ)で航行している。袖ケ浦には8日午前に入港し、9日午後には東京湾を離れるとみられる。(西山諒)

  • 今治でロシア産原油の荷揚げ開始(5月5日)

愛知県沖を航行する原油タンカー「ボイジャー」=5月7日午後、マリントラフィックのサイトから(日時は世界標準時)