【日本市況】超長期金利が上昇、中東晴れず原油高-円は対ドル157円

(ブルームバーグ): 11日の日本市場は超長期を中心に債券相場が下落(金利は上昇)した。中東情勢の先行きが晴れずに原油価格が高止まり、インフレ懸念からより長い債券が売られた。円は対ドルで157円台に下落している。

  トランプ米大統領が中東紛争終結に向けた米国提案に対するイランの回答について「全く受け入れられない」との見解を示たことを受けて、原油先物価格は大幅に上昇した。40年国債利回りは4.04%と1月以来の水準を付けた。円は有事のドル買いから対ドルで157円台前半に下落。株式は日経平均株価が取引時間中の最高値更新後に人工知能(AI)・半導体関連の一角に売りが出て続落。

Japan Stocks As Asian Stocks Pulled Back From A Record High

  中東情勢の不透明感が払拭しきれない中、米中首脳会談を含むイベント警戒感が重しとなり、金融市場全体の不安定要因となっている。

  りそなアセットマネジメント運用戦略部の下出衛チーフ・ストラテジストは、原油高が貿易赤字の拡大やインフレ懸念につながり、株安・円安・債券安を招いたと指摘した。また「中東情勢は長期化するリスクが高まっている。市場ではトランプ氏の中国訪問前に収束するとの期待があった」と述べた。

国内株式・為替・債券相場の動き-午後3時半過ぎ
長期国債先物6月物は前営業日比32銭安の129円38銭新発10年国債利回りは一時4.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.52%まで上昇新発40年国債利回りは一時6.5bp高い4.04%まで上昇-1月以来の高水準
円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%安の157円03銭
日経平均株価の終値は前営業日比0.5%安の6万2417円88銭東証株価指数(TOPIX)は0.3%高の3840.93

債券

  債券は超長期債を中心に下落、金利は上昇した。

  長期金利(10年国債利回り)は一時4.5bp高い2.52%まで上昇した。30年も一時4.5bp上昇して3.76%となった。午後3時以降に取引が成立した40年債は一時6.5bp高い4.04%と1月以来の高水準に上がった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは債券利回り上昇について、今週に10年債と30年債の入札を控える中でポジション調整が進んだ可能性があると指摘した。また、原油先物の上昇に伴うインフレ懸念を背景に欧州勢が動いた可能性もあると述べた。

  BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、中東情勢の不透明感に加え、ベッセント米財務長官の来日など、「イラン情勢を横目で見つつ、米国が金融政策でどのような要求をするのか」など、投資家は重要な局面で見極めようとしていると述べた。

  その上で、あすの10年債入札を控え、しっかり買いが入ってくれば安心感につながると述べた。

新発国債利回り(午後3時時点)

 2年債5年債10年債20年債30年債40年債 
1.380%1.875%2.520%3.395%3.760%不成立
前営業日比+1.0bp+1.5bp+4.5bp+4.0bp+4.5bp

債券先物の日中足推移

為替

  外国為替市場で円は対ドルで157円台で推移。中東情勢への警戒が意識される一方、来日するベッセント氏が円安に言及するとの思惑が円を下支えし、相場は動きにくい展開となっている。ベッセント氏は12日、都内で高市早苗首相や片山さつき財務相と会談する予定だ。

  関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、「ベッセント氏の来日に際し、当局は動きにくくなるのではないか」との見方を示した上で、戦闘は継続しており、ファンダメンタルズに大きな変化はないとして、円は158円に向かってじわじわと下落するとみている。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストはリポートで、ホルムズ海峡の封鎖長期化で日本経済への悪影響が懸念されるとし、今後の焦点として財政悪化や景気下押し圧力、日本銀行の利上げ先送りリスクなどを挙げ、円売り圧力が強まりやすいとみている。

ドル・円相場の推移

株式

  株式は日経平均が方向感を欠き下げて終えた。比較的底堅いTOPIXは値下がりする場面もあったが小幅高で引けた。

  トランプ米大統領が、紛争終結に向けた米国提案に対するイランの最新回答を「全く受け入れられない」と批判したことで、中東情勢の先行き不透明感が投資家心理の重しとなった。輸送用機器や機械、鉄鋼に加え、情報・通信などにも売りが広がった。

  家庭用ゲーム機「スイッチ2」の販売台数が前期比で減少する見通しを示した任天堂が下落、一時前日比10%超下げて2024年8月以来の安値となった。一方、米雇用統計を受けた米国株高を背景に、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇し、半導体関連には買いも入っている。キオクシアホールディングスやフジクラなどが上昇し、相場を下支えした。

  大和証券の細井秀司シニアストラテジストは、米中首脳会談で中国サイドがイランに対してのプレッシャーをかけた場合のイランの反応を巡り懸念が多いと指摘。テールリスクが意識され、米中首脳会談が終わるまでは株式では様子見姿勢が高まりやすいとみている。

日経平均株価の推移

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この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:横山桃花、アリス・フレンチ、船曳三郎.

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