債券は株価下落から投資家を守らない…ゴールドマン・サックスは2つの資産への投資を提案

ゴールドマン・サックスはゴールドと原油先物が長期投資家の経済リスク回避に役立つと指摘している。
- 2025年は債券がこれまでのように投資家の損失を抑える役割を果たせていない。
- ゴールドマン・サックスは、ゴールド(金)と原油先物が長期投資家のリスク回避に役立つと指摘している。
- ゴールドマン・サックスは、ゴールドの保有比率を高めることを投資家に勧めている。
株式と債券を6対4の割合で保有している投資家にとって厳しい状況が続いている。
かつては、株式と債券を組み合わせることが、あらゆる外部のショックに対応できる分散投資とされていた。しかし、関税や経済の先行き不安によって、債券は市場の値動きを抑える役割を果たしにくくなってきている。
「最近では、アメリカの長期債が株式市場の下落をカバーする役割を果たせていない。2025年4月初めには、関税の引き上げがアメリカの経済運営や景気後退リスクへの懸念を引き起こした際に債券が機能しなかった。そしてこの5月末には、財政の持続可能性への不安から長期の米国債利回りが急上昇し、そのときもやはり、債券を持っていても株価の下落による損失を防ぐことはできなかった」と、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のアナリストは、2025年5月28日に記している。

米国債は最近、株価下落に対する防御力を発揮できていない。
ゴールドマン・サックスによると、このことはまったくなかった現象ではないという。過去にも、株式市場と債券市場は同時に下落することがあり、特にインフレやコモディティ価格の急変動が起きたときにそうした動きが見られたというのだ。
しかし、ゴールドマン・サックスは、より確実にリスクを回避するため、長期投資家に対して2つの代替資産を提案している。それがゴールド(金)と原油だ。
ゴールドマン・サックスは次のように書いている。
「ゴールドと原油が重要なのは、株と債券への投資に大きな影響を与える2つのインフレショックから資産を守る役割を持っているからだ。ゴールドは中央銀行や政府の信用低下のリスクに備え、原油は供給ショックから守る役割を果たす」
ゴールドと原油先物をともに組み入れることで、株式60%、債券40%のポートフォリオに比べて年間の平均変動率を10%から7%未満に下げることができるとゴールドマン・サックスは述べている。

ゴールドと株式、そして原油と債券の負の相関関係は分散投資のメリットをもたらす。
ゴールドと原油の投資戦略
アナリストたちは、ゴールドを5年以上長く保有するつもりの投資家に対し、多めに保有することを勧めている。
2025年に入ってからこれまで、ゴールドバーの価格は26.6%も急上昇し、数々の記録を更新している。この上昇の大部分は、アメリカ政府の政策に対する不安から来ているものであり、ゴールドマン・サックスはこの状況がすぐに変わるとは考えていない。財政の持続可能性や債務問題、そして政権による連邦準備制度理事会(FRB)の独立性への圧力は、すべてゴールドにとっての追い風となっている。
「もしこれらの問題がさらに悪化すれば、個人投資家による買いによって、ゴールド価格は2025年末までに3700ドル(約53万8016円)を大きく超え、2026年半ばまでに4000ドル(約58万2720円)を超える可能性がある」とアナリストらは記している。
一方、アナリストたちは世界的なドル離れが続くと予想している。これによって、海外の中央銀行はドル以外の資産を増やしながら、ゴールドの保有量も増やし続けている。こうした動きは2023年以降本格化しており、ドルに対する新たな疑念が各国を代替手段の模索へと駆り立てている。
ゴールドマンは、投資家は原油への投資は一定の割合を持ちながらも、全体の資産配分では控えめにするべきだと書いている。原油先物は、急に供給が減って価格が上がったときに、投資の損失を抑える助けになるが、2025年と2026年は生産能力が高いため、石油不足が起きる可能性は低いからだ。