老後の年金、多い人で「月いくら」もらってるの?【厚生年金と国民年金】みんなの平均年金月額はいくら?

高齢者世帯の約6割が公的年金以外のお金が必要な状況に…

【2025年度】年金額は前年度から1.9%引き上げへ!, 【2025年公的年金カレンダー】次の年金支給日は「8月15日(金)」, 【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー, 日本の公的年金制度「1階:国民年金」&「2階:厚生年金」の2階建て, 国民年金(1階部分), 厚生年金(2階部分), 【厚生年金と国民年金】みんなの平均年金月額はいくら?, 【グラフ】厚生年金と国民年金《平均と個人差》, 2025年6月13日「年金制度改正法」成立へ!これからどう変化していく?, 「公的年金」以外で老後を支えるお金の準備を

老後の年金、多い人で「月いくら」もらってるの?【厚生年金と国民年金】みんなの平均年金月額はいくら?

2025年7月4日、厚生労働省は「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」をリリース。

これによると、年金を受給する高齢者世帯のうち、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯は43.4%、つまり約6割が公的年金以外のお金が必要な状況にあることがわかります。

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公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

老後の生活費が公的年金だけでは不足する場合、働くことによる収入や貯蓄の取り崩し、あるいは運用で得た配当金などを活用する必要があります。

では、今のシニア世代は公的年金(国民年金や厚生年金)をどれくらい受けとっているのでしょうか。

厚生労働省のデータをもとに確認していきましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【2025年度】年金額は前年度から1.9%引き上げへ!

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2025年度の年金額例

公的年金額は、物価や賃金を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれており、2025年度は前年度より1.9%の引き上げとなっています。

年金額の例を見ると、厚生年金のモデル夫婦世帯(※1)は月額23万2784円、国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金のみ(満額と仮定)を受給する世帯の場合、二人分の合算額は13万8616円となります。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額

【2025年公的年金カレンダー】次の年金支給日は「8月15日(金)」

年金支給日は2カ月に一度、偶数月の15日に、前月までの2カ月分が合算されて支給されるサイクルです。

※15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。

2025年の年金支給日カレンダーを見ておきましょう。

【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー

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出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成

年金支給日:支給対象月

・2025年4月15日(火) :2月・3月分

・2025年6月13日(金) :4月・5月分

・2025年8月15日(金) :6月・7月分

・2025年10月15日(水) :8月・9月分

・2025年12月15日(月) :10月・11月分

日本の公的年金制度「1階:国民年金」&「2階:厚生年金」の2階建て

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公的年金制度は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立っており、「2階建て構造」といわれています。

「国民年金」と「「厚生年金」、それぞれについて基本を確認しておきましょう。

国民年金(1階部分)

国民年金は、原則として日本に居住する20歳以上から60歳未満の全員が加入します。職業や国籍は問いません。

・年金保険料:全員一律(※1)

・老後の受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)

・被保険者:第1号~第3号に区分される(※3)

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円

※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円

※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者

厚生年金(2階部分)

厚生年金は、会社員や公務員、パート等で特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入します。

・年金保険料:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付

・老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差がある

・被保険者:第1号~第4号に区分される(※6)

※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など

※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者

【厚生年金と国民年金】みんなの平均年金月額はいくら?

60歳以上の全年齢の受給権者について、「厚生年金」と「国民年金」の平均と個人差を見ていきます。

【グラフ】厚生年金と国民年金《平均と個人差》

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【国民年金】平均年金月額

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

【国民年金】年金月額階級ごとの受給権者数(合計:3345万5786人)

・1万円未満:5万8811人

・1万円以上~2万円未満:24万5852人

・2万円以上~3万円未満:78万8047人

・3万円以上~4万円未満:236万5373人

・4万円以上~5万円未満:431万5062人

・5万円以上~6万円未満:743万2768人

・6万円以上~7万円未満:1597万6775人

7万円以上~:227万3098人

【厚生年金】平均年金月額

※国民年金部分を含む

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

【厚生年金】年金月額階級ごとの受給権者数(合計:1605万4729人)

・1万円未満:4万4420人

・1万円以上~2万円未満:1万4367人

・2万円以上~3万円未満:5万231人

・3万円以上~4万円未満:9万2746人

・4万円以上~5万円未満:9万8464人

・5万円以上~6万円未満:13万6190人

・6万円以上~7万円未満:37万5940人

・7万円以上~8万円未満:63万7624人

・8万円以上~9万円未満:87万3828人

・9万円以上~10万円未満:107万9767人

・10万円以上~11万円未満:112万6181人

・11万円以上~12万円未満:105万4333人

・12万円以上~13万円未満:95万7855人

・13万円以上~14万円未満:92万3629人

・14万円以上~15万円未満:94万5907人

・15万円以上~16万円未満:98万6257人

・16万円以上~17万円未満:102万6399人

・17万円以上~18万円未満:105万3851人

・18万円以上~19万円未満:102万2699人

・19万円以上~20万円未満:93万6884人

・20万円以上~21万円未満:80万1770人

・21万円以上~22万円未満:62万6732人

・22万円以上~23万円未満:43万6137人

・23万円以上~24万円未満:28万6572人

・24万円以上~25万円未満:18万9132人

・25万円以上~26万円未満:11万9942人

・26万円以上~27万円未満:7万1648人

・27万円以上~28万円未満:4万268人

・28万円以上~29万円未満:2万1012人

・29万円以上~30万円未満:9652人

30万円以上~:1万4292人

国民年金の場合、全体、男女ともに平均月額は5万円台です。受給額ゾーンごとにみると「6万円以上~7万円未満」が男女ともに最も多くなっており、満額に近い金額を受け取れている人が多いことも分かります。

7万円以上を受給する人がいますが、全員一律の年金保険料を納める仕組み上、これを大きく上回るとは考えにくいです。

厚生年金の場合、全体の平均年金月額は14万円台でした。男女別では、男性16万円台、女性10万円台となっています。

国民年金のみを受け取る場合よりも、厚生年金の受給額は手厚い傾向にあります。しかし、1万円未満となる人から、30万円以上の高額受給となる人まで個人差があります。

年金受給額には現役時代の働き方や収入が反映されます。そのため、老後に受け取る受給額は、人それぞれ異なります。

「自分の年金はいくらだろう」と思った人は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、見込み額を確認しておきましょう。

なお、すでに年金を受け取っている人は、日本年金機構から届く「年金額改定通知書」「年金振込通知書」で確認することができます。

2025年6月13日「年金制度改正法」成立へ!これからどう変化していく?

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。

この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。

今回の改正の全体像を見ておきましょう。

主な改正内容

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年金制度改正の全体像

社会保険の加入対象の拡大

・中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする

在職老齢年金の見直し

・年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする

遺族年金の見直し

・遺族厚生年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

・月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする

その他の見直し

・子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し

・私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど

上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代の働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。

「公的年金」以外で老後を支えるお金の準備を

冒頭で触れたとおり、公的年金・恩給だけで生活できている高齢者世帯は43.4%です。

多くのシニアが、「公的年金」+私的年金、勤労収入、貯蓄の取り崩し、分配金・配当金というように、公的年金以外のお金が必要な状況にあることがわかります。

老後に「公的年金だけで生活できるかどうか」は、年金受給額と支出のバランスによるため、世帯ごとに異なります。

自分の場合はどうなのか、を現役時代の早い段階で試算しておくと、老後に向けて資産をどれくらい準備すべきかが見えてくるでしょう。

老後に向けて資産形成を進める際には、「老後に不足するであろう生活費」以外にインフレによりお金の価値が変わる可能性があること、少子化により年金支給水準が低下する可能性があることも考慮しておきましょう。

また、健康保険料や介護保険料などの負担が増加傾向にあることや、年齢を重ねることにより医療費の負担増、介護費用の発生などにも備えて、手厚い準備ができると安心です。

物価高が続く中、なかなか老後資金にまで手が回らないかもしれませんが、老後資金の準備は必須といえる状況です。

少しずつ、できることから取り組んでいきましょう。

参考資料

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」

・日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」

・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

・日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」

・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・日本年金機構「年金の繰上げ受給」

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要」