《申請しないともらえない》2カ月に一度年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」、平均給付月額はいくらなのか

《申請しないともらえない》2カ月に一度年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」、平均給付月額はいくらなのか
長かった夏も終わり、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。食欲の秋、芸術の秋など、過ごしやすい気候の中で楽しみたいことがたくさんあります。
しかし、物価高の影響もあり、日々の生活にゆとりがないと感じている方もいるかもしれません。特に、年金暮らしのシニア世代にとっては、食費や医療費、介護費など、毎月の支出が大きな負担になっているのではないでしょうか。
この記事では、そのような負担を少しでも軽減できる可能性がある「年金生活者支援給付金」について詳しく解説します。公的年金の平均月額から、給付金の具体的な支給額、そして申請方法まで、制度の全体像をわかりやすくお伝えします。
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【公的年金】厚生年金と国民年金の「平均月額」はいくら?
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金と厚生年金《平均月額と個人差》
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
2カ月に一度年金に上乗せ「年金生活者支援給付金」、平均給付月額はいくら?
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。
受給中の年金の種類により「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれており、それぞれで支給要件や支給額などが決められています。
【2025年度】年金生活者支援給付金は2.7%増える
2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額
【2025年度】
・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。
なお、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。
【3種類の年金生活者支援給付金】支給対象
年金生活者支援給付金の支給要件についても見ていきましょう。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が472万1000円以下の人です。
給付金の判定には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれず、扶養親族等の数に応じて基準額は増額されます。
「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件は少し複雑なので、次で整理していきましょう。
《老齢年金生活者支援給付金》対象となる人
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
【参考】補足的老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金を受け取ったことにより、給付金を受け取った方が、受給していない方よりも所得が高くなるという「逆転現象」が生じるのを防ぐための給付金です。
支給要件をわずかに超える方を対象に、一定の算式に基づいて補填が行われます。
障害年金生活者支援給付金の支給要件
以下の要件を、すべて満たした方が支給の対象となります。
障害基礎年金の受給者
前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
遺族年金生活者支援給付金の支給要件
以下の要件を、すべて満たした方が支給の対象となります。
遺族基礎年金の受給者
前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【申請しないともらえない】年金生活者支援給付金の請求手続きは?
年金生活者支援給付金を受け取るためには、公的年金と同様に請求手続をおこなう必要があります。

はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例
これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。請求書の太枠内を記入し、郵便ポストに投函すれば手続きできます。
なお、すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きなしで継続して受給が可能です。継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。
なお、給付額の改定に際しては「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が、支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
年金ではゆとりがないと考える世帯の「不安を感じる理由」
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によると、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えています。

「年金にゆとりがない」と感じる理由とは?
また、年金ではゆとりがないと考える世帯が「不安を感じる理由」としては、下記のような項目が挙げられています。
・物価上昇で支出が増えると見込んでいるから:60歳代63.3%、70歳代62.8%
・医療費の個人負担が増えるとみているから:60歳代28.3%、70歳代34.8%
・介護費の個人負担が増えるとみているから:60歳代18.1%、70歳代26.4
まとめ
今回は、年金生活支援給付金の仕組みや申請方法について確認してきました。対象者には請求書が届きますので、届いた人は忘れずに申請書類を提出しましょう。
物価高の影響もあり、日常生活にゆとりがないと答えるシニア世代は3割を超えています。利用できる制度はしっかり利用して、日々の暮らしに役立ててください。
その他にも、申請することで受け取れる給付金や支援制度はいくつかあります。日々の生活に困っている場合、まずはお住まいの自治体に相談してみるのが良いでしょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和6年度)」
・金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」