長引くドル安傾向をもたらすその要因とは:関税、政府債務、信用の失墜……
世界経済を混乱させる米政権

第2期トランプ政権による全世界的な関税政策の発表によって一時は大きく混乱した株式市場は、落ち着きと活況を取り戻しつつある。
止まらないドル安傾向

だが、為替相場ではドルの下落が続いており、その傾向は今後も続くとみられている。要因として挙げられているのは、関税政策の不安定性や政府債務問題、米国の信用失墜などだ。
混乱する市場

トランプ大統領は友好国かどうかを問わず、あらゆる国に高額な関税を課すことを表明し、世界経済を未曾有の混乱に陥れた。
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長い交渉期間

4月に発表された一連の関税政策には90日間の交渉期間が設けられた。それでも交渉はまとまらなかったため、その後さらに3週間延長されている。
当初の衝撃も和らぐ?

こういった事態を受けて市場は大混乱に陥り、全面安となった。だが、やがてマーケットもトランプ大統領の気まぐれにも慣れてきたようだ。
株式市場は復活

交渉が難航したこともあって、関税公表から数週間後には株式市場は記録的な復活を遂げた。各企業が関税を見越して買いだめに動いたことも好況を支えた。
取り残されたドル

だが、通貨としてのドルはその活況についていかなかった。『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』紙によると、外国政府や投資家は一連の不安定性を嫌い、ドルへの信頼を失いつつあるという。
関税以外の要因も

しかも、『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』紙によると、ドルの安定性が損なわれているのは関税に関連した不確実性が嫌われているからだけではないという。
インフレ

現在まで、米国では関税に伴うインフレはみられない。だが、いずれ影響が出てくることは避けられず、投資家は連邦準備制度(FRB)による利下げペースが鈍化することを期待している。
金融中心地としての信用が毀損される

NYT紙はさらに、トランプ政権下での対外交易政策はグローバルな金融システムの中心地としての米国の信用を毀損し、ドル安を加速させたとも指摘している。
責任を放棄

トランプ大統領は米国による対外援助の多くを停止し、責任を放棄した。また、欧州やアジアの同盟国にすら貿易戦争を仕掛けている。
関税の見通し

関税をめぐる交渉も投資家にとっては不安材料だ。今後は日米間の合意がベースになるとみられているとはいえ、それはつまり全面的な15%の関税が基本となるということだ。
2024年から逆転

2025年のドル安は、トランプ大統領が再選を決めた2024年末以来続いていたドル高傾向に水を差すものとなった。NYT紙によると、市場は当初、第2次トランプ政権が規制緩和などビジネス重視の動きを見せると期待していたという。
政府債務

だが、政権発足後半年以上が経った今、ドル安傾向が反転する気配はない。さらに、別の不安材料として政府債務の問題がある。
赤字拡大か

関税と並んでトランプ大統領が力を入れた政策である「One Big Beuatiful Bill」法案は、米政府の財政赤字をさらに悪化させると考えられている。超党派からなる米議会予算局は、法案の影響によって今後10年間で赤字が3.3兆ドルから4.1兆ドル拡大すると試算している。
歳出削減をアピールしていたが

法案を推進した共和党は、健康保険(メディケイド)や食糧援助(SNAPプログラム)などの削減による歳出減少をアピールしていた。
減税や歳出拡大のほうが大きい

だが、こういった方面における歳出削減も、国防費や国境管理費の増大及び減税分を賄える規模ではなかったということのようだ。
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