【10月支給分から】厚生年金と国民年金「振込額」が変わる人も。60歳~89歳の平均月額は1歳刻みでいくら?

【年金一覧表】今のシニアの年金事情とは?

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【10月支給分から】厚生年金と国民年金「振込額」が変わる人も。60歳~89歳の平均月額は1歳刻みでいくら?

年金の受給開始後に知っておきたいのは、年金の受給額が変わるタイミングは主に年2回あるということ。

1つは年金額の改定であり、2025年度の年金額は前年度比1.9%の増額でした。

もう1つは税金や社会保険料の天引き額の変更がある場合です。10月には天引き額が変わることにより、年金の振込額が増える人・減る人もいます。このように年金額が変わるタイミングがあることは早くから知っておきたいものです。

みなさまは今後の人生の中で結婚や出産、家を建てるなどのライフプランはあるでしょうか。筆者はFPとして日々お金に関する相談をうけていますが、教育資金や住宅購入資金についてなど相談内容はさまざまです。

そんな中、一番相談数が最も多いのが老後資金についてです。教育資金については奨学金、住宅購入資金については住宅ローンが借りられますが、「老後資金は借りることができないお金」とも言われています。老後、収入の柱となるのは年金です。

今回は、この年金について現在のシニア世代がどれくらいの年金を平均で受給しているのか確認し、「借りられないお金」である老後資金について年金だけで安心して暮らせるのか参考にしていきましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【10月支給分から】厚生年金と国民年金「振込額」が変わる人も

公的年金からは、税金や社会保険料(健康保険料・介護保険料など)が天引き(特別徴収)されます。

「天引き額は一年間ずっと同じ」と思いがちですが、実は年度の途中で金額が変わるのが一般的です。

その理由は、年金から天引きされる住民税と社会保険料の計算が、二段階(仮徴収・本徴収)のしくみになっているためです。

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出所:厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」

仮徴収

年金から天引きされる住民税や国民健康保険料などの社会保険料は、前年の所得をもとに計算されます。しかし、その正式な年額が確定するのは毎年6月~7月頃です。

そのため、金額が確定していない年度前半(4月・6月・8月支給分の年金)では、まず前年度2月と同額が暫定的に天引きされます。これを「仮徴収」と呼びます。

本徴収

前年の所得が確定し、その年度に支払うべき社会保険料の正式な年額が決まると、徴収方法が切り替わります。

まず、確定した年額から、仮徴収として支払った合計額を差し引きます。そして、残った金額を年度後半の支給回数で割って天引きします。これが「本徴収」です。

多くの場合、本徴収は10月支給分からですが、自治体によっては8月から始まることもあります。

前年の所得が増加すると、秋以降の年金の手取り額が想定外に減ってしまうことがあるため注意が必要です。

例えば、以下のように前年の課税所得が増えるケースがこれにあたります。

・不動産の売却や退職金の受け取りで、一時的に大きな所得があった

・年金以外にパート収入や不動産収入などがあった

・配偶者控除などの各種控除の適用がなくなり、課税対象額が増えた

このような理由で前年の所得が増えた場合、年度後半の「本徴収額」が、前半の「仮徴収額」に比べて大幅に高くなることがあります。

その結果、秋以降に天引きされる金額が増え、年金の手取りが大幅に減ってしまう可能性もあるのです。ご自身の状況をあらかじめ確認しておくと安心です。

【厚生年金】「60歳~90歳以上」平均年金月額を一覧表でチェック

では、厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60歳から90歳以上の方が受給している厚生年金の平均年金月額を確認していきましょう。

【60歳~69歳】厚生年金の平均年金月額はいくら?

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60歳代の厚生年金額

・60歳:厚生年金9万6492円

・61歳:厚生年金10万317円

・62歳:厚生年金6万3244円

・63歳:厚生年金6万5313円

・64歳:厚生年金8万1700円

・65歳:厚生年金14万5876円

・66歳:厚生年金14万8285円

・67歳:厚生年金14万9205円

・68歳:厚生年金14万7862円

・69歳:厚生年金14万5960円

【70歳~79歳】厚生年金の平均年金月額はいくら?

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70歳代の厚生年金額

・70歳:厚生年金14万4773円

・71歳:厚生年金14万3521円

・72歳:厚生年金14万2248円

・73歳:厚生年金14万4251円

・74歳:厚生年金14万7684円

・75歳:厚生年金14万7455円

・76歳:厚生年金14万7152円

・77歳:厚生年金14万7070円

・78歳:厚生年金14万9232円

・79歳:厚生年金14万9883円

【80歳~89歳】厚生年金の平均年金月額はいくら?

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80歳代の厚生年金額

・80歳:厚生年金15万1580円

・81歳:厚生年金15万3834円

・82歳:厚生年金15万6103円

・83歳:厚生年金15万8631円

・84歳:厚生年金16万59円

・85歳:厚生年金16万1684円

・86歳:厚生年金16万1870円

・87歳:厚生年金16万2514円

・88歳:厚生年金16万3198円

・89歳:厚生年金16万2841円

【90歳以上】厚生年金の平均年金月額はいくら?

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90歳代の厚生年金額

・90歳以上:厚生年金16万721円

※特別支給の老齢厚生年金の、定額部分の支給開始年齢が引上げられたことより、65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は報酬比例部分のみ

※上述した60歳~90歳以上の厚生年金・平均月額には、国民年金が含まれています。

60歳から90歳以上の現シニア世代の多くは、国民年金を含めて月額およそ14万〜16万円の厚生年金を受給していることがわかっています。

ただし、厚生年金の金額には差があり、現役時代の収入や働き方、加入期間の長さなどが影響します。

次に、原則として20歳から60歳までのすべての国民が加入する「国民年金」について、老後に受け取れる金額を見ていきましょう。

【国民年金】「60歳~90歳以上」平均年金月額を一覧表でチェック

続いては、厚生労働省年金局による「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、60歳~90歳以上が受給している国民年金の平均月額を見ていきます。

【60歳~69歳】国民年金の平均年金月額はいくら?

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60歳代の国民年金額

・60歳:国民年金4万3638円

・61歳:国民年金4万4663円

・62歳:国民年金4万3477円

・63歳:国民年金4万5035円

・64歳:国民年金4万6053円

・65歳:国民年金5万9599円

・66歳:国民年金5万9510円

・67歳:国民年金5万9475円

・68歳:国民年金5万9194円

・69歳:国民年金5万8972円

【70歳~79歳】国民年金の平均年金月額はいくら?

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70歳代の国民年金額

・70歳:国民年金5万8956円

・71歳:国民年金5万8569円

・72歳:国民年金5万8429円

・73歳:国民年金5万8220円

・74歳:国民年金5万8070円

・75歳:国民年金5万7973円

・76歳:国民年金5万7774円

・77歳:国民年金5万7561円

・78歳:国民年金5万7119円

・79歳:国民年金5万7078円

【80歳~89歳】国民年金の平均年金月額はいくら?

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80歳代の国民年金額

・80歳:国民年金5万6736円

・81歳:国民年金5万6487円

・82歳:国民年金5万6351円

・83歳:国民年金5万8112円

・84歳:国民年金5万7879円

・85歳:国民年金5万7693円

・86歳:国民年金5万7685円

・87歳:国民年金5万7244円

・88歳:国民年金5万7076円

・89歳:国民年金5万6796円

【90歳以上】国民年金の平均年金月額はいくら?

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90歳代の国民年金額

・90歳以上:国民年金5万3621円

※60歳~64歳で国民年金を受給する場合、「繰上げ支給」となり減額されます。

国民年金のみを受給している方の平均月額は、5万円台にとどまっています。

近年の物価上昇も踏まえると、厚生年金(国民年金を含む)で月額14万〜16万円、または国民年金のみで月5万円台という水準では、老後の生活に十分とは言いがたい状況が続いています。

こうした背景から、政府は2019年より、一定の収入以下の方に対して「年金生活者支援給付金」を支給する制度を開始しました。

これは、老齢・障害・遺族年金を受け取る人のうち、収入が基準を下回る方を対象とした支援策です。

次章以降では、まず年金制度を確認した後に、この「老齢年金生活者支援給付金」の内容について詳しく解説していきます。

公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい

日本の公的年金制度は、2階建て構造となっており、1階部分にあたるのが全国民共通の「国民年金」、そして2階部分が会社員や公務員などが対象となる「厚生年金」です。

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【写真全10枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。2枚目以降で、「厚生年金・国民年金」の受給額をチェックする!

国民年金(1階部分)の概要をチェック

・加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳までの全員

・年金保険料:全員定額。年度ごとに改定される

・老後の年金額:全期間(40年間)保険料を納めると、満額受給できる

厚生年金(2階部分)の概要をチェック

・加入対象:会社員や公務員、パート・アルバイトで一定要件を満たした方(※国民年金に上乗せで加入)

・年金保険料:給与や賞与に応じて決められる(※ただし上限あり)

・老後の年金額:年金加入期間と納付済保険料額で計算されるため、個人差が出やすい

日本の公的年金制度は、いわゆる「2階建て構造」となっており、原則として20歳から60歳までのすべての人が国民年金に加入することになっています。

国民年金は基礎年金として、全加入者に一定の金額が支給される仕組みであり、これに加えて会社員や公務員が加入する厚生年金では、給与に応じた報酬比例の年金が上乗せされて支給されます。

国民年金保険料を「自分でおさめる」必要がある人・ない人の違いは?

国民年金保険料を自ら納める必要があるのは、以下に該当する方です。

・自営業者(第1号被保険者)

・農業や漁業に従事している方(第1号被保険者)

・第1号被保険者に扶養されている配偶者

・厚生年金に加入している65歳以上の方に扶養されている配偶者

一方で、次のような方は「第2号被保険者」または「第3号被保険者」に該当し、自ら国民年金保険料を納める必要はありません。

これは、国民年金の負担分を、厚生年金保険や共済組合が肩代わりしている仕組みになっているためです。

・民間企業や公務機関などに勤務し、厚生年金保険や共済組合に加入している方(第2号被保険者)

・第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)

また、厚生年金の支給額は、現役時代の収入水準や働き方、保険への加入期間などによって個人差があります。

「老齢年金生活者支援給付金」とは?新対象者は9月に請求書が届く

老齢年金を受給している方のうち、公的年金収入やその他の所得が一定水準を下回る場合には、生活の安定を目的として「老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

この給付金は、老齢年金の支給額に上乗せされる形で支給されるのが特徴です。

では次に、老齢年金生活者支援給付金の「支給額」および「対象となる方」について詳しく確認していきましょう。

「老齢年金生活者支援給付金」の給付金額と対象者

<給付金額>

・保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5450円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月

・保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月

老齢年金生活者支援給付金の支給額は、上記の算出方法に基づいて決定されます。

なお、計算の結果、50銭未満の端数が出た場合は切り捨て、50銭以上1円未満であれば切り上げて1円となります。

この給付金が支給されるのは、以下のすべての条件を満たしている方に限られます。

<支給要件>

・老齢基礎年金を受給者している65歳以上の方

・老齢年金生活者支援給付金を請求する方の、世帯全員の市町村民税が非課税

・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が(※障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません)以下の要件に該当する方

なお、生年月日によって支給要件が異なるため、あわせて覚えておきましょう。

・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く

※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で809,000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

「年金保険料の納付済月数」や「全額免除された期間」に応じて、老齢年金生活者支援給付金の支給額は異なりますので、ご注意ください。

また、給付額が変更となる際には、日本年金機構から「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送付されます。

さらに、毎年9月の第1営業日以降、「新たに支給対象となる方」には、順次、給付金請求書が日本年金機構から届けられます。

この給付金を受け取るには、申請が必要です。

請求書が届いた方は、手続きを忘れずに行うようご注意ください。

なお、対象者であるにもかかわらず請求書が届かない場合は、お近くの年金事務所、もしくは給付金専用ダイヤルまでお問い合わせください。

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日本年金機構「給付金専用ダイヤル」

次章では、現役世代が今からどのような対策をしていけばよいのかについて、詳しく見ていきましょう。

現役世代が「老後資金づくり」をはじめる際のポイント

ここからは、金融庁が公表している「家計管理とライフプランニング」を参考にしながら、老後資金の準備を始めるためのポイントを確認していきましょう。

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雇用形態による年収の違い

上記のグラフは、雇用形態ごとの年収差を年代別に示したものです。

正社員のほうが非正社員よりも年収が高い傾向にあり、特に顕著な差が見られます。

また、正社員の年収は10歳代から50歳代にかけて上昇傾向にある一方で、60歳代以降は減少しています。

これは、定年による退職や、定年後に再雇用される際の収入減などが影響していると考えられます。

60歳を迎える頃から年金の受給を開始する方も増えますが、年金や給付金だけで安定した生活を送るには厳しいのが現実です。

加えて、長引く物価上昇によって生活費の負担は重くなっており、仮に貯蓄を取り崩して生活しても、減り続ける残高に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

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生涯の収支バランスのイメージ

物価上昇の影響は、日常の生活費だけでなく、資産の価値にも及びます。

日本では低金利が続いているため、預貯金の利息ではインフレに追いつかず、実質的にお金の価値が目減りしてしまう状況です。

こうした背景から、老後に備えて物価上昇に対応できる資産づくりを目指し、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する人が増えています。

ただし、NISAやiDeCoで扱う「価格変動型」の金融商品は元本が保証されているわけではないため、運用にあたってはリスクとリターンのバランスを慎重に見極める必要があります。

まずは、日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」や、オンラインで確認できる「ねんきんネット」などを活用して年金の見込額を把握し、日々の支出を見直しながら、無理のない範囲で資産形成に取り組むことが重要です。

まとめにかえて

今回は、年金制度の概要や、平均受給額について確認してきました。自

分の理想的な老後生活を送るためにいくらお金があれば安心なのかをまず考えることが重要です。それに対してねんきん定期便などで確認した年金額が少ない場合は、早めに資産形成をしていくといいでしょう。

長い時間をかけられれば、少額でも将来大きな資産になりますので、老後資金が不足しそうだという場合、自分に合った手段を見つけ、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考資料

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」

・日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」

・日本年金機構「年金振込通知書」

・厚生労働省・日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」

・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金に関するお問い合わせ先」

・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)は、いつ頃送られますか。」

・金融庁「家計管理とライフプランニング」