【住民税非課税世帯】住民税が非課税となる「要件・所得のボーダーライン・収入の目安」をわかりやすく解説!過去には給付金も
「住民税非課税世帯」にシニア世帯が多い理由とは

【住民税非課税世帯】住民税が非課税となる「要件・所得のボーダーライン・収入の目安」をわかりやすく解説!過去には給付金も
「住民税非課税世帯」という言葉を、ニュースなどでよく見聞きしますね。
この区分は、国や自治体などによる公的支援の対象を判定する目安としてたびたび用いられています。
実際にこれまでも、物価高騰に苦しむ世帯の生活を支えるため、1世帯あたり数万円の給付金や、子育て世帯への加算といった支援策が実施されてきました。
では、住民税非課税世帯になる収入の目安はどれくらいなのでしょうか。本記事では、種類別の目安をわかりやすく解説し、将来の生活設計にも役立つ情報をお届けします。
秋は年末調整や確定申告の準備が始まる時期。今の収入状況を確認し、制度を正しく理解することが、将来の安心につながります。
【ご注意】2024年度補正予算(※2024年12月可決・成立)に盛り込まれた「住民税非課税世帯」を対象とする「3万円給付金」は、2025年1月以降、各自治体で順次給付作業がスタートし、多くの市区町村ですでに終了しています。 なお、給付金の申請方法や給付までのスケジュール、細かい支給要件などは市区町村により異なります。お住まいの自治体の最新情報を、ホームページや広報誌などでご確認ください。LIMOでは個別のお問い合わせへのお答えはいたしかねます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
知っておきたい!「住民税非課税世帯」となる要件
住民税のしくみの基本や、住民税非課税世帯となる要件について整理していきましょう。
住民税の基本をおさらい

出所:総務省「個人住民税」
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税で、その地域の公共サービスやインフラ整備の財源となります。
個人住民税は、均等割(※1)と所得割(※2)の合計です。
※1 所得に関係なく一律課税となる部分
※2 所得に応じて税額が決まる部分
均等割・所得割ともに免除になることを「住民税非課税」と言います。そして、世帯全員が住民税非課税となる世帯は「住民税非課税世帯」と区分されます。
※「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もありますが、各種給付金などの対象となるかどうかは、自治体により異なります。お住まいの市区町村などの基準をご確認ください。
住民税が非課税となる<3つの要件>
住民税が非課税となる要件は、以下のいずれかに当てはまるケースです。
・生活保護を受けている
・障害者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
・前年の所得が各市区町村の基準を下回る
1と2の要件は全ての市区町村で共通です。一方で、3の所得要件については、それぞれの市区町村が独自の基準を設定しています。
「住民税非課税世帯」となる「所得のボーダーライン」
住民税非課税となる所得基準は市区町村ごとに違います。一例として、東京都23区内の基準を見てみましょう。
住民税非課税世帯となる要件(東京都23区内の例)

出所:東京都主税局「個人住民税」
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方 ・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下 ・同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村に確認してください。
住民税が非課税になるかどうかは、住んでいる地域や世帯の状況によって基準が異なります。一つの目安として、東京都23区内では、同一生計配偶者や扶養家族がいない場合45万円以下です。
ただし、この「所得」は年収そのものではなく、年収から給与所得控除(会社員の経費にあたるもの)などを差し引いた後の金額です。
年収ベースで考えたほうがイメージしやすいという人も多いでしょう。
「住民税非課税世帯」となる「収入の目安(港区)」
住民税が非課税になるかどうかのボーダーラインは、世帯の状況など複数の条件で決まりますが、特に「収入の種類」によって年収の基準が大きく異なります。
ここでは東京都港区の例を用いながら、住民税非課税世帯となる基準を、「収入ベース」で見ていきましょう。

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
前年の収入が以下より少ない人
・アルバイトやパート:給与収入が100万円以下
・65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
・65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
・不動産収入等所得:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下
例えば、東京都港区の基準で見ると、パートやアルバイトによる給与収入であれば年収100万円以下が目安です。
これが年金収入のみになると、年齢によって基準が変わります。65歳未満なら105万円以下ですが、65歳以上になると公的年金等控除額が増えるため、ボーダーラインは155万円へと引き上げられます。
さらに、不動産収入などの場合は、収入の額そのものではなく、収入から必要経費を差し引いた「合計所得金額」が45万円以下であるか、というように計算方法自体が異なります。
このように、住民税非課税の判定は、扶養親族の有無だけでなく、収入が給与なのか年金なのか、または事業所得なのかによっても基準が変わる、複雑な仕組みになっています。
「住民税非課税世帯」にはシニア世帯が多い?年代別の割合一覧
年金収入が中心となる高齢者世帯は、現役世代と比べて「住民税非課税世帯」に該当しやすくなる傾向があります。
その背景には、税制上の理由が大きく関わっています。
まず、多くの方は定年退職などを機に、現役時代よりも収入そのものが下がります。加えて、65歳以上の人は、年金収入から差し引ける「公的年金等控除」の額が手厚く設定されています。
さらに、遺族年金や障害年金は、制度上そもそも課税対象ではありません。
このような状況を裏付けるデータを、厚生労働省の「令和6年国民生活基礎調査」から見ていきましょう。
【年代別】住民税が課税される世帯の割合

・30〜39歳:87.5%
・40~49歳:88.2%
・50~59歳:87.3%
・60~69歳:79.8%
・70~79歳:61.3%
・80歳以上:52.4%
・65歳以上(再掲):61.1%
・75歳以上(再掲):54.4%
※全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
※総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
※住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯が含まれます。
住民税が課税される世帯の割合は、年代とともに変化しています。
30~50歳代では9割近い世帯が課税世帯ですが、60歳代では79.8%、さらに65歳以上では61.1%、75歳以上では54.4%と、高齢になるほど課税世帯の割合は顕著に下がっていきます。
ここで再確認しておきたいことは、住民税の課税基準はあくまで前年の所得であること。預貯金など個人の資産ではないという点です。
そのため、データ上は非課税世帯であっても、その中には「年金収入は基準以下だが、豊富な預貯金を取り崩して豊かに生活している」といった資産家の高齢者世帯も一定数含まれていると考えられます。
老後の安心は“今”の準備から
今回は、住民税非課税世帯となる要件や収入の目安について解説してきました。
年金生活を送る高齢世帯では、住民税が非課税となる割合が高くなる傾向があります。
定年退職後は、現役時代と比べて収入が大きく減るのが一般的です。だからこそ、私たち現役世代は、早めに老後に備えた資産形成を始めておくことが大切です。
まずは、自分が将来どれくらい年金を受け取れるのかを把握しましょう。そのうえで、老後の生活に必要な金額や、定年までにどれくらい貯蓄しておけば安心かを考えることが第一歩です。
年金見込み額は、「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」で確認できます。
今の生活を大切にしながら、将来の安心も少しずつ準備していきましょう。できることから始めることが、老後の不安を減らす一番の近道です。
参考資料
・内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
・総務省「個人住民税」
・東京都主税局「個人住民税」
・港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
・厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」