10月から「厚生年金・国民年金の手取り額が変わる人」とは?《公的年金の仕組みをおさらい》
- 10月から公的年金(厚生年金や国民年金)の「手取り額が変わる」のはどんな人?
- 公的年金の仕組みをおさらい
- 【2025年度】「厚生年金と国民年金」は1.9%の増額に
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 【厚生年金】60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上「シニアの平均月額」一覧表
- 【厚生年金一覧表】60歳代(60〜69歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【厚生年金一覧表】70歳代(70〜79歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【厚生年金一覧表】80歳代(80〜89歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【厚生年金一覧表】90歳以上が受け取っている平均年金額は?
- 【国民年金】60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上「シニアの平均月額」一覧表
- 【国民年金一覧表】60歳代(60〜69歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【国民年金一覧表】70歳代(70〜79歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【国民年金一覧表】80歳代(80〜89歳)が受け取っている平均年金額は?
- 【国民年金一覧表】90歳以上が受け取っている平均年金額は?
- 【一覧表】シニア全体の「厚生年金と国民年金」の平均月額
- 「厚生年金」の平均年金月額はいくら?
- 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額はいくら?
- 家計の状況に合わせて「どれくらい老後資金が必要なのか」確認を
【平均年金受給額】60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上「シニアの平均月額」一覧表

10月から「厚生年金・国民年金の手取り額が変わる人」とは?《公的年金の仕組みをおさらい》
秋風が心地よく、日差しが柔らかな季節となりました。
さて、公的年金は2カ月に一度の支給ですが、10月の支給分から「年金の手取り額」が変わる方がいらっしゃいます。
これは、年金から差し引かれる税金や社会保険料の金額が見直されるためです。
手取り額が変わる方には、原則として「年金振込通知書」が届きますので、この機会に内容を確認しておきましょう。
本記事では、10月支給分で年金の手取りが変わるケースを詳しく見ていきます。
また、60歳代~90歳以上までの「シニアの平均年金月額」を一覧表でご紹介します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
10月から公的年金(厚生年金や国民年金)の「手取り額が変わる」のはどんな人?
公的年金は、税金や社会保険料(健康保険料や介護保険料など)が差し引かれる「特別徴収」の仕組みになっています。
一見すると「天引き額は一年を通して一定」と思われがちですが、実際には年度の途中で金額が変わるのが一般的です。
これは、年金から控除される住民税や社会保険料が、「仮徴収」と「本徴収」という二段階方式で計算されているためです。

年金の仮徴収と本徴収
「仮徴収」とは?
年金から差し引かれる住民税や国民健康保険料といった社会保険料は、前年の所得を基準に算出されます。
ただし、その年の正式な金額が決定するのは毎年6月から7月にかけてです。
そのため、年度の前半(4月・6月・8月の支給分)については、前年度2月に天引きされていた額と同額がいったん差し引かれます。
これが「仮徴収」と呼ばれる仕組みです。
「本徴収」とは?
前年の所得が確定すると、その年度に支払うべき社会保険料の正式な年額が決まり、徴収方法が切り替わります。
まず、確定した年額から仮徴収で納めた合計額を差し引き、残りを年度後半の支給回数で均等に分けて差し引く方式に移行します。
これが「本徴収」です。
本徴収は多くの場合10月の支給分から始まりますが、自治体によっては8月から切り替わることもあります。
前年の所得が増えていると、秋以降の手取り額が予想以上に減ってしまうケースがあるため注意が必要です。
具体的には、前年の課税所得が増加した場合などがこれに該当します。
・不動産の売却や退職金の受け取りで、一時的に大きな所得があった
・年金以外にパート収入や不動産収入などがあった
・配偶者控除などの各種控除の適用がなくなり、課税対象額が増えた
このように前年の所得が増えていると、年度後半に切り替わる「本徴収額」が、前半の「仮徴収額」より大きくなる場合があります。
その結果、秋以降は天引きされる額が増加し、手取りの年金が大きく減ってしまう可能性もあるため、事前に自分の状況を確認しておくことが安心につながるでしょう。
公的年金の仕組みをおさらい
続いて、公的年金のしくみをおさらいしていきましょう。

日本の公的年金制度は「2階建て」と呼ばれています。
これは、基礎となる1階部分の「国民年金」と、その上に上乗せされる2階部分の「厚生年金」で構成されているためです。
国民年金は、原則として国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象で、保険料(※1)は一律に定められています。
これに対し、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に加えて加入し、収入に応じた保険料(※2)を負担します。
また、国民年金は全期間(480月)にわたり保険料を納めると、65歳から満額(※3)を受け取ることができ、反対に未納期間がある場合は、その分が差し引かれる仕組みになっています。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
【2025年度】「厚生年金と国民年金」は1.9%の増額に
公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金水準に応じて毎年度見直されます。
2025年度は、前年度比で1.9%の引き上げが行われました。

令和7年度の年金額の例
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
改定後の月額は、国民年金(老齢基礎年金)の満額で6万9308円、厚生年金は「厚生年金を受給する会社員の夫+国民年金を受給する妻」というモデル世帯で23万2784円となっています。
もっとも、これらはあくまでも「年金のモデルケース」にすぎません。
では実際に、シニア世代がどの程度の年金を受け取っているのか、年齢別・男女別の平均額を確認していきましょう。
【厚生年金】60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上「シニアの平均月額」一覧表
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60歳から90歳以上までの各年齢層における平均年金月額を確認していきましょう。
はじめに取り上げるのは厚生年金です。
なお、ここで示す厚生年金の金額には、国民年金の部分も含まれています。
【厚生年金一覧表】60歳代(60〜69歳)が受け取っている平均年金額は?

【厚生年金一覧表】60歳代(60〜69歳)
・60歳:厚生年金9万6492円
・61歳:厚生年金10万317円
・62歳:厚生年金6万3244円
・63歳:厚生年金6万5313円
・64歳:厚生年金8万1700円
・65歳:厚生年金14万5876円
・66歳:厚生年金14万8285円
・67歳:厚生年金14万9205円
・68歳:厚生年金14万7862円
・69歳:厚生年金14万5960円
【厚生年金一覧表】70歳代(70〜79歳)が受け取っている平均年金額は?

【厚生年金一覧表】70歳代(70〜79歳)
・70歳:厚生年金14万4773円
・71歳:厚生年金14万3521円
・72歳:厚生年金14万2248円
・73歳:厚生年金14万4251円
・74歳:厚生年金14万7684円
・75歳:厚生年金14万7455円
・76歳:厚生年金14万7152円
・77歳:厚生年金14万7070円
・78歳:厚生年金14万9232円
・79歳:厚生年金14万9883円
【厚生年金一覧表】80歳代(80〜89歳)が受け取っている平均年金額は?

【厚生年金一覧表】80歳代(80〜89歳)
・80歳:厚生年金15万1580円
・81歳:厚生年金15万3834円
・82歳:厚生年金15万6103円
・83歳:厚生年金15万8631円
・84歳:厚生年金16万59円
・85歳:厚生年金16万1684円
・86歳:厚生年金16万1870円
・87歳:厚生年金16万2514円
・88歳:厚生年金16万3198円
・89歳:厚生年金16万2841円
【厚生年金一覧表】90歳以上が受け取っている平均年金額は?

【厚生年金一覧表】90歳以上
・90歳以上:厚生年金16万721円
※65歳未満で厚生年金を受給している人の中には、特別支給の老齢厚生年金において定額部分の支給開始年齢が引き上げられた影響で、報酬比例部分のみを受け取っているケースも含まれます。
老齢年金の受給開始年齢は原則65歳からです。
65歳以降では、厚生年金の平均月額は14万~16万円台となっています。
【国民年金】60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上「シニアの平均月額」一覧表
続いて、国民年金の平均月額を確認します。
【国民年金一覧表】60歳代(60〜69歳)が受け取っている平均年金額は?

【国民年金一覧表】60歳代(60〜69歳)
・60歳:国民年金4万3638円
・61歳:国民年金4万4663円
・62歳:国民年金4万3477円
・63歳:国民年金4万5035円
・64歳:国民年金4万6053円
・65歳:国民年金5万9599円
・66歳:国民年金5万9510円
・67歳:国民年金5万9475円
・68歳:国民年金5万9194円
・69歳:国民年金5万8972円
【国民年金一覧表】70歳代(70〜79歳)が受け取っている平均年金額は?

【国民年金一覧表】70歳代(70〜79歳)
・70歳:国民年金5万8956円
・71歳:国民年金5万8569円
・72歳:国民年金5万8429円
・73歳:国民年金5万8220円
・74歳:国民年金5万8070円
・75歳:国民年金5万7973円
・76歳:国民年金5万7774円
・77歳:国民年金5万7561円
・78歳:国民年金5万7119円
・79歳:国民年金5万7078円
【国民年金一覧表】80歳代(80〜89歳)が受け取っている平均年金額は?

【国民年金一覧表】80歳代(80〜89歳)
・80歳:国民年金5万6736円
・81歳:国民年金5万6487円
・82歳:国民年金5万6351円
・83歳:国民年金5万8112円
・84歳:国民年金5万7879円
・85歳:国民年金5万7693円
・86歳:国民年金5万7685円
・87歳:国民年金5万7244円
・88歳:国民年金5万7076円
・89歳:国民年金5万6796円
【国民年金一覧表】90歳以上が受け取っている平均年金額は?

【国民年金一覧表】90歳以上
・90歳以上:国民年金5万3621円
※65歳未満で国民年金を受給している人は、繰上げ受給を選択したケースにあたります。
65歳以降の国民年金については、平均月額はいずれの年代でも5万円台となっています。
【一覧表】シニア全体の「厚生年金と国民年金」の平均月額
年齢別の平均月額を見てきましたが、ここで全体の平均額を整理してみましょう。
厚生年金と国民年金それぞれの平均年金月額に加え、1万円ごとの区分で受給権者がどの程度分布しているのかについても確認していきます。

国民年金・厚生年金の平均と個人差(全年齢)
「厚生年金」の平均年金月額はいくら?
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
厚生年金の平均月額は、全体で14万6429円、内訳は男性16万6606円、女性10万7200円となっています。
「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額はいくら?
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
国民年金の平均月額は、全体・男女ともに5万円台にとどまっています。
家計の状況に合わせて「どれくらい老後資金が必要なのか」確認を
今回は、日本の年金制度の確認や、60歳代~90歳代までの年金受給額の平均月額について1歳刻みで紹介しました。
また、10月から厚生年金や国民年金の「手取り額が変わる方」について解説しました。
物価高が続いていることもあり、年金生活が苦しくならないよう、少し余裕をもった老後資金の準備が必要だといえますね。
家計の状況に合わせて、どれくらい老後資金が必要なのか確認することからはじめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金額改定通知書・年金振込通知書」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」