【20代~70代】「元本割れ対策」に年代別の違いはある? 資産運用「積極派」と「消極派」の割合は

【20代~70代】「元本割れ対策」に年代別の違いはある? 資産運用「積極派」と「消極派」の割合は
年代別・資産運用の「積極派」は?【単身世帯】
株式や投資信託などの元本割れを起こす可能性がある一方で、収益性が高いと見込まれる商品で運用している人はどのくらいいるのだろうか。全国5000世帯を対象に金融資産や家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から「リスク性商品の保有意向」について各年代の回答をもとに単身世帯の傾向を見ていこう。
■元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有(年代別・単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」よりFinasee編集部作成
結果を見ると、「そうした商品についても、積極的に保有しようと思っている」積極派は20代が22.3%と最も高く、30代(17.5%)、40代(16.0%)、50代(12.8%)、60代(8.4%)、70代(8.3%)と年代が上がるにつれて少なくなる。若い層で積極派が多いのは、長期投資が可能な時間的余裕があり、相場の動向により一時的に損が出ても挽回が狙えることからリスクを取っていける環境にあることも一因だろう。
なお、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」と回答した"消極派"は20代が42.2%と最も低い。以降、30代(42.3%)、40代(47.2%)、50代(57.4%)、60代(62.0%)、70代(66.1%)と年代が上がるにつれて増加している。
理由には年代ごとのライフイベントも影響している可能性がある。例えば30代や40代では結婚や住宅購入などの資金の確保に向けて積極的に増やしたい、50代以降では老後資金の準備のためにそろそろリスクを回避していきたいといった意向が強まるなどの事情がありそうだ。
●前編【年代別】“元本割れ”経験者はどのくらいいて、その時どう思ったのか? 「20代~70代調査」
二人以上世帯は資産運用に積極的?
二人以上世帯では傾向に違いが見られるだろうか。
■元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有(年代別・二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」よりFinasee編集部作成
二人以上世帯で「そうした商品についても、積極的に保有しようと思っている」という積極派は、20代が33.3%と最も高く、30代(25.5%)、40代(22.2%)、50代(15.2%)、60代(14.1%)、70代(9.1%)と、こちらも年代が上がるほど低下傾向にある。
特徴はほとんどの年代で二人以上世帯の方が単身世帯よりも積極的にリスクをとって投資をしたいと考えている点だ。背景には、家計への責任から資産形成への意識が高まったり、家族と将来について話し合う機会があったりとそれぞれの事情があるだろう。また、共働きなど家族に働き手が複数いれば、投資にあてられる資金が単身世帯よりも多くなる可能性もあり、より積極的に運用を行っているのかもしれない。
一方、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」という答えは20代が35.7%で最も低く、30代は39.0%、70代では57.2%に達し、こちらも年代が上がるほど保守的になる傾向が見られる。全体的には、同年代であれば単身世帯よりも二人以上世帯の方が積極派が多く、リスクを取って運用をしていく意向にあるようだ。
元本割れ対策はどうしている? 年代別の安全対策
元本割れを防ぎたい人は何か対策をしているのだろうか。資産をより安全に確保しておくためにとった行動を年代別に見てみよう。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(年代別・単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」よりFinasee編集部作成
単身世帯では、「何もしていない」との回答が20代(58.7%)、30代(62.9%)、40代(72.8%)、50代(75.1%)、60代(70.4%)、70代(70.7%)となっている。若い層ほど何らかの行動をとっている傾向にあるようだ。特に20代、30代では安全性に関する情報収集を行ったとの答えが比較的多い。商品や金融機関を変更する割合も高い。なお、預金保全の観点から1つの金融機関に資産が集中しないよう分散したとの回答は60代、70代で高まっている。
対照的に何もしていない割合が最も高いのは50代。仕事や日常生活など多忙を極める年代ではある。反対に、時間的余裕が生じるであろう60代、70代では何らかの行動をした割合が40代、50代より高まっている。
意外? 最も積極的に資産を守っている年代は?
同様に二人以上世帯の結果を見てみよう。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(年代別・二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」よりFinasee編集部作成
二人以上世帯では、「何もしていない」が20代(46.8%)、30代(56.6%)、40代(60.9%)、50代(67.2%)、60代(65.5%)、70代(66.9%)となっており、こちらも若い世代ほど具体的に行動している割合が高い傾向にある。
全年代・世帯のうち、何らかの対策をとっている人の割合が最も高いのが20代二人以上世帯だ。「金融商品の安全性に関する情報を収集した」(22.2%)、「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」(15.8%)などの対策を取っている。
30代以降でも同様の項目が上位を占めており、情報収集や分散投資による対策が一般的といえそうだ。
特筆すべきは20代の情報収集への意欲の高さ。特に「金融商品の安全性に関する情報を収集した」割合が全年代で最も高く、若い世代ほど金融リテラシー向上への関心が強いことがうかがえる。続いて年代別の傾向と対策を見ていこう。
20代&30代:リスクを取る余裕がある年代
結果からは20代と30代の積極的な投資姿勢が明らかだ。特に20代二人以上世帯では積極派が全年代・世帯で最も多い。SNSなどの普及の影響もあり、若いうちから資産形成の重要性が認識されつつある上に、時間を味方につけた長期投資が可能な年代であることが一因だろう。資産を安全に保つための行動にも積極的で、特に情報収集にも熱心な傾向がある。老後まで十分な時間があることを強みに、NISAやiDeCoなど税制優遇制度についても情報を集め、活用することも一案だ。
40代&50代:バランスを模索しつつ老後準備
40代、50代になるとリスク性商品への積極姿勢はやや弱まるものの、依然として一定数の積極派が存在する。まだ十分リスクを取って資産を増やしたいという意向は物価上昇が続く現在を見据えての判断だろう。老後に向けた資産形成を継続しつつも、リタイアまでの時間を鑑みてリスクとリターンのバランスを考えた運用を継続したい年代だ。
60代&70代:安全性重視で判断
60代、70代になるとリスクを取った投資には消極的な姿勢が強まる。多くがすでに退職を迎え、年金生活に入っていることから資産を減らしたくない意識が強いはずだ。中でも70代単身世帯は消極派が66.1%と、全年代・世帯で最も高い。一方で二人以上世帯は消極派がやや減少する。老後資金を守りたい一方で、インフレリスクへの対応や余裕資金の運用など、守りながら増やしたいと状況に応じて判断している世帯もあることがうかがえる。毎月の資金計画と照らし合わせ、無理のない運用が望まれる。
預貯金にもリスクはある
全年代を通して見ると、若い世代ほどリスクを取った運用姿勢が強く、年代が上がるにつれ消極的になる傾向が明確だ。時間の余裕やライフステージの違いを反映した結果といえる。また、二人以上世帯の方が単身世帯よりもリスクに前向きな傾向があるようだ。
元本割れ対策は、若い世代ほど積極的に行っており、特に情報収集や預け先の分散など基本的な対策を取っている。しかしどの年代でも「何もしていない」世帯が最も多く、元本割れ対策の重要性が十分に認識されていない可能性もある。
元本確保型の預貯金であってもリスクがないわけではない。金融機関の破綻時には1金融機関あたり1000万円とその利息までしか原則保護されない。ほかにも最近の物価上昇による資産価値の目減りなど多様な側面にリスクは潜んでいる。自身の状況を鑑み、年齢や生活に応じた適切な資産管理を継続していくことが必要だ。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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