【65歳以上の無職夫婦世帯】月の生活費はいくら? いまどきシニア「厚生年金+国民年金」の平均受給額も一覧でチェック!
シニア世帯の収入実態:「公的年金・恩給」のみに頼って生活している割合は43.4%

【65歳以上の無職夫婦世帯】月の生活費はいくら?いまどきシニア「厚生年金+国民年金」の平均受給額も一覧でチェック!
12月も終わりに近づき、冬の寒さが一層厳しくなる季節となりました。
年末年始は家族や親戚と顔を合わせる機会が増え、将来の家計や「老後の生活費」「資金計画」といったテーマについて、改めて考える方も多いのではないでしょうか。
物価上昇が続くなか、シニア世代の経済的な実情を正確に知ることは、ご自身の将来設計を具体的にする上で重要な手がかりとなります。
この記事では、総務省の「家計調査」や厚生労働省の公表データに基づき、現代のシニア世代が直面する「毎月の生活費」「最新の年金受給額」「貯蓄額の推移」といったリアルな数字を解説します。
ご自身の理想のライフプランと実際のデータを比較しながら、豊かなセカンドライフに向けた準備の参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上の無職夫婦世帯における、老後の平均的な「月の生活費」はどのくらい?
老齢年金は原則として65歳から支給が開始されます。
このため、65歳を一つの区切りとして、老後の生活プランを具体的に検討する方も多いでしょう。
ここでは、総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に、65歳以上の無職夫婦世帯が毎月どれくらいの生活費で暮らしているのか、その平均的な実態を確認します。

《65歳以上の無職夫婦世帯》「月の生活費」は平均いくら?
収入の平均額:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
支出の平均額:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
■うち非消費支出:3万356円
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
・ひと月の赤字:3万4058円
・エンゲル係数(※消費支出に占める食料費の割合):29.8%
・平均消費性向(※可処分所得に対する消費支出の割合):115.3%
総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職夫婦世帯の1カ月あたりの実収入は平均で25万2818円です。
その内訳を見ると、収入の約9割を占める22万5182円が、公的年金をはじめとする社会保障給付となっています。
それに対して支出の合計は28万6877円であり、収入を上回る結果です。
支出の内訳は、生活費などの消費支出が25万6521円、税金や社会保険料といった非消費支出が3万356円でした。
この結果、エンゲル係数は29.8%、平均消費性向は115.3%となり、計算上は毎月3万4058円の赤字が発生していることがわかります。
このデータからは、多くの世帯が老後の生活で生じる赤字分を、それまでに築いた貯蓄などの資産を取り崩して補填している状況がうかがえます。
ただし、この総務省統計局の調査データでは、住居費が1万6432円と比較的低額に設定されている点や、介護関連の支出が含まれていない点に注意が必要です。
もし住宅ローンが残っていたり、賃貸物件に住んでいたりする場合は、ここで示された平均的な収支よりも支出は多くなる可能性があります。
将来的に介護費用が必要になれば、赤字額はさらに拡大することも想定されます。
生活費やライフスタイルは各家庭で大きく異なるため、現在の暮らしだけでなく、老後の生活までを視野に入れて、必要な資金を事前に把握しておくことが重要です。
65歳以上の無職世帯(二人以上)における、シニアの平均貯蓄額は?
次に、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」を参考に、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上)の貯蓄額の推移と資産の内訳を見ていきましょう。

《65歳以上の無職世帯》二人以上世帯の「貯蓄額」はいくら?
【世帯主が65歳以上の無職世帯】貯蓄現在高の推移(二人以上の世帯)
・2019年:2218万円
・2020年:2292万円
・2021年:2342万円
・2022年:2359万円
・2023年:2504万円
・2024年:2560万円
平均貯蓄額の推移を見ると、2019年から2020年にかけては2200万円台でした。
その後、2021年には2300万円台に増え、2023年と2024年には2500万円台に達しています。
このデータから、65歳以上の無職・二人以上世帯では、貯蓄額が年々増加傾向にあることがわかります。
先ほど確認したように、65歳以上の無職夫婦世帯では毎月約3万円の赤字が生じているため、ある程度の貯蓄があることは、老後の暮らしの安心につながると言えるでしょう。
しかし、ここで紹介した数値はあくまで平均値である点に注意が必要です。
個々の貯蓄状況は、退職金の有無やその額、あるいは相続資産の有無など、さまざまな要因によって大きく変わります。
同様に、老後の主要な収入源である公的年金の支給額も、人によって差があります。
ご自身の年金見込額については、日本年金機構が提供する「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して、事前に確認しておくことをおすすめします。
シニアの老後の収入源となる「国民年金・厚生年金」の平均受給月額
老齢年金は、老後の暮らしを支える上で欠かせない収入源です。
ここでは、厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、国民年金と厚生年金の平均的な支給額や、男女間の差について見ていきます。
国民年金と厚生年金における平均月額の男女差・個人差

国民年金・厚生年金の「平均月額」「男女差・個人差」
国民年金(老齢基礎年金)
・〈全体〉平均年金月額:5万9310円
・〈男性〉平均年金月額:6万1595円
・〈女性〉平均年金月額:5万7582円
厚生年金(国民年金部分を含む)
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
国民年金(老齢基礎年金)のみを受給している場合、全体と女性の平均月額は5万円台、男性は6万円台です。
一方で、厚生年金(国民年金部分を含む)を受給している場合、全体の平均月額は15万円台となります。
これを男女別で見ると、男性が16万円台、女性が11万円台と、月額で約6万円の差があることがわかります。
老後に支給される年金額は、加入していた年金制度の種類や現役時代の収入によって決まるため、個人差が大きいという特徴があります。
ちなみに、2025年度の年金額は前年度から1.9%引き上げられましたが、「マクロ経済スライド(※)」が適用されたため、物価の上昇分を完全にはカバーできていないのが現状です。
今後も物価高が継続する場合、老後の生活プランを立てる上で、年金の実質的な価値の目減りをどのように補っていくかが重要な課題となるでしょう。
※マクロ経済スライド:公的年金の被保険者数(現役世代)の変動と平均余命の伸びを基に算出される「スライド調整率」を使い、賃金や物価が上昇した際に年金の改定率からその分を差し引く仕組みです。
シニア世帯の収入実態:43.4%が収入のすべてを「公的年金・恩給」に依存
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の収入源がどのようになっているのか、その実態を見ていきます。
※高齢者世帯:65歳以上の人のみで構成されるか、または65歳以上の人と18歳未満の人で構成される世帯を指します。
調査結果から見る、総所得に占める公的年金・恩給の割合

総所得に占める「公的年金・恩給の割合別 世帯構成」
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯全体の平均所得構成を見ると、「公的年金・恩給」が63.5%を占め、最も大きな割合となっています。
次いで、仕事から得られる「稼働所得」が25.3%、利子や配当などの「財産所得」が4.6%と続きます。
さらに、公的年金・恩給を受給している世帯に限定して見ると、収入の100%を公的年金・恩給に頼っている世帯が43.4%にも上ることがわかります。
このデータから、年金を受給している世帯のうち、およそ半数が公的年金だけを頼りに生活しているという実情が浮かび上がります。
日本の最新平均寿命、男性と女性でそれぞれ何歳か
平均余命とは、ある年齢の人が平均してあと何年生きられるかを示す期待値のことです。
私たちが日常的に使う「平均寿命」とは、この「0歳時点での平均余命」を指しています。
2025年7月25日に厚生労働省が発表した「令和6年簡易生命表の概況」によれば、最新の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.13歳となっています。

主な年齢の平均余命
長期的な推移を見ても、平均寿命は男女ともに着実に伸びていることがわかります。
・昭和30年(1955年) 男63.60 女67.75 男女差4.15
・昭和40年(1965年) 男67.74 女72.92 男女差5.18
・昭和50年(1975年) 男71.73 女76.89 男女差5.16
・昭和60年(1985年) 男74.78 女80.48 男女差5.70
・平成7年(1995年) 男76.38 女82.85 男女差6.47
・平成17年(2005年) 男78.56 女85.52 男女差6.96
・平成27年(2015年) 男80.75 女86.99 男女差6.24
・令和6年(2024年) 男81.09 女87.13 男女差6.03
人生100年時代と言われる現代において、長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代から計画的に貯蓄や資産形成を進め、公的年金制度について正しく理解しておくことがますます重要になるでしょう。
老後資金の準備は計画的に進めることが大切
この記事では、65歳以上世帯の家計状況について、さまざまなデータをもとに解説しました。
総務省統計局の調査では、65歳以上の無職夫婦世帯の場合、平均で毎月3万4058円の赤字が出ているという結果でした。
この赤字が仮に30年間続いた場合、総額は約1226万円にも達します。
さらに、この調査データでは住居費が1万6432円と、持ち家を想定した比較的低い金額で計算されています。
そのため、賃貸住宅に住んでいる場合は、赤字額がさらに膨らむ可能性が考えられます。
また、この計算には日々の生活費しか含まれておらず、将来必要になるかもしれない介護費用や老人ホームの入居費用、自宅の修繕費などは考慮されていません。
老後の生活を支える中心は公的年金ですが、年金だけで老後の生活費をすべてカバーするのは簡単なことではありません。
老後に必要な資金額は、一人ひとりのライフスタイルによって大きく異なります。
まずはご自身の状況に合わせて「年金だけでは、いくら不足するのか」を具体的に試算しておくとよいでしょう。
不足額を明確にした上で、計画的な資金準備を検討してみてはいかがでしょうか。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
※この記事は再編集記事です。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命
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