【2月の年金支給日】申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」で“ひとり1万900円”上乗せされる場合とは?
- 年金額には差がある|給付金が必要とされる背景
- 年金生活者支援給付金はいくら上乗せされる?
- 【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額
- 対象になるのはどんな人?年金生活者支援給付金の支給要件
- 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象
- 申請しないと受け取れない|「緑の封筒」に要注意
- 【9月1日から順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」
- 手続きは毎年必要?
- 【関連制度】2025年の年金制度見直しで変わるポイント
- iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
- 企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
- 企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)
- まとめ|2月の年金支給日前に確認しておきたいこと
老齢・障害・遺族別に整理|支給要件・給付基準額・申請手続きをまとめて確認

【2月の年金支給日】申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」で“ひとり1万900円”上乗せされる場合とは?
2026年も始まりましたが、今年最初の年金支給日は2月になります。
物価高が続く今、年金にわずかでも上乗せされる給付金の存在は、家計にとって大きな意味を持ちます。
給付金のひとつとして、年金生活者支援給付金という制度があります。ただし、すべての年金受給者が対象になるわけではなく、年金の種類や所得状況、申請の有無によって受け取れるかどうかが分かれます。
本記事では、2月の年金支給日に向けて、誰が・いくら・どんな条件で受け取れるのかを、老齢・障害・遺族年金別に整理して解説します。
※記事内のデータは、執筆時点での情報をもとにしています。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金額には差がある|給付金が必要とされる背景
厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。
年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。
年金生活者支援給付金はいくら上乗せされる?
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。
受給中の年金によって、以下3種類の年金生活者支援給付金があり、それぞれに、支給要件と支給額(基準額)が設定されています。
・老齢年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額
2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
【2025年度】
・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。
なお、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。
対象になるのはどんな人?年金生活者支援給付金の支給要件
年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人です。
給付金の判定に用いる所得は、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。
「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。
「老齢年金生活者支援給付金」支給対象

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下
老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
補足的老齢年金生活者支援給付金
昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。
申請しないと受け取れない|「緑の封筒」に要注意
年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。支給対象になったら自然に年金に上乗せされるわけではありません。
すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、2025年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されています)。
【9月1日から順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
なお、これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
手続きは毎年必要?
年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続き不要で継続受給が可能です。
継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
なお、毎年度(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。
【関連制度】2025年の年金制度見直しで変わるポイント
2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。
今回の改正には、いわゆる「年収106万円の壁」撤廃に向けた社会保険の加入対象の拡大、在職老齢年金の支給停止調整額の引き上げ、遺族年金の見直しなど、公的年金制度の大きな改正内容が盛り込まれています。

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
同時に、私的年金である「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「企業型DC」に関しても、いくつか改正が加わることになりました。
iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
働き方に関係なく「70歳未満」に引き上げる
・現在のiDeCo加入条件
・加入可能年齢の引き上げ後
企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
企業型DCで、加入者本人が掛金を上乗せする「マッチング拠出」の上限額を撤廃。事業主掛金の額を超え、拠出限度額の枠を十分に活用できるようにする。
企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)
企業年金の運営状況の情報を、厚生労働省がとりまとめて開示。他社との比較・分析が可能となる。
まとめ|2月の年金支給日前に確認しておきたいこと
2月の年金支給日に「ひとり1万900円」が上乗せされる場合もある年金生活者支援給付金は、物価高が続く今、見逃せない公的支援です。
ただし、対象になるのは老齢・障害・遺族年金の受給者のうち、一定の所得要件を満たす人に限られます。
また、この給付金は申請しなければ受け取れないケースがある点も重要です。
とくに、秋以降に届く「緑の封筒」を見過ごしてしまうと、本来受け取れるはずの給付金が加算されないままになる可能性があります。
2月の年金支給日を迎える前に、自分や家族が対象になるかどうか、要件と手続き状況を一度確認しておくと安心です。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・総務省「個人住民税」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
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