「なんで落とされるの…?」面接官に一発で見破られる「自分が知らない本当の自分」とは

就活の自己分析では、「本当の自分」を見つけられるかが勝負となる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

就活はただ動けばいいというものではない。地道な下準備で培った底力が、その後のインターンシップや面接の場で花開くのだ。ライバルに差を付けるESの基となる、自己分析と企業研究への向き合い方をお伝えしよう。(取材・文/古井一匡)

 エントリーシート(ES)は就活プロセスの中でも大きな関門。ESによって書類選考が行われ、面接に進む応募者が絞り込まれる。

 ただ、最近は売り手市場において選考の母集団を確保するため、企業規模にかかわらずESによる選考を行わない企業が増えている。あるいは、ESによる絞り込みについても緩める傾向がある。

 とはいえ、難易度の高い人気企業、大手企業については依然、書類選考のハードルは高い。「面接で会ってみたい」と思わせるESをしっかり作成することが内定(内々定)に至る必須条件だ。

 そうしたESを作成するには事前準備としての「自己分析」と「企業研究」が欠かせない。

自己分析と企業研究の

掛け合わせがポイント

「自己分析」では、幼い頃から現在までを時系列で振り返り、印象に残っている出来事やエピソード、そのときの行動や心の動き、さらには「なぜ」そうした行動や気持ちになったのかを書き出してみる。

 また、人は意外に自分のことを知らないものであり、第三者からどう見えているのか、友人や両親、先生などから話を聞くことも有用だ。意外な一面に気付くことが多い。

 こうした作業を経て言語化された自分の性格、弱みと強み、大事にしている価値観などを整理するのに便利なのが「ジョハリの窓」と呼ばれる心理学のフレームワークだ(図表1参照)。

「開放の窓(自分にも他人にも見えている自分)」を広げていくことが周囲との信頼関係を築くために有効とされるが、就活の自己分析では特に「盲点の窓(自分には見えていないが他人には見えている自分)」に目を向けることで自己理解が深まる。

 次に「企業研究」では興味がある業種別に気になる企業をピックアップし、事業内容や企業理念、ビジネスモデルと業績、募集職種や条件などをネットで調べてみる。

 自分の興味や関心を入り口にすることは就活へのモチベーションにおいて大切だ。ただ、学生が知っている企業の多くはこれまで消費者として接してきたBtoC企業がほとんど。世の中にはBtoBの業種・企業もあり、密接につながっている。その点を踏まえて企業研究を行う方法例を図表2にまとめたので参考にしてほしい。

ESのポイントとなる

三大テーマとは

「自己分析」と「企業研究」を踏まえてESを作成する際のポイントについても整理しておこう。

 ESのフォーマットは企業ごとに異なるが、三大テーマといわれるのが「自己PR」「ガクチカ」「志望動機」だ。

「自己PR」では、企業が求める人材像に自分がどのようにマッチするかをアピールする。企業が求める人材像は、企業の理念やミッション、パーパスなどが重要なヒントになる。ホームページで確認し、求められている人材像を考え、その人材像との関連を意識しながら自分にはどんな強みがあり、入社後はその強みを生かしてどのように貢献できるかを述べる。

「ガクチカ」では、学生時代の経験を通して自分がどんな人間かを伝える。具体的には学業、アルバイト、部活、留学などテーマは何でもよい。その中から一つを選び、なぜその活動に取り組んだのか、どのような課題に直面したのか、課題をどのように乗り越えたのかを語る。

 重要なのはそこで得られた成果と学びだ。成果についてはささいなレベルでよいので数値で示せるとよい。また、あえて失敗にフォーカスし、そこからの学びと変化を語るのも印象的だろう。

 企業が知りたいのはスゴい自慢話ではなく「あなたはどんな人間なのか」ということだ。それを忘れないようにしたい。

「志望動機」では志望する動機、理由を語ることで、入社意欲の高さを伝える。具体的には、その企業に興味を持ったきっかけ、なぜ入社したいと思ったかの理由、そして、入社後にどのような分野でどのように活躍したいのかを述べる。企業研究で調べた企業の魅力や強みと関連付けつつ、熱量を込めた自分の言葉をつづれれば好印象だ。

就活の新トレンド

生成AI活用が常識に

 なお、「自己分析」「企業研究」「ESの作成」で活用が進んでいるのが生成AIである。2026年卒を対象にしたダイヤモンド・ヒューマンリソースの調査では、就活で生成AIの「活用経験がある」と回答した学生は64・3%と、前年から36・1ポイントもの大幅増となった(図表3参照)。

 具体的な利用方法としては、自己分析の言語化、企業情報の調査や比較のまとめ、ESの作成・推敲などが挙げられる。さらに、面接の練習相手やSPI問題集の解説、企業へのメールの添削などもあり、活用方法の多様化が進んでいる。

 近年、生成AIの活用は多くの企業が経営課題に挙げているため、就活でのAI活用経験は入社後にも生きるだろうが、一定の節度は必要だ。