銀行株は「金利上昇」で二極化へ。メガバンクは買いでも“地銀”は要注意? 2026年相場で注目の6テーマ

「金利上昇関連銘柄」は二極化が進む?, 【希土類(レアアース)】, 「政策×技術」で大相場に発展する可能性, 【ペロブスカイト型太陽電池】, 【フュージョンエネルギー(核融合発電)】, 宇宙開発ブームが加速?, 株価上昇が長く続くためにはやはり「業績への貢献」が肝心

銀行株は「金利上昇」で二極化へ。メガバンクは買いでも“地銀”は要注意? 2026年相場で注目の6テーマ

前回、年末年始に前後編に分けて、株式市場の「2026年の注目テーマ」をお伝えしました。2026年に株式相場で人気化する可能性がある20テーマの中から特に注目度の高い5テーマについて、注目の理由や銘柄の選び方のポイントなどを解説。今回は、“番外編”として、注目5テーマ“以外”について今後の動向やポイントなど、所感を述べていきたいと思います。

前編:「国策に売りなし」2026年の主役株20テーマから5つを厳選! 有望相場の本命を探る

後編:株価数倍の「スター銘柄」候補は? 防衛・サイバー・半導体特需に潜む「2026年の主役」を探す

「金利上昇関連銘柄」は二極化が進む?

まずは、前回取り上げた20テーマを以下に箇条書きにしておきます。

①半導体

②インフレ・金利上昇

③軍事・防衛

④造船

⑤地方経済の活性化(主に九州・北海道・広島)

⑥資源(レアアース)

⑦電力・エネルギー

⑧水素・アンモニア

⑨AIインフラ

⑩フィジカルAI

⑪サイバーセキュリティ

⑫ペロブスカイト型太陽電池

⑬フュージョンエネルギー(核融合発電)

⑭農業改革(農業テック)

⑮量子コンピューター

⑯ヘルスケア・バイオ

⑰宇宙・航空

⑱自動運転

⑲防災・国土強靭化

⑳港湾ロジスティクス

このうち、①半導体、③軍事・防衛、④(防衛関連としての)造船、⑪のサイバーセキュリティ、⑤地方経済の活性化、⑦電力・エネルギーの6テーマについては、年末年始の記事で詳しく取り上げているので、まだ目を通していない方は、ぜひご一読ください。これらのほかに、2026年の株式相場で注目されそうなその他のテーマについて考察していきましょう。

【金利上昇】

日銀は2025年12月18・19日に開かれた金融政策決定会合において、政策金利の誘導目標を現状の0.5%から0.25%引き上げ、0.75%にする「利上げ」を実施しました。これで、日銀は2025年1月と12月に2回の利上げに踏み切ったことになります。今後も、賃金水準や経済動向をチェックしつつ、利上げを継続する方針を示しているため、2026年も引き続き、「金利上昇」が株式市場の注目テーマになりそうです。

もっとも、金利上昇の恩恵を受ける業種は銀行や生損保などの金融機関がメイン。その他の業種については、資金調達コストが増えるため、収益にはマイナスに働くでしょう。そのため、有利子負債が多い企業には注意が必要です。中には、利払い負担に耐え切れず、倒産に追い込まれる企業も出てくることが予想されます。

銀行セクターは、貸出金利の上昇によって収益環境の改善が期待される一方、保有する国債価格の下落で特損が発生し、業績の下方修正が相次ぐ可能性があることに要注意です。メガバンクをはじめ、大手銀行は利ザヤの改善が好感され、株価上昇が継続する可能性が高い一方、債券運用への依存度が高い地銀の一部は、債券価格の下落による収益悪化が懸念されます。そういう意味で、銀行は株価の二極化が進むかもしれません。

特に、目先の2026年3月期決算は、足元の金利急上昇によって債券の特損が相次ぐ可能性があるため、一部地銀や生損保など債券運用の依存度が高い金融関連株については、警戒度を引き上げておく必要がありそうです(その後は高金利債券への借り換えが進むと思われるため、2026年3月期決算以後は過度な警戒は不要でしょう)。

【希土類(レアアース)】

レアアースは、自動車や家電、医療機器、宇宙・防衛など多くの産業で使われる重要鉱物です。ただ、中国が産出ベースで7割近く、精錬ベースで9割超のシェアを握っており、「中国依存からの脱却」に向け、世界中で争奪戦が勃発しています。株式市場でも一大テーマとして注目されています。

2025年10月、日米政府は「重要鉱物とレアアースの供給確保に向けた枠組み」を結び、両国で中国依存脱却に向けて、レアアース開発を加速する計画です。そのような状況の中、「中国のレアアース輸出規制」が加わったことで、より早急に対応すべき課題として注目度が急上昇しました。2026年1月半ば、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が、日本の最東端(東京の南東1950km)に位置する「南鳥島」付近で、海底の泥に含まれるレアアース採掘に向かうとの報道も加わったことで、レアアース関連株への投資が加速しました。

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関連株への投資は、三井海洋開発(6269)や古河機械金属(5715)、東洋エンジニアリング(6330)といった採掘技術を開発する銘柄のほか、第一稀元素化学工業(4082)のような“レアアースの使用量を削減、あるいは使用しない”技術を持つ銘柄にも波及。第一稀元素の株価は、2026年初の1100円台から、1月20日には一時4400円を付けるなど過熱しました。もっとも、その後、第一稀元素の株価は2300円台まで急落。その他関連株も調整局面に突入しています。

レアアースに限らず、「資源・エネルギー」関連は、もともと材料が噴出した時に急騰し、その後はダラダラ下げ続ける傾向が強い相場テーマです。開発に大規模なコストと長い期間が必要なうえ、商用化に成功して業績に貢献する確率は、さほど高いとはいえない現状もあります。そのため、同関連株への投資は「安値近辺での揉み合い時に仕込み、材料噴出時の急騰局面で売る」戦略が有効。もしくは、安値で仕込んだ後、何も考えずに5年、10年と保有し続けるような長期目線もアリでしょう(ただし、この場合は同テーマの本命銘柄を見極める目が必要です)。

「政策×技術」で大相場に発展する可能性

【ペロブスカイト型太陽電池】

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年末年始にアップした記事では、「地熱発電やペロブスカイト型太陽電池は、今後も研究開発と普及に向けた動きが出てくる」と述べました。地熱発電とペロブスカイト型太陽電池は、いずれも、国産エネルギーとしての事業化が可能だからです。政府は、化石燃料の利用が多い中小事業者に対して、「屋根に太陽光発電パネルが設置できるか、どのくらい設置の余地があるのか」について報告するよう義務付けました。いわば、現在はペロブスカイト型太陽電池の普及に向けた調査・準備段階ということです。

普及のロードマップとして、「2040年をメドに約20ギガワット(一般家庭550万世帯分に相当)を導入」という目標を策定。高市首相が「国産エネルギー」へのこだわりを見せていることから、従来普及してきた「中国製のシリコン太陽電池」については、補助金が削減される方向に進む可能性が高いと思われます。その点、原材料のヨウ素が国内でまかなえるペロブスカイト型太陽電池については、今後も継続して国家予算が投入され、新技術の開発や、市場への新規参入企業が相次ぐことが予想されます

株式市場では高市内閣への期待、つまり「サナエノミクス関連」として投資資金が向かっている側面が強く、2月8日の解散総選挙で自民党が単独過半数を取るなど大勝すれば、他のサナエノミクス関連株と同様、人気が継続する公算が大きいでしょう。

もっとも、現在は前述のレアアース関連株と同様、企業収益への貢献はまだ先の話であり、収益貢献への具体的な道筋が見えてくるまでは、「材料噴出時に急騰→その後下落」を繰り返す展開が予想されます。ただ、レアアース関連株よりは収益化の現実度は高く、今後数年で関連株が大相場に発展する可能性を秘めるテーマといえそうです。

【フュージョンエネルギー(核融合発電)】

高市首相が高い関心を持ち、自らのYouTubeチャンネルでも取り上げているフュージョンエネルギー。政府は、「次世代のクリーンエネルギー」として開発を進め、2030年代に実証化を目指す方針を掲げています。

“2030年代”と時期が幅広く、2030年早々にスタートするのか、後半になるのかでかなり話が変わってきますが、実際に核融合発電を手掛けるスタートアップ企業の担当者によると、「すでに核融合発電に必要なプラントや真空管などの部品については発注済み。もし、第一号炉が完成すれば、核分裂エネルギーを活用する原子力発電と違って事故発生時などの安全性が高いため、先進国はもちろん、経済新興国でも活用が広がる可能性が高い」。つまり、一号炉が完成し、その有用性が実証された時点で、市場は日本国内にとどまらず、世界を相手にしたビジネス展開が期待できるということです。

また、同担当者は「核融合炉のメンテナンスに関してはまだ世界で確立されていないが、今後はものづくりが得意な日本企業が同分野で世界をリードする可能性がある」とも指摘。2030年前後には、関連株の本命企業が見えてくると思われるため、いまは関連株の下調べを進め、本命企業が表れるのを待つ時期と考えるべきでしょう。

宇宙開発ブームが加速?

【航空・宇宙】

米NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年の2~4月に1961年から約10年間をかけて実施した有人月面着陸「アポロ計画」以来、およそ50年ぶりに有人探査ミッション「アルテミスⅡ」を実施する予定です。これを背景に、世界で宇宙開発ブームが加速する可能性があるでしょう。

日本でも宇宙ビジネスを展開する企業が増えてきており、2026年は宇宙ビジネス関連株が動意付きやすい年になるといえそうです。ただ、衛星通信ビジネス以外の宇宙ビジネスは、まだ業績拡大が伴っていない「夢」の段階にある銘柄がほとんど。仮に、株価が動意付いたとしても、相場は短命に終わる可能性が高いでしょう。そう考えると、やはり株価下落時に仕込み、急上昇した時に売る「吹き値売り」で臨むのがベターと思われます。

【自動運転】

「金利上昇関連銘柄」は二極化が進む?, 【希土類(レアアース)】, 「政策×技術」で大相場に発展する可能性, 【ペロブスカイト型太陽電池】, 【フュージョンエネルギー(核融合発電)】, 宇宙開発ブームが加速?, 株価上昇が長く続くためにはやはり「業績への貢献」が肝心

ホンダは2026年初頭、日本で配車から決済までスマホ1台で完結する「自動運転タクシーサービス」を提供するため、米GMと連携して合弁会社を設立する計画を発表しました。これにともなって、日本で自動運転関連銘柄の見直し機運が高まるかもしれません。国土交通省は「2030年に自動運転車1万台の普及」との目標を掲げ、2027年度には100カ所以上で自動運転移動サービスを導入する方針です。

ただ、当面は「自動運転が可能な区間」を設ける“地域限定型”の普及にとどまる見通し。今後も、レベル5(すべてが自動運転システムによる運転)の世界に向けて技術開発や実証実験が進められることになりますが、自動運転車そのものや関連サービスが普及するには、まだかなり時間がかかりそうです。そういう意味で、いま関連株を慌てて買い出動する必要はないでしょう。

株価上昇が長く続くためにはやはり「業績への貢献」が肝心

ほかにも、「フィジカルAI」や「量子コンピューター」、「サイバーセキュリティ」、「ヘルスケア・バイオ」なども、それぞれ2026年注目の相場テーマとして挙げられるでしょう。いずれも、高市政権が掲げる「重点投資対象17分野」に含まれます。

2025年末頃から注目テーマに急浮上した「フィジカルAI」に関しては、まだ「ソフト面では後れを取っているが、フィジカルAI分野こそものづくりを得意とする日本企業の出番だろう」という“完全期待先行型”のテーマといえるでしょう。同テーマの人気化を目にした時、筆者は2014年の新規上場直後から「夢の技術」として注目され、株価が暴騰したサイバーダイン(証券コード:7779)のケースが頭に浮かびました。

同社は、歩行機能改善を目的に作られた世界初の装着型ロボスーツ「HAL」を開発。公開価格3700円に対して初値は2.3倍の8510円を付け、一時1万4620円を付けるなど話題を集めました。しかし、その後は赤字続きで株価は暴落。株式分割や減資などを経て、2025年には147円まで下落しています。

「フィジカルAIもそうなるかも」と言っているわけではなく、やはり「そのテーマがどれだけ個別企業の業績を押し上げるか」がポイントということ。各テーマの関連株の相場上昇が長く続くためには、やはり業績拡大がカギになります。これらのテーマについては、今後さらに材料が浮上した時点で、同コラムで掘り下げていきたいと思います。

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