日本製鉄CFO、アジア鋼材市況底打ちも-中国勢の大量輸出は限界に
(ブルームバーグ): アジアの鋼材市況低迷を引き起こしている中国の鉄鋼メーカーによる輸出拡大は限界に来ているのではないか-。そんな期待を寄せるのは日本製鉄の岩井尚彦最高財務責任者(CFO)だ。

Nippon Steel Headquarters As Trump Offers Support For US Steel Deal
岩井氏は18日に都内で行ったインタビューで、中国からの鋼材輸出拡大を受けた市況悪化により中国勢も損益が厳しくなっていることに加え、各国が通商措置を発動しているため「出口がだんだんなくなっている」との見方を示した。中国からの鋼材輸出に今後「ブレーキがかかるということであれば、アジアの鋼材市況が底を打つ可能性がある」と続けた。
不動産市況悪化の影響で国内需要が低迷する中国勢は大量の鋼材輸出を続けている。中国税関当局によると、2025年の鋼材輸出は前年比7.5%増の1億1902万トンと過去最高となった。それによる市況悪化が日本製鉄の業績にも影を落としており、動向に神経をとがらせている。

中国の25年の鉄鋼輸出は過去最高
日本製鉄を巡っては米鉄鋼大手のUSスチール買収資金として調達した約2兆円のブリッジローン(つなぎ融資)が6月に期限を迎えることから、今後の資金調達についても注目を集めている。日本製鉄が最大5000億円の転換社債の発行を検討しているとのロイターの報道について、岩井氏は「何もまだ決まっていることはない」と改めて述べた。
岩井氏は、円建てハイブリッドローンなどで調達した資金で返済を進めたことでブリッジローンの残額は約1兆3000億円まで減ったと話す。ブリッジローン期限に向け、金利を含めた市場環境や資本・負債の構成などを踏まえつつ、最適な形での資金調達を検討しているという。増資を行う場合は1株当たり純利益(EPS)を希薄化させない範囲で行うとの方針は変わっていないとも述べた。
USスチール買収に伴い日本製鉄の有利子負債は増加しており、財務の健全性の改善は急務だ。日本製鉄によると、有利子負債は25年12月時点で5兆2618億円と同年3月から倍増している。

USスチール買収に伴い有利子負債が大幅に増加
中長期的な成長投資も控える中、資金捻出や財務の健全性確保の観点から政策保有株を含めた資産圧縮は「優先度が高い」と岩井氏は語る。これまでの段階的な売却により政策保有株は25年3月までに約4400億円に減少しており、市場での流通性を踏まえると、実質的に残る対象は約3000億円相当となっているという。岩井氏はこの部分についても継続的に売却が可能かどうか検討を進めていくと述べた。
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