「AndroidよりiPhoneがいい!」「高いからダメ」親子の対立を招く子どものスマホデビュー、どちらを選ぶべき?

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そろそろ子どもにスマホを持たせようかと考えている親にとって、大きな悩みとなるのが「iPhoneにするか、Androidにするか」という選択です。世界的にも珍しいくらいiPhoneのシェアが高い日本において、多くの子どもはiPhoneを欲しがりがち。しかし親は「高額なiPhoneを学生に持たせるのはどうなのか。Androidのほうがいいのでは?」と思うことが多く、親子で対立してしまうのです。スマホ安全アドバイザーで『親が知らない子どものスマホ』などの著書がある筆者が、子どもに持たせるスマホ選びのポイントを解説します。(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子)
iPhoneとAndroid、子どもに買い与えるならどっち?
まもなく進学・進級の季節がやってきます。この時期、子どものスマホデビューを考える家庭は少なくありません。その際に最大の悩みとなるのが「iPhoneかAndroidか」という選択です。
なぜ悩ましいのでしょうか。それは、iPhoneを欲しがる子どもと、Androidを持たせたい保護者の間で、意見が真っ向から対立してしまうからです。
多くの子どもたちが「iPhoneじゃないと人権がない」「みんなiPhoneを使っている」と主張します。一方、保護者は「iPhoneじゃないといじめにあうのでは」と心配しつつも、「iPhoneは高すぎる」「親がAndroidだからAndroidにしたい」など、金銭面や管理面で迷いを抱えます。
3月3日現在Apple Storeで販売されている機種を見ると、最新モデルのiPhone 17は12万9800円(以下すべて税込)から、iPhone 17 Proシリーズは17万9800円から販売されています。機能を絞ったiPhone 17eでも9万9800円からです。
一方Androidは、機種やメーカーによって価格差が大きいのが特徴です。NTTドコモの場合、最も安い機種は2万円台から、最も高額な折りたたみ型スマホは30万円台から販売されています。

iPhone 16(左)は約11万5000円~、Google Pixel 8a(右、Android)は5万9000~7万円台といったところ。どちらもミドルレンジのスマホだが価格差は大きい(筆者撮影、価格は目安で3月頭に調査)
iPhoneは基本的にミドルレンジ以上のスペックに統一されているため、価格帯も高めに設定されています。Androidはエントリーモデルからハイエンドまで幅広く展開されており、その分価格差も大きくなっています。
こうして比較すると「iPhoneは高い」と感じるのも無理はありません。「子どもには安いエントリーモデルで十分」という考え方もあるでしょう。では、なぜ子どもたちはそれでもiPhoneを欲しがるのでしょうか。
子どもたちがiPhoneを欲しがる理由
ここからは、子どもたちがiPhoneを欲しがる理由を、実際の声をもとに掘り下げていきます。
もっとも大きい理由は、若年層のiPhone率の高さです。MMD研究所が発表した「2025年9月スマートフォンOSシェア調査」では、10代男性(18歳以上)のiPhone率は55.6%、10代女性(18歳以上)のiPhone率は73.7%となっています。20代の方がiPhone率が高く、20代男性が69.6%、20代女性は81.0%と他の年代と比較すると、圧倒的にiPhoneが多い状況です。

「2025年9月スマートフォンOSシェア調査」(出典:MMD研究所)
そして肝心の17才以下に関しては、サンプルに適した最近の調査を見つけられなかったため、東京都生活文化スポーツ局が令和5年3月に公表した「スマートフォン等の利用等に関する調査 報告書」を紹介します。調査対象が都内在住に限定されているため、全国とは異なる結果かもしれませんが、参考としてご覧いただければと思います。
本調査によると、小学生から高校生の全体では、「iOS(iPhone)」が61.8%ともっとも高く、「Android」が37.9%となっています。学年が上がるほどiOSの割合が高くなり、高校生では72.3%がiOSを利用しています。小学生はAndroidが過半数を超えている学年もありますが、中高生になるとiPhone率が上昇するため、「友達もiPhoneに変えてもらった!みんなiPhoneだ!」と羨ましく思う子ども達がいるのでしょう。

「お子さんの所有しているスマートフォンの種類」(出典:東京都生活文化スポーツ局)
AirDropという“見えない壁”
中学生になると、子どもだけで遊びに出かけることも増えます。休日にはスマホやプリントシール機で写真を撮る機会も増え、友達と写真をシェアすることが多くなります。最近は流行りのダンスを踊るなど、動画を撮影することも珍しくないため、いちいちLINEで送っていてはお互いに「ギガが足りない」(データ通信量不足)という状況になります。そこで、BluetoothとWi-Fiを直接つないで送る「AirDrop」が重要になります。
AirDropは一度で複数の人に送信できます。「エアドロ(AirDrop)するよー」と声をかけ、みんながiPhoneを近づければ、高画質のまま写真や動画を一斉にシェアできます。データ通信量も消費することはありません。
高校生ともなると、遊び以外でもAirDropすることが増えてきます。部活や学校のイベントなど、「今撮った動画をエアドロするね」ということが日常的に発生するようになります。
この場合、Androidを使用している人は別の手段で送ってもらうことになります。多くはLINEで、1対1、もしくはグループのトーク経由で送信されたものをダウンロードします。LINEのアルバムは無料アカウントだと動画が保存できないため、トークに動画がずらりと並ぶことも珍しくありません。
周囲のiPhone率にもよるのですが、「私のために手間かけてごめんね」と思ってしまう人もいるでしょう。特に女子のiPhone率は高いため、気に病んでしまう人も多そうです。
ケース・アプリ・カメラ……女子に強いiPhone
また、iPhoneはスマホケースの種類が豊富であることも人気の理由です。今は透明なスマホケースが流行っていますが、ラメ入りや雲のようなデザインなど、個性があるケースがたくさん販売されています。女子中高生が普段利用している雑貨ショップやファッションブランドではiPhoneケースのみの販売が多く、形状の種類が豊富なAndroidはケース選びに苦労します。
iOSのみ対応しているアプリもあるため、「このアプリ便利だよ」といった会話に加われないこともあります。日々Instagramのストーリーズで交流していると、フォントや画像加工などの細かな仕様の違いを気にすることもあります。女子には「iPhoneのカメラは盛れる」という定説もあり、その場にいる最も新しいiPhoneの人が撮影するセオリーもあります。自撮りアプリ「BeautyPlus」には「Appleモード」が用意されており、iPhoneのように自然に盛れると好評を得ています。
男子の場合は女子ほどiPhone率は高くないのですが、「Androidはゲームがカクカクする」という印象を持っている人もいます。エントリーモデルのスマホで高精細の動画ゲームを動かすと、やはり動作がもたつくこともあるのでしょう。オンラインゲームをボイスチャットしながらプレイするとなると負荷も大きく、ハイスペックなスマホが欲しくなるのだと思います。
保護者は何を基準に選ぶべきか
ここまで子どもたちがiPhoneを欲しがる理由について解説してきましたが、保護者はiPhoneを買うべきなのか、それともAndroidを買うべきなのでしょうか。
まず、冒頭で触れた「iPhoneじゃないといじめにあう」という不安ですが、実際にOSの違いで深刻ないじめにあうことはほとんどないと考えていいでしょう。学生時代に「オンボロイドだとからかわれた」という20代男性もいますが、彼はそれでもAndroidを気に入っていたので使い続けたそうです。また、当時よりもAndroidのイメージはかなり向上しており、若年層の利用率も上がってきていると思います。
AirDropに関しては、確かに周囲に手間を掛けますが、それほど大きな問題ではありません。ただ、親しい仲間が自分以外iPhoneである場合もあるでしょうし、子どもが疎外感を感じるようであればiPhoneを検討しても良いと思います。
iPhoneの価格が問題であるなら、中古iPhoneという手もあります。最新iOS(現在はiOS 26)をサポートするiPhoneであれば、型落ちでも充分です。子どもたちも最新iPhoneに憧れはあるものの、iPhoneであれば受け入れるようです。
中古スマホショップを見てみると、iOS 26に対応しているiPhone 11は2万円台から、iPhone 13は5万円台からあります。中古でもiPhoneは高いと感じる人もいるかもしれませんが、逆にいえばリセールバリューが高いとも言えます。高校生までは中古で購入してあげて、成長したらそれを売って自分で購入する資金にしてもらうこともできます。
見守り機能は“親子でOSを揃える”がカギ
子どもにスマホを持たせる場合、「ペアレンタルコントロール」や「フィルタリング」について考慮しなければなりません。ペアレンタルコントロールとは保護者のスマホから子どものスマホを見守る機能で、フィルタリングはその中で不適切な情報に接触することを防ぐ機能です。ペアレンタルコントロールを設定すると、長時間利用や高額な課金などを防ぐことができます。Apple、Googleとも無料で提供しています。
親子で同じOSに揃えた場合、もっとも強固な見守りになります。親がiPhoneで子どもはAndroidにする場合、通知の遅れなどが起こるようですが見守りはできます。親がAndroidで子どもがiPhoneの場合は、ペアレンタルコントロールができないため、別途管理用のAppleデバイスを用意することも検討すると安心です。

親子のOSの組み合わせと見守りツール
子どもにスマホを持たせる際には、ご家庭それぞれの「スマホルール」を作成しておきましょう。親子でしっかり話し合って、納得できるルールを作成し、いつでも確認できるように紙などに記して壁に貼っておくことがおすすめです。
iPhoneとAndroid、どちらが優れているということはありません。OSごとの特性や管理機能の違いはありますが、最終的にはご家庭の方針や、周囲とのコミュニケーションに合うかどうかが正解を決めます。お子さんとじっくり話し合い、納得のいく選択ができることを祈っています。

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