【70歳代シニアの平均貯蓄額】「ふつう」はいくら? 年金暮らしのリアルな《年金月額・家計収支》をやさしく解説
【平均寿命】男性81.09年・女性87.13年

【70歳代シニアの平均貯蓄額】「ふつう」はいくら?年金暮らしのリアルな《年金月額・家計収支》をやさしく解説
セカンドライフにおけるお金の悩みや不安は、多くの方が抱える共通の課題です。
安心して豊かな老後を過ごすためには、現実的な資金計画が欠かせません。
この記事では、「70歳代」の方々が実際にどのくらいの貯蓄を持ち、どのような年金生活を送っているのかを、公的な最新データに基づいて詳しく見ていきます。
ご自身の状況を客観的に見つめ直し、将来の暮らしを考えるための一助として「平均的な貯蓄額」や「年金の受給額」そして毎月の家計のリアルな収支状況を参考にしてみてください。
きっと、これからの資産形成や生活設計に役立つヒントが見つかるはずです。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
70歳代・二人以上世帯の貯蓄はいくら?平均と中央値で見るリアルな実情
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」を基に、「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」の実態をグラフで確認します。
※ここでいう金融資産保有額には、預貯金の他に株式、投資信託、生命保険などが含まれます。ただし、日常的に出し入れする普通預金の残高は対象外です。

70歳代の貯蓄額(二人以上世帯)
調査によると、「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は2416万円でした。
しかし、この平均値は一部の富裕層によって引き上げられている傾向があるため、より実態に近いとされる中央値は1178万円です。
世帯ごとの詳しい貯蓄額の分布は、以下のようになっています。
・金融資産を保有していない:10.9%
・100万円未満:4.5%
・100万円以上200万円未満:5.1%
・200万円以上300万円未満:3.7%
・300万円以上400万円未満:3.9%
・400万円以上500万円未満:2.9%
・500万円以上700万円未満:6.4%
・700万円以上1000万円未満:6.7%
・1000万円以上1500万円未満:11.1%
・1500万円以上2000万円未満:6.7%
・2000万円以上3000万円未満:12.3%
・3000万円以上:25.2%
・無回答:0.6%
「貯蓄が全くない」世帯が全体の10.9%を占める一方で、3000万円以上の資産を持つ世帯が25.2%に上ります。
このデータから、70歳代の二人以上世帯では、資産状況に大きな格差が生じていることが見て取れます。
また、100万円未満が4.5%、100万円以上200万円未満が5.1%など、貯蓄が比較的少ない層も一定数存在します。
その反対に、1000万円以上1500万円未満が11.1%、2000万円以上3000万円未満が12.3%と、ある程度の資産を築いている世帯も少なくありません。
老後の貯蓄額は、現役時代の収入や働き方、退職金の有無、健康状態など、さまざまな要因に影響されます。
年金についても同様で、加入状況や期間によって将来受け取れる金額は人それぞれです。
もし貯蓄が十分でない場合、年金収入だけで生活を維持するのは困難になるかもしれません。
安心して老後を過ごすためには、各世帯の状況に応じたライフプランの設計が不可欠です。
健康なうちは働き続ける、あるいは不動産や投資からの収入を得るなど、早めに対策を講じることが将来の安心につながるでしょう。
厚生年金の平均受給額は月々いくら?男女差もあわせて解説
次に、厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の平均的な支給月額を見ていきましょう。

厚生年金「平均年金月額&月額階級別受給権者」
厚生年金の被保険者は第1号から第4号まで区分されていますが、ここでは主に民間企業に勤務していた方が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の月額を紹介します(以下、記事内では「厚生年金」と表記します)。
※この記事で紹介する厚生年金保険(第1号)の支給月額には、国民年金(老齢基礎年金)の金額も含まれています。
厚生年金の平均受給額(月額)
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
男女別に見ると、男性の平均が16万9967円であるのに対し、女性は11万1413円と、受給額に差があることがわかります。
では、実際にどのくらいの金額を受け取っている人が多いのでしょうか。月額階級別の受給権者数は次の通りです。
受給額の分布状況:月額階級別の受給権者数
・1万円未満:4万3399人
・1万円以上2万円未満:1万4137人
・2万円以上3万円未満:3万5397人
・3万円以上4万円未満:6万8210人
・4万円以上5万円未満:7万6692人
・5万円以上6万円未満:10万8447人
・6万円以上7万円未満:31万5106人
・7万円以上8万円未満:57万8950人
・8万円以上9万円未満:80万2179人
・9万円以上10万円未満:101万1457人
・10万円以上11万円未満:111万2828人
・11万円以上12万円未満:107万1485人
・12万円以上13万円未満:97万9155人
・13万円以上14万円未満:92万3506人
・14万円以上15万円未満:92万9264人
・15万円以上16万円未満:96万5035人
・16万円以上17万円未満:100万1322人
・17万円以上18万円未満:103万1951人
・18万円以上19万円未満:102万6888人
・19万円以上20万円未満:96万2615人
・20万円以上21万円未満:85万3591人
・21万円以上22万円未満:70万4633人
・22万円以上23万円未満:52万3958人
・23万円以上24万円未満:35万4人
・24万円以上25万円未満:23万211人
・25万円以上26万円未満:15万796人
・26万円以上27万円未満:9万4667人
・27万円以上28万円未満:5万5083人
・28万円以上29万円未満:3万289人
・29万円以上30万円未満:1万5158人
・30万円以上:1万9283人
月額階級別のデータを見ると、最も人数が多いのは「10万円以上11万円未満」の層で、約111万人がこの範囲に該当します。
その次に「11万円以上12万円未満」が約107万人、「17万円以上18万円未満」が約103万人と続いています。
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額と実態
次に、厚生年金の加入期間がない自営業者などが受け取る、国民年金(老齢基礎年金)の支給月額について見ていきましょう。

国民年金「平均年金月額&月額階級別受給権者」
国民年金の平均受給額(月額)
・〈全体〉平均年金月額:5万9310円
・〈男性〉平均年金月額:6万1595円
・〈女性〉平均年金月額:5万7582円
受給額の分布状況:月額階級別の受給権者数
・1万円未満:5万1828人
・1万円以上2万円未満:21万3583人
・2万円以上3万円未満:68万4559人
・3万円以上4万円未満:206万1539人
・4万円以上5万円未満:388万83人
・5万円以上6万円未満:641万228人
・6万円以上7万円未満:1715万5059人
・7万円以上:299万7738人
仮に、「厚生年金の男性平均月額を受け取る夫」と「国民年金の女性平均月額を受け取る妻」という夫婦世帯を想定した場合、二人分の年金受給額は合計で月額22万7549円となります。
65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支モデル
老後の暮らしをより具体的にイメージするために、現在のシニア世代がどのような家計収支で生活しているのかを見てみましょう。
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、「65歳以上・無職夫婦世帯」の平均的な家計収支は以下のようになっています。

65歳以上の生活費
収入の内訳(平均25万2818円)
■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
支出の内訳(平均28万6877円)
■うち消費支出:25万6521円
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
■うち非消費支出:3万356円
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
・ひと月の不足額:3万4058円
データ上では、毎月約3万4000円が不足するというのが、現在のシニア世代における平均的な暮らしの実態と言えそうです。
この不足分は、収入を増やすか、これまでの貯蓄を取り崩して補う必要があります。
さらに、物価の上昇や社会保険料の負担増、増税などによって、この赤字額が将来的に拡大する可能性も考慮しておくべきでしょう。
こうしたリスクも念頭に置きながら、老後の生活を安定して維持できるよう、早めに準備を進めることが重要です。
平均寿命と平均余命から老後のライフプランを考える
平均余命とは、ある年齢の人々が、その後「平均してあと何年生きられるか」という期待値を示したものです。
そして、私たちが日常的に使う「平均寿命」という言葉は、厳密には「0歳時点での平均余命」を指しています。
2025年7月25日に厚生労働省が公表した「令和6年簡易生命表の概況」によれば、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。

主な年齢の平均余命
また、平均寿命の長期的な推移を見ると、男女ともに着実に延びていることがわかります。
・昭和30年(1955年):男性63.60年、女性67.75年(男女差4.15年)
・昭和40年(1965年):男性67.74年、女性72.92年(男女差5.18年)
・昭和50年(1975年):男性71.73年、女性76.89年(男女差5.16年)
・昭和60年(1985年):男性74.78年、女性80.48年(男女差5.70年)
・平成7年(1995年):男性76.38年、女性82.85年(男女差6.47年)
・平成17年(2005年):男性78.56年、女性85.52年(男女差6.96年)
・平成27年(2015年):男性80.75年、女性86.99年(男女差6.24年)
・令和6年(2024年):男性81.09年、女性87.13年(男女差6.03年)
長くなった老後をより豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、そして公的年金制度への正しい理解がますます重要になってくるでしょう。
まとめ
ここまで、「70歳代」の方々が実際にどのくらいの貯蓄を持ち、どのような年金生活を送っているのかを公的な最新データに基づき解説しました。
「70歳代二人以上世帯」における貯蓄の平均値だけを見ると、大きな金額に思えるかもしれません。
しかし、中央値や貯蓄額の分布に目を向けると、各家庭の状況が大きく異なるという現実が見えてきます。
もっとも大切なのは、ご自身の家計やライフプランに合わせた備えを具体的に考えることです。
この記事で紹介したデータが、ご自身の資産状況を改めて確認したり、今後の生活設計についてご家族と話し合ったりする良いきっかけになれば幸いです。
豊かなセカンドライフを実現するために、今からできることから少しずつ準備を進めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命
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