「NISA貧乏」はどこにいる?「黒字18万円」の家計。「安定運用?積極運用?」徹底比較!老後2000万円へ「2つの投資シミュレーション」
若年層を襲うのは「投資」ではなく「物価高」

「NISA貧乏」はどこにいる?「黒字18万円」の家計。「安定運用?積極運用?」徹底比較!老後2000万円へ「2つの投資シミュレーション」
新NISAの開始以来、メディアでは連日のように資産運用の盛り上がりが報じられています。2025年末にはNISA口座数が2800万件を超え、累計買付額も71兆円を突破するなど、国が掲げた目標を前倒しで達成する勢いです。

NISAの利用状況
その一方で、投資に回しすぎて生活が苦しくなる「NISA貧乏」という言葉も注目を集めています。しかし、最新の統計を紐解くと、私たちが抱くイメージとは異なる「日本家計のリアル」が見えてきました。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「NISA貧乏」はどこにいる?月々の家計「黒字18万円」の真実
「投資のしすぎで生活が破綻している」という懸念に対し、総務省の2025年「家計調査」の結果は意外な事実を示しています。二人以上の勤労者世帯における、1ヶ月の平均的な家計収支を見てみましょう。

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 -2025年-
・実収入:65万3901円
・可処分所得(手取り):53万2408円
・黒字(余剰資金):18万6111円
若年層を襲うのは「投資」ではなく「物価高」

若年層を襲うのは「投資」ではなく「物価高」
特に「NISA貧乏」のリスクが高いとされる40歳未満の世代では、消費支出が前年比で実質3.6%増加しています。手取りの伸び(1.1%増)を上回る支出増の背景にあるのは、投資への熱中ではなくインフレ(物価高騰)です。
生活水準を維持するだけでコストが上がるなか、将来への投資を捻出すること自体が難しくなっているのが、若年層の切実な実態といえるでしょう。
「安定運用?積極運用?」徹底比較!老後2000万円へ「2つの投資シミュレーション」
それでも、インフレ局面だからこそ「お金に働いてもらう」視点は欠かせません。老後の2000万円を20年間で準備する場合、貯金のみ(利回り0%)では月約8.3万円が必要ですが、NISAを活用すると負担は劇的に変わります。金融庁「つみたてシミュレーター」を使用し、2パターンで積立投資を試算してみましょう。
①想定利回り3%(着実なバランス型)
国内外の株・債券を組み合わせた、比較的リスクを抑えた運用を想定。

《目標金額2000万円・想定利回り3%・積立期間20年》
・毎月の積立額:6万1190円
・20年後の元本:1469万円
・運用収益:531万円
・メリット: 貯金のみより月々の負担を約2.2万円軽減できます。
②想定利回り6%(積極的な株式型)
全世界株式や米国株インデックスなど、成長性を重視した運用を想定。

《目標金額2000万円・想定利回り6%・積立期間20年》
・毎月の積立額:4万4108円
・20年後の元本:1059万円
・運用収益:941万円
・メリット: 月の負担は貯金の半分近くに。収益が資産の約半分を占める計算です。
※注意点:これらの数字は過去のデータに基づく試算であり、元本割れのリスクや将来のインフレによる貨幣価値の変動は考慮していません。
結論:大切なのは「今」と「未来」のトレードオフ
今回は新NISAを取り巻く家計の実態と、将来に向けた積立シミュレーションについて解説しました。
マクロデータで見れば「NISA貧乏」は決して蔓延しているわけではなく、むしろ多くの家庭では依然として預貯金が主体であることが分かりました。若年層においては、投資による圧迫よりも物価高への対応が喫緊の課題となっています。老後資金の準備にはNISAの複利効果が極めて有効ですが、無理な積立は禁物です。
まずは自身の家計を「見える化」し、今の生活を楽しむ予算と将来への投資の「黄金比」を算出してみましょう。専門機関であるJ-FLECなどの情報も参考にしながら、自分にぴったりの持続可能なマネープランを立てることが、豊かな人生への第一歩となります。
参考資料
・金融庁「NISAの利用状況(速報値)」
・金融庁「つみたてシミュレーター」
・総務省「家計調査報告〔家計収支編〕 2025年(令和7年)平均結果の概要」
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「J-FLECについて」
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