【厚生年金+国民年金】「平均年収約610万円」で約40年間働いた男性《年金額の概算》はいくら?
60歳から90歳以上が受け取る年金の平均額は?国民年金・厚生年金受給者の実態

【厚生年金+国民年金】「平均年収約610万円」で約40年間働いた男性《年金額の概算》はいくら?
3月も中旬を迎え、日ごとに春の気配が感じられるようになりました。
新年度を前に、生活に関わるさまざまな情報が更新されています。
先週、総務省と厚生労働省から物価と年金に関する重要な統計が公表されました。
2025年の消費者物価指数は前年比で3.2%の上昇となり、家計への影響が懸念される状況は続いています。
このような経済情勢のなか、2026年度の年金額は引き上げられることが決まり、国民年金の満額は月額7万円台に乗りました。
しかし、年金額の改定が必ずしも生活の質の向上を意味するわけではありません。
年金の実際の受給額は、加入制度(国民年金か厚生年金か)だけでなく、個人の就労履歴や加入期間によって大きく変動します。
この記事では、2026年度の年金額のモデルケースを紹介するとともに、60歳代から90歳代以上のシニア層が実際に受け取っている年金の平均額や分布について、公的なデータを基に詳しく解説していきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【2026年度】国民年金・厚生年金の年金額が発表。モデルケースはいくら?
厚生労働省は、2026年度における年金額の例を公表しました。具体的な金額は以下の通りです。

2026年度(令和8年度)の年金額の例
・国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分※1)
・厚生年金:23万7279円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額1人分)は月額7万408円(前年度比+1300円)となり、生年月日によって受給額が変わります。
※2 平均的な収入(賞与を含む月額換算で平均標準報酬45万5000円)を得る男性が40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準を示したものです。
厚生年金のモデルケースで示された23万7279円という金額は、夫婦2人分の合計額です。
この金額は注釈にあるように、「月額45万5000円の収入で40年間会社員として勤務した夫の厚生年金と国民年金」に加えて、「40年間、専業主婦(第3号被保険者)や自営業者であった妻の国民年金」を合算したケースを想定しています。
現代社会では、共働き世帯や単身世帯、自営業者など、人々のライフスタイルは多様化しています。
そのため、このモデルケースはあくまで一例であり、実際の受給額は個々の加入履歴によって大きく異なることを理解しておく必要があります。
参考までに、2025年度の厚生年金(夫婦2人分)は23万2784円でしたので、4年連続での増額改定となりました。
国民年金の満額も2025年度の6万9308円から増えています。
年金額が増えることは、受給者にとって喜ばしいニュースに聞こえるかもしれません。
しかし、物価の上昇などを考慮すると、実質的には価値が目減りしているという側面も存在します。
平均年収約610万円で約40年勤務した男性の厚生年金はいくら?概算額を検証
厚生労働省は2026年度の年金額例とあわせて、「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」も公表しました。
この資料は、個人の公的年金加入履歴に基づき、65歳時点での年金受給額の平均や分布を将来的に推計したものです。

「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」
データを見ると、厚生年金に長期間加入していた人ほど年金額が高くなる一方で、国民年金のみの加入者は月額6万円程度にとどまる傾向がうかがえます。
さらに、同じ年金制度であっても、性別や就業期間によって受給額に大きな差が生まれていることがわかります。
2026年度は全体的に増額改定となりましたが、個々のライフコースによって受給額に大きな差が生じるという状況は変わらないようです。
厚生年金の加入期間が長い男性の場合
厚生年金に約40年間加入し、平均年収が約610万円だった男性の場合、2026年度に受け取る「年金額は月額17万6793円」と推計されています。
この金額の内訳は、基礎年金部分の約7万円に、現役時代の収入に応じて計算される厚生年金部分が加わったものです。
約40年という長期間にわたり厚生年金に加入してきたこの層は、公的年金受給者の中では比較的安定した水準にあるといえます。
60歳から90歳以上が受け取る年金の平均額は?国民年金・厚生年金受給者の実態
次に、厚生労働省が2025年12月に公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、60歳から90歳以上の全受給権者を対象とした「平均年金月額」と「受給額の分布」を確認していきましょう。
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額

国民年金の平均額(全年齢)
・【全体】平均年金月額:5万9310円
・【男性】平均年金月額:6万1595円
・【女性】平均年金月額:5万7582円
厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額

厚生年金の平均額(全年齢)
・【全体】平均年金月額:15万289円
・【男性】平均年金月額:16万9967円
・【女性】平均年金月額:11万1413円
※この金額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は、男女ともに月額5万円台です。
それに対して、厚生年金(老齢厚生年金)は全体の平均が月額15万円台であるものの、男女間では約6万円もの差額が生じていることがわかります。
この男女差が生まれる背景には、厚生年金の受給額が現役時代の収入や加入期間によって決まるという制度の仕組みがあります。
厚生年金は収入に比例して保険料を納付するため、個人の働き方や就業期間の差が、将来受け取る年金額に直接的に影響を与えやすいのです。
特に、現在のシニア世代の女性には、出産や育児、介護といった家庭の事情を理由に、非正規雇用に転換したり、一度離職したりした経験を持つ方が少なくありません。
こうしたキャリアの中断が厚生年金の加入期間や賃金水準の差につながり、結果として年金の平均受給額における男女差として現れていると考えられます。
年金額改定と自身の受給額の確認が重要
本記事では、2026年度の年金額改定の詳細と、国民年金および厚生年金の平均受給額について解説しました。
年金額は近年、増額改定が続いていますが、物価の上昇を考慮に入れると、実質的な価値が目減りしていると感じる方もいるでしょう。
紹介した平均額やモデルケースは、あくまで参考値です。
実際に支給される年金額は、個々の加入履歴によって大きく変わります。
将来の生活設計をより具体的に進めるためにも、「ねんきんネット」などを利用してご自身の年金見込み額を確認し、ライフプランを立てる際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)平均」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
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