日本株下落に構える投資家、空売り比率など弱気示す3つのチャート

(ブルームバーグ): 中東情勢を巡るニュースが日々市場を揺さぶる中、日本株市場では一段の下落に備える動きが広がっている。

  米国・イスラエルがイラン攻撃を開始した2月末以降、東証株価指数(TOPIX)は7%超下落。25日は米国が停戦に向けた取り組みを強めているとの報道を受けて、日本株は続伸したが、イラン側の情報発信次第で再び下落する可能性もあり、予断を許さない。

  イラン戦争を背景としたリスク回避の動きは金や銀などの資産にも広がり、原油価格の高騰によるインフレ懸念で債券も下落している。かつて安全資産と見なされていた円も売られる中、投資家は株式の弱気ポジション構築に動いている。

  以下は、こうした動きを裏付ける3つのチャートだ。

空売り比率

空売り比率が上昇基調に

  相場下落を見込み、空売りに動く投資家が増えつつある。東京証券取引所の集計で25日の空売り注文比率(価格規制あり・なしの合算)は39.5%と、過去1年間のレンジ内にとどまるものの、20日移動平均線ではイラン戦争開始以降、上昇基調が鮮明だ。

  りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、中東情勢を背景に先行きに悲観的な投資家が多いと指摘。空売り勢はポジションを手じまう際に反対売買を行うため、将来の買い圧力になるが、今のところ「ショートカバーが入って日本株が大きく上昇するという流れには傾きづらい」と話した。

プット需要

プット需要の強さを反映 | 日経平均株価1カ月物インプライド・ボラティリティー(5デルタ)

  オプション市場では日本株の下落に備えるプット(売る権利)が人気だ。オプション価格を基に向こう1カ月間の予想変動率を算出する日経平均ボラティリティー指数(日経平均VI)は、弱気のポジション構築が影響し、開戦前の20台から足元では40程度と高水準で推移している。

  行使価格が実勢を大きく下回るプットを購入し、相場急落に備える投資家も多い。日経平均オプションの1カ月物プット(5デルタ)のインプライド・ボラティリティー(IV)は60%台と、イラン戦争前の41%から急騰している。コール(買う権利)とのIV格差で市場のゆがみを示すスキューは、9日のピークからいったん低下したものの、25日も30ポイント超と高止まりし、プット需要の強さを示唆している。

信用売り

地政学リスク意識で信用売り残は増加

  個人の信用取引でも先行きを悲観的に見る動きが出始めている。東証が24日発表した19日申し込み時点の信用売り残(名古屋証券取引所を含む)は1兆219億円と、2週連続で増加した。信用買い残は2006年2月以来の高水準に膨らんでおり、相場の先行きに強気な個人投資家は多いが、買い残を売り残で割った信用倍率は5.68倍と2週前の5.84倍から低下した。

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