老後の年金にプラスでもらえる「年金生活者支援給付金」年金月額いくらの人が対象になる?
年金生活者支援給付金を受けとるには「申請必須」

老後の年金にプラスでもらえる「年金生活者支援給付金」年金月額いくらの人が対象になる?
3月で定年退職を迎え、本格的に年金生活に入る人もいるのではないでしょうか。年金を収入源とする生活は、給与を受け取っていたときに比べて収入額が減るため、どう家計を管理していくかが重要になります。
しかし、なかには年金受給額が少なく、苦しい生活を強いられる人もいるでしょう。そうした人は、年金生活者支援給付金を受け取れる場合があります。
年金生活者支援給付金を受け取れるのは、月額いくらの年金を受給する人なのでしょうか。この記事では、年金生活者支援給付金を受け取れる年金受給額の基準や制度概要を解説します。
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年金生活者支援給付金の概要
年金生活者支援給付金は、所得が一定額に満たない年金世帯の生活を支えるために支給される給付金です。2019年10月の消費税引き上げ分を財源として、制度が始まりました。
年金生活者支援給付金には、年金と同様に老齢・障害・遺族の3種類があり、それぞれ給付額が異なります。現行制度の給付額は、以下のとおりです。

年金生活者支援給付金について
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
・以下の計算式で算出した金額の合計額
・保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
・保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月
※補足的老齢年金生活者支援給付金は5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月×調整支給率
障害年金生活者支援給付金
・障害等級2級: 月額5450円
・障害等級1級: 月額6813円
遺族年金生活者支援給付金
・月額5450円
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5450円を子の数で割った金額をそれぞれに支給する
2026年度からは、基準額である「5450円」が「5620円」に引き上げられます。そのため、6月に支給される4・5月分の給付金からは、上記の金額よりもやや多い金額が支給される見込みです。
では、給付金の支給対象となる年金月額はいくらなのでしょうか。年金受給額以外の要件も含めて、次章で解説します。
年金生活者支援給付金の対象になる年金月額
年金生活者支援給付金の対象になる年金月額と、そのほかの要件を見てみましょう。

年金生活者支援給付金の対象者
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
・世帯全員が市町村民税非課税である。
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は80万6700円以下(※2)である。
障害年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・障害基礎年金の受給者である。
・前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。
遺族年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・遺族基礎年金の受給者である。
・前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。
※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
※2昭和31年4月2日以後生まれで80万9000円を超え90万9000円以下の人や昭和31年4月1日以前生まれで80万6700円を超え90万6700円以下の人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
※3同一生計配偶者のうち70歳以上の人または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となる。
老齢年金生活者支援給付金は、年金受給額が月額約6万7000円以下であれば、支給対象となる可能性が高いです。2025年度の老齢基礎年金の満額が月額6万9308円ですから、満額をやや下回る金額を受給する人が、給付金を受け取れる可能性があるといえます。
一方、障害年金生活者支援給付金や遺族年金生活者支援給付金は、所得が「479万4000円+扶養親族の数×38万円」以下であれば受給できます。障害年金や遺族年金は非課税所得であり、この枠からは除外されます。年金以外の所得が上記の金額以下であれば、支給されるとおさえておきましょう。
次章では、金額要件を満たしていても、支給対象にならないケースを解説します。
【要注意】金額要件を満たしていても対象にならないケース
年金生活者支援給付金を受給するには、年金受給額以外の要件も満たさなければなりません。とくに、老齢年金生活者支援給付金は、年金受給額が所定の金額以下でも、ほかの要件を満たせず受給対象外となるケースがあります。
老齢年金生活者支援給付金を受給するには、年金収入が一定額以下であることのほかに「基礎年金を受給していること」と「住民税非課税世帯であること」を満たす必要があります。本人が住民税非課税でも、配偶者や同居親族に住民税が課税されていれば、給付金は受け取れません。
年金受給者の住民税が非課税になる年金収入の目安は、155万円です。そのため、年金受給額が月額約6万7000円以下であれば、本人の住民税は非課税になります。
また、もし夫婦世帯なのであれば、本人の年金収入が211万円、配偶者の年金収入が155万円であれば、住民税非課税世帯になります。自身だけでなく、世帯としての住民税課税状況をよく確かめる必要があるでしょう。
次章では、年金生活者支援給付金の申請手続きについて解説します。
年金生活者支援給付金は「申請必須」
年金生活者支援給付金は、申請しなければ受給できません。申請書類は、日本年金機構が対象者宛に送っているため、基本的にこちらで書類を請求する必要はありません。また、申請ステップ自体は簡単な設計になっているため、書類が届いたらすぐに記入して提出しましょう。
申請手続きは、すでに年金を受け取っている人と、これから年金を受け取る人で異なります。すでに年金を受け取っている人は、日本年金機構からはがきが送られてきます。
以下の手順で、手続きを済ませましょう。

すでに年金を受け取っている人の請求手続き

すでに年金を受け取っている人の請求手続き
・日本年金機構から、はがきの年金生活者支援給付金請求書が届く
・書類の太枠内を記入する
・切手を貼ってポストに投函する
一方、これから年金を受給する人には、老齢基礎年金の請求書とあわせて年金生活者支援給付金の申請書が送られてきます。こちらは記載事項を記入し、年金事務所に提出する流れです。

新たに年金を受給する人の請求手続き

新たに年金を受給する人の請求手続き
・65歳になる3ヵ月前に、日本年金機構からの老齢基礎年金の新規裁定手続きの案内に「年金生活者支援給付金の請求書」が同封されて送られてくる
・両方の書類の必要事項を記入する
・受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と一緒に年金事務所へ提出する
提出忘れがあると、支給開始も遅れてしまいます。書類が届いた段階で記入し、早めに提出しましょう。
まとめ
老齢年金生活者支援給付金は、月額約6万7000円以下の老齢基礎年金を受給する住民税非課税世帯であれば、受給できます。一方、障害年金生活者支援給付金や遺族年金生活者支援給付金は、年金受給額にかかわらず、基礎年金受給者で所得が「479万4000円+扶養親族の数×38万円」以下であれば受給できます。
要件を満たしていれば、日本年金機構から申請書類が送られてきます。早めに提出して給付金を受け取り、日々の生活に役立てましょう。
参考資料
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
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