年金の上乗せ「加給年金」配偶者は最大42万円も? 子1人いると合計額いくら? 社労士が「もらえない人」5つの事例を解説
- 【加給年金】厚生年金20年以上の加入者に「生計維持の配偶者・子ども」がいる場合
- 【加給年金】配偶者「最大42万円?」子ども1人いると合計額はいくら?
- 【加給年金】「一生もらえるわけではない」振替加算のしくみとは?
- 【加給年金】請求手続き「65歳前から年金もらう人」手続きはどうなる?
- 【加給年金】「もらえないのはどんな人?」5つのケースを《社労士》が解説!
- もらえないケース①:繰下げ受給したとき
- もらえないケース②:在職老齢年金で老齢年金が全額支給停止のとき
- もらえないケース③:加給年金の対象者の収入が多いとき
- もらえないケース④:配偶者が厚生年金に20年以上加入したとき
- もらえないケース⑤:配偶者が年上のとき
- 【加給年金】家族を支える大切な「年金の上乗せ」
厚生年金20年以上の加入者に「生計維持の配偶者・子ども」がいる場合

年金の上乗せ「加給年金」配偶者は最大42万円も?子1人いると合計額いくら?社労士が「もらえない人」5つの事例を解説!
「年金の家族手当」と言われることもある「加給年金」は、所定の配偶者や子どもがいる場合、老齢厚生年金へ上乗せされます。これから年金を受ける人の中には、「自分はもらえるの?」「いつまで受け取れる?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。
本記事では、加給年金の仕組みや受給条件、受給金額について解説します。手続き方法や加給年金がもらえないケースも紹介しますので、将来の年金受給に備えて確認しておきましょう。
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【加給年金】厚生年金20年以上の加入者に「生計維持の配偶者・子ども」がいる場合
加給年金とは、厚生年金に20年以上加入した人に「要件を満たす配偶者や子ども」がいる場合、老齢厚生年金に上乗せされる加算金です。加算対象となる年金は、65歳以上で受給する老齢厚生年金で、64歳までに受給する「特別支給の老齢厚生年金」に対しては加算がありません。
「要件を満たす配偶者や子ども」とは、厚生年金20年以上加入者に「生計を維持されていた」以下の人です。
・65歳未満の配偶者
・18歳到達年度の末日(一般的には高校卒業)までの子ども
・20歳未満で、障害等級1級または2級に該当する子ども
障害等級については、所定の診断書を提出して判定されます。
生計維持されていたかどうかは、「同居している(別居だが仕送りを受けている)」「前年の年収が850万円未満」などで判断されます。
【加給年金】配偶者「最大42万円?」子ども1人いると合計額はいくら?
家族1人当たりの加算額(2026年度、毎年更改)の年額は次の通りです。

加給年金
・配偶者:42万3700円(1943年4月2日生まれ以降の人)
・第1子・第2子:24万3800円
・第3子以降:8万1300円
該当する配偶者と子ども1人がいる場合、老齢厚生年金に66万7500円加算されます。
【加給年金】「一生もらえるわけではない」振替加算のしくみとは?
加給年金は終身(一生涯)もらえるわけではありません。前述の「要件を満たす配偶者や子ども」がいなくなると受給できなくなります。具体的には、配偶者が65歳になると配偶者を対象とした加給年金は支給停止となるので覚えておきましょう。
なお、夫が加給年金を受給していて妻が65歳なった場合、夫の加給年金支給がなくなる代わりに妻(1966年4月1日までに生まれた女性が対象)に「振替加算」が支給されます。下図では「配偶者」が夫、「ご本人」が妻に該当します。

加給年金と振替加算のイメージ
ここまで、加給年金の仕組みや年金額、支給期間について解説しました。次章では、加給年金の請求手続きや、加給年金がもらえないケースについて解説します。
【加給年金】請求手続き「65歳前から年金もらう人」手続きはどうなる?
加給年金は、老齢厚生年金の請求と同時に手続きするのが基本です。
65歳前から「特別支給の老齢厚生年金」を受給する人は、特別支給の老齢厚生年金の請求手続き時に加給年金の請求を行います。老齢年金の支給開始が65歳の人は、65歳時に老齢基礎年金と老齢厚生年金、加給年金の請求手続きを同時に行います。
どちらのケースも、「老齢年金請求書」に加給対象となる配偶者や子どもの情報を記載し、生計維持していることを申立てます。

生計維持関係に関する申立書
【加給年金】「もらえないのはどんな人?」5つのケースを《社労士》が解説!
配偶者がいることによる加給年金額は約42万円と高額ですが、もらえないケースもあります。老後の収入を正しく把握するためにもきちんと理解しておきましょう。
もらえないケース①:繰下げ受給したとき
老齢厚生年金を繰下げ受給すると、加給年金はもらえません。繰下げ待機中(65歳から繰下げ受給開始までの期間)に、加給年金だけを受け取ることはできないからです。また、繰下げ受給しても、加給年金は増額しません。
たとえば、繰下げ待機中に配偶者が65歳になった場合、加給年金は全く受け取れないことになります。加給年金の受給権がある人が繰下げ受給するときは、注意が必要です。
もらえないケース②:在職老齢年金で老齢年金が全額支給停止のとき
働きながら年金を受給するとき、収入が多いと老齢厚生年金の一部または全額が支給停止になることがあります。この仕組みを在職老齢年金といいますが、老齢厚生年金が全額支給停止となった場合、加給年金も支給停止されます。
給与を調整することで全額支給停止となることを避け、加給年金を受け取れるケースもあります。
もらえないケース③:加給年金の対象者の収入が多いとき
加給年金の対象者となる配偶者や子どもの年収が高い(年収850万円以上または所得655万5000円以上)とき、加給年金は支給されません。収入が多いと「生計を維持されていた」と認められないからです。
ただし、定年などで5年以内に年収が850万円未満になる場合、収入が減少することを確認できる書類(退職規定など)を提出すれば加給年金が支給される可能性があります。
もらえないケース④:配偶者が厚生年金に20年以上加入したとき
配偶者が厚生年金に20年以上加入して老齢厚生年金の受給権が発生すると、加給年金は支給されません。65歳から加給年金を受給していても、厚生年金に20年以上加入した配偶者が特別支給の老齢厚生年金を受給開始すると、支給停止されます。
もらえないケース⑤:配偶者が年上のとき
配偶者が年上の場合、そのほかの受給要件を満たしていても加給年金はもらえません。加給年金の支給期間は、加給対象者が配偶者の場合、本人が65歳になってから配偶者が65歳になるまでの間であるからです。
ただし、本人が65歳になったとき配偶者に振替加算が支給されることもあるため、年金事務所などで確認しておきましょう。
【加給年金】家族を支える大切な「年金の上乗せ」
加給年金は、厚生年金に20年以上加入した人に「要件を満たす配偶者や子ども」がいる場合に支給されます。加給年金の対象者が配偶者の場合、支給期間は本人が65歳になってから配偶者が65歳になるまでです。
繰下げ待機中や在職老齢年金で老齢厚生年金の全額が支給停止である場合など、加給年金が支給されないケースがあります。加給年金額は約42万円(配偶者)と高額であるため、支給されないケースを理解して受給方法や働き方を検討してみましょう。
参考資料
・日本年金機構「加給年金額と振替加算」
・日本年金機構「生計維持」
・日本年金機構「老齢年金請求書の記入方法等」
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