もらい忘れに注意【2026年最新】60歳以上が年金に上乗せできる「5つの給付金」完全ガイド
加給年金・雇用保険の申請条件から、106万円の壁見直しに伴う社会保険への影響まで徹底解説

もらい忘れに注意【2026年最新】60歳以上が年金に上乗せできる「5つの給付金」完全ガイド
新年度が始まり、働き方や家計を見直す良い機会となる4月。60歳を過ぎると収入の形が変わる方も多いですが、公的な支援制度をうまく活用することで生活の安定を図れます。
しかし、年金をはじめとする多くの公的給付は、自分で申請しなければ受け取ることができません。知らずにいると、本来もらえるはずのお金を受け取れない可能性があります。
この記事では、60歳以上の方が対象となる代表的な5つの給付金について、対象者や受給額などをわかりやすく解説します。ご自身が対象かどうかを確認し、将来の安心につなげましょう。
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【申請必須】知らないと損する公的給付!もらえないケースとは?
老齢年金や障害年金、遺族年金といった公的年金は、私たちの生活を支える重要なセーフティーネットとして機能しています。
しかし、これらの年金は受給条件を満たしても自動的に支給されるわけではありません。受け取るためには、ご自身で「年金請求書」を提出し、請求手続きを行うことが必須です。

年金請求書
国や自治体が提供する「手当」や「給付金」、「補助金」なども同様に、その多くが申請手続きを必要とします。
もし申請期限を守らなかったり、必要な添付書類が不足していたりすると、本来受給できるはずだった金額が減らされたり、最悪の場合受け取れなくなったりすることもあります。
公的な支援制度を必要な時に確実に利用するためには、どのような支援が自分に適用されるのかを正しく理解し、手続きを適切に進めることが重要です。
老齢年金に上乗せでもらえるお金は2種類!対象者と条件を解説
老齢年金を受給しているシニア世代の方が、特定の要件を満たすことによって、通常の年金額に加えて受け取れる2種類の給付についてご紹介します。
年金の家族手当「加給年金」とは
加給年金は、しばしば「年金の扶養手当」や「家族手当」のような制度として説明されます。
この制度は、老齢厚生年金を受給している方が、年下の配偶者やお子さんを扶養している場合に、一定の条件を満たすと年金額に上乗せして支給されるものです。
加給年金の支給要件
・厚生年金の加入期間が20年(※)以上ある方:65歳に達した時点(または定額部分の支給が始まる年齢に達した時点)
・65歳到達後(もしくは定額部分支給開始年齢に達した後)に被保険者期間が20年(※)以上となった方:在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)
(※)または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年
それぞれ上記のタイミングで、「65歳未満の配偶者」や「18歳になる年度の末日までのお子さん、または1級・2級の障害を持つ20歳未満のお子さん」がいる場合に、年金が加算されます。
ただし、配偶者自身が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金や退職共済年金を受け取る権利がある場合、または障害年金などを受給している際には、配偶者加給年金額の支給は停止されるので注意が必要です。
加給年金《2026年度の年金額》

加給年金の加給年金額
「加給年金」の年金額(2026年度の年額)は以下のとおりです。
・配偶者:24万3800円
・1人目・2人目の子:各24万3800円
・3人目以降の子:各8万1300円
また、老齢厚生年金を受給している人の生年月日により、配偶者の加給年金額に3万6000円から17万9900円の特別加算額が支給されます。
振替加算の概要
加給年金の対象である配偶者が65歳になると、加給年金の支給は終了します。しかし、その配偶者が自身の老齢基礎年金を受給する際に、特定の条件を満たしていれば、その老齢基礎年金に「振替加算」が行われます。
所得が低い方向け「老齢年金生活者支援給付金」
年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給している方のうち、所得が一定基準以下の場合に支給される給付金です。この給付金には「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、それぞれに支給要件が定められています。
本項では、その中の「老齢年金生活者支援給付金」に焦点を当てて解説します。
老齢年金生活者支援給付金の対象となる条件

年金生活者支援給付金制度について
・65歳以上で老齢基礎年金を受給している
・世帯全員の市町村民税が非課税である
・前年の公的年金などの収入(※1)と他の所得の合計が、昭和31年4月2日以降生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下(※2)である
※1 障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以降に生まれた方で合計額が80万9000円を超え90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
老齢年金生活者支援給付金の基準額について

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額
2026年度における老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は月額5620円で、前年度と比較して3.2%の増額となりました。
この基準額を基に、保険料の納付状況などに応じて実際の給付金額が計算されます(後述の①と②の合計額)。
給付額の計算方法
・①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5620円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480カ月
・②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円× 保険料免除期間 / 被保険者月数480カ月
例えば、国民年金保険料を40年間すべて納付したケースでは、2026年度は月額5620円、年額で7万7440円の給付金が支給されます(ただし、昭和16年4月1日以前生まれの方は計算方法が異なります)。
なお、保険料免除期間に乗じる金額は、毎年度行われる老齢基礎年金額の改定に連動して変動します。
働く60歳以上が対象!雇用保険から受け取れる3つの給付金
働き続けるシニア世代にとって関心の高い、就労に関連する給付金や手当についても確認していきましょう。
シニアの就労を後押しする制度は整備されつつありますが、多くの場合、60歳を境に収入が減少する傾向にあります(※)。また、若い頃と同じようにスムーズに就職活動や就労継続ができるとは限りません。
ここでは、シニア世代が知っておきたい雇用保険関連の手当や給付金を3種類ご紹介します。
※国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の平均給与は50歳代後半男性で735万円、女性356万円に対し、60歳代前半男性は604万円、女性294万円、60歳代後半男性は472万円、女性240万円となっています。
65歳未満が対象の「再就職手当」
再就職手当は、失業した方が早期に再就職することを促すための制度です。失業してから再就職、または事業を開始するまでの期間が短いほど、多くの手当が支給される仕組みになっています。
再就職手当の支給要件
・対象者:雇用保険の受給資格者で、基本手当の受給資格を持つ人
・支給要件:対象者が雇用保険の被保険者として再就職するか、事業主として被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、その他一定の要件を満たした場合に支給されます。
再就職手当の給付率
・手当の額:就職する前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数に応じて、給付率が変わります(1円未満は切り捨て)。

再就職手当の額
なお、再就職手当を受給し、その再就職先で6カ月以上雇用され、かつその6カ月間の賃金が離職前の賃金より低かった場合には、「就業促進定着手当」の対象となる可能性があります。
60歳から65歳未満が対象「高年齢雇用継続給付」
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の方が働き続ける中で、賃金が60歳時点よりも低下した場合に支給される給付金です。
高年齢雇用継続給付の支給要件
・対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある、60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者
・支給条件:賃金が60歳に達した時点の75%未満に低下した状態で、雇用を継続する場合
高年齢雇用継続給付の支給率
・支給額:最高で賃金額の10%(※)に相当する額
※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした方は15%

【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)
老齢年金を受け取りながら厚生年金に加入し、「高年齢雇用継続給付」を受給する場合、在職老齢年金制度による支給停止に加えて、最大で標準報酬月額の4%(※)相当額がさらに支給停止となる点に注意が必要です。
※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした方は6%
65歳以上が対象「高年齢求職者給付金」
高年齢求職者給付金は、65歳以上の方が失業した場合に受け取ることができる給付金です。
高年齢求職者給付金の支給要件
・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で、失業状態にある方
・支給要件:以下のすべての条件を満たす必要があります。
高年齢求職者給付金の給付金額

高年齢求職者給付金の額
・支給額
65歳未満の方が受け取る「失業手当」が4週間に一度の失業認定を経て支給されるのに対し、この高年齢求職者給付金は一括で支給される点が特徴です。
2025年の法改正でどう変わる?社会保険の適用拡大を解説
2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」では、パートタイマーなどで働く人々の社会保険加入対象を広げることが決定しました。
この改正は、一般的に「106万円の壁」といわれる問題の解消に向けた、重要な一歩となります。
短時間労働者の社会保険加入要件が見直されます

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
2025年6月時点において、パートタイムなどの短時間労働者が社会保険に加入するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・2カ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・所定内賃金が月額8万8000円以上(いわゆる「106万円の壁」)
・従業員数51人以上の企業に勤務
今回の法改正では、このうち「賃金要件」と「企業規模要件」の撤廃が盛り込まれました。これにより、全国の最低賃金の動向を見ながら、3年以内に「106万円の壁」が廃止される見通しです。
さらに、社会保険の加入対象となる企業規模も、10年をかけて段階的に拡大され、将来的には企業の規模に関わらず加入が求められるようになります。
まとめ:損しないための給付金と制度変更の重要ポイント
60歳以上の方が活用できる公的給付には、年金に上乗せして支給されるものや、就労によって受け取れる雇用保険の給付金などがあります。
しかし、これらの給付の多くは申請をしなければ受け取れません。制度の存在を知らないと、受給機会を逃してしまうことになります。特に加給年金や年金生活者支援給付金は、対象であっても見落としがちなので注意が必要です。
また、社会保険の適用拡大によって、今後は短時間労働者でも社会保険への加入が必須となるケースが増加し、手取り額や将来の年金受給額に影響が出てきます。
4月は、ご自身の働き方や公的制度について見直すのに最適な時期です。まずは、自分がどの給付の対象になるかを確認し、必要な手続きを進めてみてはいかがでしょうか。
社会保険制度の変更も考慮に入れながら、収入と働き方のバランスを再検討することが大切です。早めに情報を確認し、行動することが、将来の安心へとつながります。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・日本年金機構「初めて老齢年金を請求するとき」年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)様式第101号
・日本年金機構「か行 加給年金額」
・日本年金機構「加給年金額と振替加算」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」
・厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
・日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」
・厚生労働省「再就職手当のご案内」
・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
・国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
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