【年金世代のお金事情】65歳以上無職世帯「平均貯蓄額は2000万円超え?」ひと月の収入・支出や平均年金月額も解説!

60歳代・70歳代の二人以上世帯の約3割が「年金だけで生活費をまかなうのが難しい」と回答

【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦「ひと月の収入・支出はいくら?」毎月赤字?, 【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦:毎月の収入, 【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦:毎月の支出, 65歳以上・無職世帯の貯蓄額はいくらか, 【勤労世帯含む】世帯主が65歳以上世帯全体の貯蓄額はいくらか, 65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値), 【国民年金・厚生年金】2025年度の年金額は1.9%増額, 国民年金・厚生年金の平均月額や個人差, 国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額, 厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額, 老後の生活資金について今から考えておこう

【年金世代のお金事情】65歳以上無職世帯「平均貯蓄額は2000万円超え?」ひと月の収入・支出や平均年金月額も解説!

日差しが強まる7月後半、外出を控える時間が増えるなかで、ふと家計やこれからの暮らしに目を向ける方も少なくありません。

公的年金だけで暮らしていけるのか、不足分をどう補えばよいのか。シニア世代の生活は、収入・支出・貯蓄のバランスに大きく左右されます。

この記事では、最新の平均年金額や無職夫婦世帯の生活費、そしてシニア世帯の貯蓄事情をもとに、実際の暮らしぶりに迫ります。暮らしに合った選択をしていくためにも、まずは現状を知ることから始めてみましょう。

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【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦「ひと月の収入・支出はいくら?」毎月赤字?

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老齢年金世代が「年金にゆとりがない」と感じる理由

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、60歳代・70歳代の二人以上世帯において、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答。

年金にゆとりがない理由として「物価上昇」「医療費・介護費負担の増加」などが上位に挙がっています。

完全リタイア後の老齢年金世帯では、現役時代よりも収入が下がるケースが一般的ですから、今後も引き続き、こうした負担感が増えることが見込まれるでしょう。

まずは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を確認していきます。

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「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支

【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦:毎月の収入

・収入合計:25万2818円

・うち社会保障給付(主に年金):22万5182円

【老齢年金世帯】65歳以上無職夫婦:毎月の支出

・消費支出:25万6521円

・非消費支出:3万356円

支出合計28万6877円

この世帯の場合ひと月の収入は25万2818円、その約9割22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めます。

一方で支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。

この夫婦世帯の場合、毎月約3万円の赤字となり、貯蓄の取り崩しなどで補填する必要があります。

そこで気になるが「老齢年金世代」の貯蓄事情です。次では65歳以上世帯の貯蓄額データを見ていきましょう。

65歳以上・無職世帯の貯蓄額はいくらか

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-」によると、65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の貯蓄額に関するデータは以下のとおりです。

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世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別現在高の推移(二人以上の世帯)

「世帯主が65歳以上の無職世帯」の貯蓄の平均貯蓄額は、2504万円でした。

過去5年の推移を見ると、2018年 2233万円→2019年 2218万円→2020年 2292万円→2021年 2342万円→2022年 2359万円→2023年 2504万円と、直近4年は連続して増えています。

貯蓄の種類別に見ていくと、最も多いのは定期性預貯金の846万円。次いで通貨性預貯金が754万円、有価証券(※1)が480万円、生命保険などが413万円、金融機関外(※2)が11万円となっています。

また、前年からの増え幅を見ると、通貨性預貯金が55万円で7.9%の増加、有価証券が80万円で20.0%の増加となっています。

次では勤労世帯も含めた「65歳以上二人世帯」全体の貯蓄事情をのぞいてみましょう。

※1 有価証券:株式,債券,株式投資信託,公社債投資信託,貸付信託,金銭信託など(いずれも時価)

※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など

【勤労世帯含む】世帯主が65歳以上世帯全体の貯蓄額はいくらか

同じく「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、勤労世帯も含めた世帯主が65歳以上世帯全体の貯蓄額を見ていきます。

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世帯主が65歳以上の世帯の現在貯蓄高階級別世帯分布(二人以上の世帯)ー2023年ー

65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

・平均:2462万円

・貯蓄保有世帯の中央値(※):1604万円

勤労世帯も含めた「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の平均貯蓄額は2462万円でした。ただし、貯蓄保有世帯の中央値(※)を見ると1604万円にまで下がります。

次はシニア世帯の暮らしを支える柱となる「老齢年金」についても見ていきます。

※貯蓄保有世帯の中央値:貯蓄が0円の世帯を除いた世帯を、貯蓄現在高の少ない方から順番に並べたときに真ん中に位置する世帯の貯蓄現在高

【国民年金・厚生年金】2025年度の年金額は1.9%増額

公的年金額は、物価や現役世代の賃金を考慮して年度ごとに改定されます。2025年度分は前年度より1.9%増額となり、3年度連続のプラス改定となりました。

年金額例を具体的に見ていきましょう。

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2025年度の年金額

・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)

・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)

ただし上記はあくまでも「年金例」です。実際に支給される年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差が出ます。

なお、年金額自体は1.9%増えますが、マクロ経済スライド(※3)の発動により、実質的には目減りしている点には留意が必要です。

次では、今のシニア世代が実際にどの程度年金を受け取れているかを確認します。

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。

※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

※3 「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ

国民年金・厚生年金の平均月額や個人差

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国民年金・厚生年金「平均月額や個人差を見る」

厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、国民年金・厚生年金(※)の平均年金月額や個人差を見ることができます。

2023年度末現在の平均年金月額は以下の通りです。

※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。

国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合で男女ともに5万円台。厚生年金(国民年金部分を含む)を受け取る場合で、男性16万円台、女性10万円台です。

ただしグラフでもわかるように、国民年金、厚生年金それぞれの受給権者どうしでも年金額には大きな個人差があります。

老後の年金額は、現役時代の働き方や収入が反映されます。ご自身の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認が可能です。

老後の生活資金について今から考えておこう

ここまで、シニア世代のお金事情について見てきました。

貯蓄がほとんどない状態では、老後の暮らしが不安定になる可能性もあります。

さらに今後も物価の上昇が続くことを考えると、現役世代のうちから少しずつ老後の生活資金を準備していくことがますます重要になってきます。

その手段のひとつとして注目されているのが、新NISAやiDeCoです。これらは、制度の仕組みやリスクをしっかり理解したうえで活用すれば、将来に向けた強い味方になってくれます。

まずは気になるところから、自分で調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」

・生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」

・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」