住民税非課税世帯の定義や所得基準、年収目安や年代別の課税状況とは?シニア世帯の43.4%が「公的年金や恩給のみに頼って生活している」
シニア世帯の実態までわかりやすく紹介!過去には住民税非課税世帯への給付金も実施済

住民税非課税世帯の定義や所得基準、年収目安や年代別の課税状況とは?シニア世帯の43.4%が「公的年金や恩給のみに頼って生活している」
2024年には、物価高への対策として「住民税非課税世帯」を対象に1世帯あたり3万円の給付が実施されました。
さらに、子育て世帯には子ども1人あたり2万円が支給され、多くの家庭が恩恵を受けました。
ただし、すでにほとんどの自治体で支給は完了しており、「自分の家庭は対象だったのか」「どんな条件で非課税世帯に該当するのか」と疑問を持った方も少なくないでしょう。
住民税非課税世帯の判定基準は単純ではなく、世帯構成や所得状況に加え、自治体の所得基準によっても変わります。
本記事では、住民税非課税世帯の定義や所得要件、収入の目安などを詳しく解説します。
また、老後の収入を公的年金や恩給のみに頼って生活しているシニアの割合も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【実施済】住民税非課税世帯向けに実施された3万円給付
2024年11月に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」が閣議決定され、低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円」の支給が行われました。
本給付金の支給対象となったのは「住民税非課税世帯」であり、給付スケジュールは自治体によって異なりますが、多くの場合はすでに支給を終えています。

住民税非課税世帯等への給付金
では、そもそも支給対象となった「住民税非課税世帯」とはどのような世帯を指すのでしょうか。
そもそも「住民税非課税世帯」とは?対象者を解説
住民税には、所得に応じて負担額が決まる「所得割」と、一定の金額を全員が均等に負担する「均等割」の2種類があります。
住民税非課税世帯に該当するのは、世帯全員が「所得割・均等割の両方が非課税」の場合です。

住民税非課税世帯
所得割・均等割の両方が非課税となる条件
所得割・均等割の両方が非課税となるのは、以下のような方です。
・生活保護法による生活扶助を受けている方
・障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
・前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
ただし、3つ目の所得要件については自治体ごとに基準が異なるので、必ずお住まいの地域の公式情報を確認しましょう。
住民税が非課税となる所得要件(東京23区内)
東京23区内では、以下のように所得要件が定められています。
同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
・35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
・45万円以下
※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村にお問合せください。
住民税が非課税になる年収の目安(東京都港区)
住民税非課税世帯になる年収の目安は自治体によって異なりますが、東京都港区の目安→を例に挙げると以下のようになります。
前年の収入が以下より少ない人(合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下))
・アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
・65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
・65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
・不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
特に、65歳以上の方は非課税となる年収の上限が155万円に引き上げられているため、比較的多くの高齢者が非課税世帯に該当します。
【年代別】住民税課税世帯の割合はどのくらい?
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、各年代の住民税課税世帯の割合は以下のとおりです。

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合
・29歳以下:63.0%
・30〜39歳:87.5%
・40~49歳:88.2%
・50~59歳:87.3%
・60~69歳:79.8%
・70~79歳:61.3%
・80歳以上:52.4%
・65歳以上(再掲):61.1%
・75歳以上(再掲):54.4%
※ 全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯を含む
※ 総数には、年齢不詳の世帯を含む
※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む→(コメント3参照ください)
60歳以上になると非課税世帯の割合が増加する傾向があります。
年金のみで生活する方が増えることや、65歳以上の非課税基準額が引き上げられることが影響しています。
シニア世帯の43.4%「公的年金や恩給のみに頼って生活している」
2025年7月4日に厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金や恩給のみに頼って生活しているシニア世帯は全体の43.4%にとどまるそうです。

公的年金や恩給のみに頼って生活しているシニア世帯は全体の43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
物価高などによって家計負担が増している中、全体の半数以上が公的年金以外の収入源を必要としているのが現状です。
まとめ
2024年度に実施された3万円給付は、住民税非課税世帯を対象とした生活支援策でした。
非課税世帯に該当するかどうかは、所得要件等の細かな基準が設けられており、一部の要件は自治体ごとに異なります。
また、こういった給付は一時的な支援にすぎず、家計全体の安定につながるものではありません。
必要に応じて貯蓄や資産運用など、長期的な視点で生活設計を見直すことが大切です。
参考資料
・内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」
・総務省「個人住民税」
・東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
・港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
・厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(第131表)
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況