トランプ関税二転三転、トヨタ系部品も翻弄-業績予想で対応分かれる

US President Donald Trump during a meeting with Jonas Gahr Store, Norway's prime minister, not pictured, in the Oval Office of the White House in Washington, DC, US, on Thursday, April 24, 2025. Trump expressed confidence he would be able to reach an agreement on trade with Norway during a meeting with Store, but stopped short of offering to roll back his “reciprocal” tariffs without concessions.

(ブルームバーグ): トランプ米大統領の関税政策が二転三転する中、豊田自動織機やデンソーは影響の今期(2026年度3月期)業績予想への反映を見送った一方、アイシンなどはリスクの一部を織り込み、トヨタ自動車系部品メーカーの中でも対応が分かれた。

  豊田織は米国などの関税措置が事業や業績に与える影響を合理的に見積もることが困難だとして今期の業績予想には織り込まなかった。デンソーも不透明な要素が多いとして通期予想には織り込んでいないことを明らかにした。

  トランプ政権は3日から輸入車に対し25%の追加関税を適用しており、自動車部品については5月3日から発動する計画となっている。計画通りに実施されれば部品メーカーの業績にも大きな影響が出る恐れがあるが、トランプ政権は関税を巡りめまぐるしい方針転換を続けており、先行きには不透明感が漂っている。

  豊田織の伊藤浩一社長は名古屋市内での決算会見で、何らかの算定基準を置いて業績見通しに反映することを考えたが、「日々変わっていく状況もあり、間接、直接的な影響も(算出が)非常に難しいということで今回の中には組み込めていない」と述べた。

  一方、アイシンは一時的に同社が負担した関税コストを完成車メーカーへの販売価格にタイムリーに反映できないリスクなどとして200億円を減益要因として織り込んだ。ただ、同社の伊藤慎太郎副社長はその数字は「仮置き」だとして、「この後、市場の動向を注視しながら見直していくことになる」と述べた。

  自動車関税を巡ってトランプ氏は14日、輸入自動車・部品に対する関税の一時免除の可能性について検討していると明らかにしている。また、日本は今月から米国との関税交渉を他国に先駆けて進めている。自動車分野で日本が以前から求めてきた関税の適用除外を勝ち取れる可能性もあるものの、企業は見通しが立てづらい状況だ。

  アナリストからは米関税などの影響でデンソーなどが保守的な見通しを示すと予想する声が上がっていたが、デンソーやトヨタ紡織は市場予想を上回る営業利益予想を示した。デンソーの株価は一時前日比5%高の1896円を付けた。一方、豊田織、アイシン、ジェイテクトの通期営業益計画は市場予想を大きく下回った。

15兆円のコスト増

  米調査機関のセンター・フォー・オートモーティブリサーチの試算によると、関税導入で見込まれるコスト増は計1077億ドル(約15兆円)と巨額だ。自動車部品に対する関税が計画通りに実行された場合、価格転嫁でどこまで影響を抑制できるかが焦点となる。

  デンソーの松井靖副社長は米国の関税については影響をできるだけ圧縮した上で余った分は顧客に価格転嫁することが基本だとした。同様に取引先の中小企業に悪影響が出る場合は精査した上で、デンソーが負担していく決断をしていると述べた。

  自動車の価格上昇や米国経済の減速などで販売台数が減少すれば部品メーカーにも影響が及ぶ公算が高い。伊藤忠総研は1日付のリポートで一定の前提条件を置いた試算として、追加関税の影響で輸入車の販売台数が130万台、国産車は25万台程度減少する可能性があるとした。

  アイシンの伊藤副社長は、今期見通しに自動車の価格上昇や市場全体の販売台数減の影響は織り込んでいないと話した。一方、豊田合成の蜂須賀正義最高財務責任者(CFO)は、関税影響で北米の景気が減速するリスクがあるとして、北米の生産車や日本から米国への輸出がそれぞれ5%減少する前提を置いたと明らかにした。

  デンソーの松井氏は米国が法人税減税に踏み切ったり、メキシコペソが下落するなどポジティブな影響が出る可能性もあるとした上で、「全体を俯瞰して影響額を見極めること。パニックに陥らないこと」が重要だと述べた。

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(決算会見の内容などを追加し、見出しも更新します)

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