スポーツ記者コラム 世界陸上で印象に残った三浦龍司の姿 他選手との接触で減速…も言い訳にせず

世界陸上の男子3000メートル障害で8位でゴールした三浦龍司
34年ぶりに東京で行われていた陸上の世界選手権が9月21日、閉幕した。累計入場者数は目標の50万人を大きく超える61万9288人で、2007年大阪大会の35万9000人や、1991年の東京大会の58万1462人も上回り、日本開催の大会では最多となった。
日本中が夢中になった9日間。記者が最も記憶に残ったのは三浦龍司(スバル)が出場した男子3000メートル障害決勝だ。ハードルのような障害や水壕を跳び越えながら1周400メートルのトラックを7周半する通称サンショーと呼ばれる種目。2021年東京五輪でこの種目では日本勢初の入賞を果たすなど、日本のトップを走り続けてきた三浦は、近年の盛り上がりに「拍車をかけたい」と今大会でのメダル獲得に挑んでいた。

三浦龍司は他選手との接触を言い訳にしなかった
しかし、ラスト1周で徐々に順位を上げながら迎えた最後の障害を降りたあとに他の選手と接触して減速。惜しくも8分35秒90の8着。メダルは逃したが、「本当にメダルが『見えたかも』という一瞬があった」と三浦が言うように、初の表彰台は手が届く位置にあった。それでも、三浦は「(この競技の)独特な特徴の1つかなと思います」と受け入れた。レース後の報道陣の取材では一切、接触を言い訳にはせず。悔しさを押し殺して、淡々と受け応える姿が印象的だった。

三浦龍司 は力走したが…
思い描いていた形ではないかもしれないが、レース後にはSNSなどで接触のシーンが物議を醸したこともあり、多くの人がこの競技を知り、応援するようにもなった。
「欲張って金メダルが見えたと言っておきます」と三浦。より多くの期待を受けることになる27年北京大会、28年ロサンゼルス五輪で、その言葉が現実になる瞬間を目撃できることが楽しみだ。(山下幸志朗)