スーパーマーケットの売上高ランキング。一大勢力は「イオン」、専業では「ライフ」が首位に。さらに商品カテゴリー別で見ると、「ある食品」が売上の4割を占めていて…

私たちの食を支えるスーパーマーケットについて、流通科学大学商学部経営学科教授・白鳥和生先生は「社会を映し出す鏡のような側面もある」とし、「スーパーマーケットの売り場は社会的・経済的な課題を映し出している」と語ります。そこで今回は、白鳥先生の著書『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

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【写真】都市部で店舗網を拡大中の「まいばすけっと」

イオンが一大勢力、専業ではライフが首位

スーパーマーケットをチェーン展開する企業を見ると、総合スーパーやショッピングセンターを展開するイオンは、グループ内に「マックスバリュ」などの屋号のスーパーマーケットを約2200店(海外では130店舗)持つ一大勢力だ。イオンといえば大型店がイメージされるが、都市部では「まいばすけっと」や「アコレ」といった小型店も店舗網を拡大中だ。

コンビニエンスストアの「セブン-イレブン」が稼ぎ頭のセブン&アイ・ホールディングスも「ヨークベニマル」や「ヨークマート」「ヨークフーズ」など有力スーパーマーケットを持ち、東日本で高い知名度を誇る。

スーパーマーケット専業では、近畿圏と関東圏を地盤とするライフコーポレーションが首位に立つ。そしてイオン傘下のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)が2位。

これに北海道・北東北が地盤のアークス、東北・北関東のヨークベニマル、首都圏のヤオコー(ブルーゾーンホールディングス)、ホームセンターやスポーツクラブなども手がける中部地方のバローホールディングス、近畿の平和堂や万代、総合スーパーからスーパーマーケットに軸足を移した中国・四国地方のフジ、九州にも勢力を伸ばすイズミなど、特定地域に集中して出店するドミナント戦略をとるチェーンが続く。

また最近はオーケーやロピア、トライアルホールディングスといった、より低価格を打ち出すディスカウント型スーパーマーケットが上位企業を猛追している。

イオンが一大勢力、専業ではライフが首位, グループ化も進むスーパーマーケット業界, 一般的なスーパーマーケットの実態は……, 生鮮品が売上の4割

<『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』より>

グループ化も進むスーパーマーケット業界

スーパーマーケット業界はグループ化も進んでいる。仕入れ力(バイイングパワー)の発揮や物流・情報システムの合理化を目的に、イオングループやアークスのように持株会社を設立し、その傘下に有力スーパーマーケットが結集する動きがある。

近年でも、2024年11月に東京都西部が地盤の「いなげや」がUSMHと経営統合し、新生USMHは単純合計売上高9000億円超、600店舗超の首都圏最大のチェーンになった。セブン&アイ・ホールディングスは祖業であるイトーヨーカ堂を食品中心に改め、グループのスーパーマーケットであるヨークと2023年度に統合した。ヤオコーを中核とするブルーゾーンホールディングスは東京、愛知の地場企業を相次ぎ傘下に収めている。

イオンが一大勢力、専業ではライフが首位, グループ化も進むスーパーマーケット業界, 一般的なスーパーマーケットの実態は……, 生鮮品が売上の4割

『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』(著:白鳥和生/朝日新聞出版)

関西では阪急百貨店を中核とするH2Oリテイリングが2022年、関西スーパーマーケットと阪急オアシス、イズミヤを再編成して中間持株会社の関西フードマーケットを設立、2024年には完全子会社とした。また、バローホールディングスがトーホーストアを買収し、関西に本格進出した。九州が地盤のトライアルホールディングスが老舗の西友を買収するなど、新興勢力の動きも活発になっている。

一方、資本は異なるが、プライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発や、メーカー品であるナショナルブランドの仕入れを共同化する連携組織のシジシージャパン(CGC)、ニチリウ(日本流通産業)、コプロ(オール日本スーパーマーケット協会)、私鉄系の八社会などもある。また、各地の生活協同組合(生協)が結集する日本生活協同組合連合会も有力なスーパーマーケット団体といえるだろう。

一般的なスーパーマーケットの実態は……

では、一般的なスーパーマーケットの実態とはどのようなものか。

「2025年版スーパーマーケット白書」によると、平日1日あたり1675人が店を訪れ、1人あたり10点の商品を購入し、1回あたり2191円のお金を使っている。

年間売上高が13億円の店舗の場合、レジ台数は6.6台。14人の正社員、48.6人のパート・アルバイトで運営している計算になる。

スーパーマーケットは労働集約型の産業で、パート・アルバイトが貴重な戦力になっていることがわかる。

生鮮品が売上の4割

商品カテゴリー別の売上高構成比を見ると、青果、水産、畜産の生鮮3品で約4割と多くを占めている。

調味料などの一般食品が約24%、豆腐や牛乳などの日配品が約21%、惣菜が約11%、洗剤やトイレタリーなどの非食品が約5%と続く。

業界3団体がまとめている2024年のスーパーマーケットの年間売上高は、前年と比較可能な既存店ベースで前年比3.1%増えた。

2023年以降の月別の前年同月比を見ると、2023年2月を除き、原材料や物流費高騰に伴う商品値上げ、記録的な猛暑も手伝ってプラスを維持している。

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<『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』より>

※本稿は、『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。