50代からの【お金との賢い向き合い方】「貯める・残す」以上に大事なことは?

50代からの【お金との賢い向き合い方】「貯める・残す」以上に大事なことは?
食品から光熱費まで、幅広く物価高となった2025年。「2026年も、引き続き物価高は続くでしょう。発想を変えて、持っているお金をよりよく使う方法を考えるのが得策です」と言う井戸美枝さんに、安心して人生を楽しむための「お金の使い方のヒント」を伺いました。
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井戸美枝さん ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士
いど・みえ●国民年金基金連合会理事。
専門は、生活に身近な経済問題、年金・社会保険問題。
雑誌や新聞で連載をもち、「難しいことをわかりやすく」がモットー。
『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』(主婦の友社)、『ゼロ活~お金を使い切り、豊かに生きる!』(扶桑社)など著書多数。
物価高に負けない! 安心して人生を楽しむためのお金の使い方ヒント
お金は「貯めること」が重要だった現役時代。でも、「ゆうゆう世代になったら、考えたいのは『お金をどう使うか』」と言う井戸さんが、お金を上手に使うコツを伝授します!

これからは、お金は「貯める・残す」以上に「どう使うか」を重視して
どうして今、「お金をどう使うか」が 大切?
心地いいお金の使い方が人生の満足度を高める一生懸命積み上げてきた年金や貯蓄の使い方を考えることは、価値観を見つめ直すことになる。「すぐ決められなくても、少しずつやりたいこと、ときめくことにトライしてみて。語学を学ぶ、憧れの国を旅するなど、何でもOK。違ったら次にトライして、自分だけの『心地のいいお金の使い方』が見つかれば、人生の満足度は高まります。共通の趣味仲間に出会うチャンスも広がって、孤独とは無縁の老後に」
「使えるお金がわからない」なら、シミュレーションしてみる
キャッシュフロー表で使えるお金を把握しよう「好きなことに使えるお金がいくらあるかわからない」という人は、キャッシュフロー表(貯蓄の推移をシミュレーションする表・左例)を作ってみよう。「毎年生活費を使っていって、残ったお金から医療・介護費用に夫婦で1000万円を取りおいた額が自由に使えるお金です。赤字になったり、貯蓄が底をつきそうなら、支出を見直してムダを削り、短時間でも働いて収入を増やして捻出しましょう」

キャッシュフロー表のポイント
イベントやりたいことを先に書き出すと、予算が不足しがち。必要なイベントだけ書き、最終的に余ったお金をやりたいことに配分しよう。収入今後の収入を予想。働いている間はパート代など。自分や家族の年金、退職金や企業年金などがあれば、記入を。支出生活費、住居費、保険料、その他の支出(固定資産税などの特別支出)を記入。ムダな出費を削れば、使えるお金がアップ。
「あればあるだけ安心」ではない! お金を貯め込むことにもリスクがある
資産が多いと、詐欺や儲け話でだまされやすい「『お金はいくらあってもいい』と言う人がいますが、本当にそうでしょうか。資産を持ちすぎると、詐欺に狙われやすくなる。実際、証券口座が勝手に使われたり、より増やそうと欲張ってあやしい儲け話で資産を失ったりした人を何人も見ました」資産が多い=幸せではない。「困らない程度の資産があって、自分が好きなこと、大事なことに楽しく使って死んでいけることこそ、幸せだと思います」
子どもがいるから「財産を残して 突然死んでも大丈夫」ではない
子や孫に残すなら、生前贈与ですっきりと「子どもがいるから、お金を残しても問題ない」は間違い。「生前に財産の処分をしなかったために、家族がもめるケースは多々。家庭裁判所で遺産を巡って争われる案件は、76%が遺産額5000万円以下の家庭。子や孫を応援したいなら、進学などの節目に生前贈与を。残りは自分が好きなことにすっきり使えば、トラブルもありません」※2022年度「司法統計」

人生における役割は年齢とともに変わり、お金の使い方も変化する
高齢になるほど役割が減って、支出も減少する年金生活に不安を覚える人は、家計を現役時代のままとらえていることが多い。実際は高齢になるほど家計は縮小。子が巣立つと親の役割、親が亡くなると子の役割というように、役割を終えるたび支出は減る。 先々の漠とした不安のために、楽しみを制限してお金だけが残る人生はさみしい限り。「好きなことを楽しみ、思い出が心を満たす人生を目指して」

人生は計画どおりにはいかない。計画が変わったら、シミュレーションし直せばOK
過剰に心配するより、現実的かつ柔軟な対応を将来のマネープランを予測していても、物価が上がったり、臨時出費があったりと、計画どおりにはいかないもの。「旅行なら宿のランクを下げる、食費が高いなら食材のムダをなくすなど、やりくりの方法はあります。過剰に心配するより、現実的かつ柔軟に対応して。再びシミュレーションして、ズレを修正すればいいだけです」
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イラスト/あらいのりこ※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。