年金、「最も高い人」で月いくら? 最高額・平均月額・モデル年金を一気に解説《厚生年金・国民年金》
- 日本の公的年金制度の基本を解説
- 年金制度は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
- 1階部分《国民年金》
- 2階部分《厚生年金》
- 【年金カレンダー】2025年度の年金支給日はいつ?
- 2025年度の年金額は1.9%の増額改定
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 年金額改定の仕組み|金額が増えても生活のゆとりは小さくなる可能性
- 働き方でどう変わる?ライフコース別の年金モデル額を比較
- パターン①:男性・厚生年金期間中心
- パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン③:女性・厚生年金期間中心
- パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 厚生年金と国民年金の受給額分布:最高額は月いくら?
- 厚生年金《平均月額&個人差》
- 国民年金《平均月額の男女差・個人差》
- 高齢者世帯の平均所得はどのくらい?
- 高齢者世帯の平均所得金額
- 公的年金で足りなければ個人年金・企業年金で補う方法も
- 将来の年金額を把握し、計画的な資産形成を
年金のもらえる額、働き方でどこまで変わる?

年金、「最も高い人」で月いくら?最高額・平均月額・モデル年金を一気に解説《厚生年金・国民年金》
2025年も残りわずかとなり、年末年始の準備を進めている方も多いのではないでしょうか。12月15日は年金支給日にあたり、老後の生活設計について改めて考える良い機会かもしれません。
公的年金は老後の暮らしを支える重要な収入源ですが、受給額は現役時代の働き方や加入期間によって大きく異なります。自分が将来どれくらい受け取れるのか、現在のシニア世代は平均でいくらもらっているのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、厚生年金と国民年金の平均受給額や、働き方の違いによるモデルケース別の年金額、さらには最高受給額はいくらなのかといった点について、最新のデータを基に詳しくご紹介します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金制度の基本を解説
日本の公的年金制度には、老後の生活を支える「老齢年金」のほかに、病気やケガによって生活や仕事が制限された場合に受け取れる「障害年金」、そして家計を支える方が亡くなった場合に家族が受け取れる「遺族年金」という3つの保障機能があります。
一般的に「年金」というと、多くの方がリタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべるかもしれません。
年金制度は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
「2階建て構造」と呼ばれるそのしくみは、1階部分の「国民年金(基礎年金)」と2階部分の「厚生年金」から成り立ち、現役時代の働き方や過ごし方が、将来の年金水準を大きく左右する性質を持っています。
ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本とあわせて、それぞれの「老齢年金の受給額」についても整理しておきましょう。

1階部分《国民年金》
加入対象者は?
・原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方
年金保険料は?
・全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
老齢年金の受給額は?
・保険料を全期間(480カ月)納付すれば、65歳以降で満額(※2)の老齢基礎年金を受給できる
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
2階部分《厚生年金》
加入対象者は?
・会社員や公務員、またパート等で特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした人(国民年金に上乗せで加入)
年金保険料は?
・収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
老齢年金の受給額は?
・加入期間や納付した保険料により個人差が出る
このように、国民年金と厚生年金では、加入対象となる人、年金保険料の決まり方、老齢年金額の計算方法などが異なります。
そのため、現役時代の年金加入履歴により、実際に受け取る老齢年金額にはおのずと個人差が出てくるのです。
※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
【年金カレンダー】2025年度の年金支給日はいつ?
公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、支給月の前々月分と前月分の2カ月分を合算して支給されます(後払い方式)。

年金カレンダー
2025年度の「年金支給日」と「支給対象」の年金は以下の通りです。
・2025年6月13日(金) :4月・5月分
・2025年8月15日(金) :6月・7月分
・2025年10月15日(水) :8月・9月分
・2025年12月15日(月) :10月・11月分
・2026年2月13日(金):12月・1月分
・2026年4月15日(水):2月・3月分
※5 「15日」が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しされる
次回の支給は12月15日(月)となります。年金が支給されない月もあるため、計画的な家計管理が大切です。
2025年度の年金額は1.9%の増額改定

令和7年度の年金額の例
2025年度の年金額は、前年度から1.9%の引き上げとなっており、6月に支給された「4月・5月分の年金」から増額率が適用されています。
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
厚生労働省は今回の年金改定の公表にあたり、「多様なライフコースに応じた年金額」として現役時代の働き方や収入ごとの年金額例を提示しています。
年金額改定の仕組み|金額が増えても生活のゆとりは小さくなる可能性
2025年の年金額の改定は、近年の過去のやり方と同様に、物価上昇率や賃金上昇率、そして少子高齢化に伴う調整を加味して行われています。

年金の上乗せ幅の決定方法
2024年については、物価変動率(+2.7%)と名目賃金変動率(+2.3%)の「低い方」を基準とします。賃金変動率を上回る形で年金額を増やすと、現役世代の年金保険料の負担が増大してしまうため、このような設計となっているのです。
この時点で、年金額の増加率は世の中の物価上昇率より小さくなることがわかります。
さらに「マクロ経済スライドによる調整」で-0.4%となっています。これは、少子化による被保険者(年金を支払う層)の減少と平均余命の伸びによる一人当たりの受給期間の長期化が進むなかで、年金制度を維持するために実施されているものです。
この結果、物価は2.7%上昇したにもかかわらず、年金額の増加幅は1.9%に留まります。仮に月々購入するもの、利用するサービスなどが不変だった場合は、支出が収入以上に増大するため、家計のゆとりがむしろ小さくなる形となります。
年金額の増加に油断せず、より一層慎重に家計管理を進めていきましょう。
働き方でどう変わる?ライフコース別の年金モデル額を比較
年金加入期間や収入により、どのように年金額が変わっていくのでしょうか。
厚生労働省は、2025年度の年金額改定内容とともに、現役時代の年金加入状況や年収ごとの年金額例を、「多様なライフコースに応じた年金額」として公表しました。
具体的には、「2025年度に65歳になる人の場合」の年金額の概算が、公的年金加入履歴の類型・男女別に「合計5パターン」提示されています。
パターン①:男性・厚生年金期間中心
年金月額:17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
パターン③:女性・厚生年金期間中心
年金月額:13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
上記はあくまでも年金額の例ですが、厚生年金の加入期間が長く、収入が高いほど、老後に受け取る年金額は多くなる傾向が見られます。
また、国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたのかが、年金水準に大きな影響を与えていることも見て取れます。
厚生年金と国民年金の受給額分布:最高額は月いくら?
老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。ここでは、60歳~90歳以上のすべての受給権者について、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきます。

厚生年金の平均額(全年齢)
厚生年金《平均月額&個人差》
厚生年金の平均年金月額は、全体では14万6429円でした。男女別は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均年金月額は、全体で見ると14万円台ですが男女差があり、男性16万円台、女性10万円台となっています。
なお、厚生年金受給権者のうち、年金額が最も高い方は「月額30万円」以上です。
一方で、「月額1万円に満たない」方も存在します。この大きな差は、現役時代の厚生年金の加入期間や年収といった要素が、老後の生活資金にどれだけ直接的かつ決定的に影響しているかを示しています。
国民年金《平均月額の男女差・個人差》
国民年金の平均年金月額は、全体では5万7584円でした。男女別は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。
なお、国民年金のみの受給者のうち、年金額が最も高い方は「月額7万円」以上です。
一方で、「月額1万円に満たない」方も存在します。
高齢者世帯の平均所得はどのくらい?
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の「1世帯あたりの平均所得金額」を見ていきましょう。

高齢者の年間所得の平均
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
高齢者世帯の平均所得金額
(カッコ内は総所得に占める割合)
総所得:314万8000円 (100.0%)
【内訳】
・稼働所得:79万7000円(25.3%)
・公的年金・恩給:200万円(63.5%)
・財産所得:14万4000円 (4.6%)
・公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)
・仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得18万9000円(6.0%)
高齢者世帯の平均総所得は年314万8000円、月額に換算すると約26万円です。
主な内訳は、所得の3分の2を占める月額約16万6000円の「公的年金」と、約2割を占める月額約5万5000円の「雇用者所得」です。
この所得構成からは、高齢者世帯の生計が公的年金をベースとしながら、主に仕事による収入で補われている様子がうかがえます。
※雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む
公的年金で足りなければ個人年金・企業年金で補う方法も
冒頭で年金は「2階建て」と紹介しましたが、これは国の制度として存在する公的年金にかぎった話です。実際にはこれに上乗せする形で「個人年金・企業年金」といった年金を上乗せすることができます。
企業年金は、主に所属する企業(厳密には公務員・団体等を含む)が福利厚生の一環として設定している追加の年金制度です。月額給与等から天引きする形で掛け金を拠出し、老後に運用資産を年金として支給します。制度設計は企業や団体により異なります。掛金の一部または全部を企業が負担するケースもみられます。
また、個人が任意で加入する個人年金もあります。たとえば確定拠出年金制度であるiDeCoもその一つです。iDeCoでは、自分で掛け金と運用する金融商品を決めて、年金資産の形成を進めます。
60歳以降になると年金資産を取り崩し、年金・一時金の形で受け取れる制度です。そのほか、民間の生命保険会社などが年金の役割を果たす金融商品を販売しています。
しばらくの間保険料という形で掛け金を支払い、一定の年齢到達後に年金や一時金として受け取れる商品性です。
個人年金・企業年金を活用すれば、老後の安定収入をさらに増やすことができます。公的年金の受給額に不安を感じる方は、早いうちからほかの年金の活用を検討するとよいでしょう。
将来の年金額を把握し、計画的な資産形成を
この記事では、公的年金の平均受給額や働き方による違い、さらに最も高い年金額について解説しました。厚生年金と国民年金では受給額に大きな差があり、特に現役時代の加入期間や収入が将来の年金額を左右することがわかります。
高齢者世帯の家計は公的年金が大きな柱ですが、それだけでは十分でないケースも少なくありません。その場合は、iDeCoや民間の個人年金保険といった私的年金を活用し、上乗せの収入源を確保することも有効な手段です。
まずはご自身の将来の年金見込額を把握することが、老後資金計画の第一歩です。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などを活用して、具体的な金額を確認してみてはいかがでしょうか。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構 年金用語集「た行 特定事業所」
・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
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