「ふんわり退職」増加中?キャリアプランの描き方

若者世代には「ふんわり退職」が意外と多いそうです(写真:やまたつ / PIXTA)

「会社、辞めちゃおうかな……」
かつては「仕事を辞める」「勤め先を変える」ことは重い決断でしたが、今や退職や転職はそこまでハードルの高いことではなくなりました。しかしいざ自分が転職しようとすると、疑問や不安が次から次へと浮かんできませんか?
そこで本記事では、転職・退職を考え始めたときに役立つヒントを「退職学 ®」研究家・佐野創太氏が監修した書籍『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』から一部を抜粋、再編集してご紹介します。

若年世代は見切りをつけるのが早い

だれでも一度くらい、会社を辞めたいと思ったことがあると思います。では、実際に辞める人はどのくらいいるのでしょう。

【イラストで解説】会社に伝える退職理由はどんなパターンがある?

厚生労働省は半年に1回、雇用動向調査結果を発表しています。それによれば、パートタイムを含む常用労働者の離職率は15.4%(令和5年)。ただしこれは、全年齢の平均です。

年齢別に見ると、20代は約25%、30代は約13%、40代は約10%となっています。

辞める理由はさまざまです。40代以降のミドル世代は、収入や仕事内容への不満が目立ちます。一方で若年世代には、上司と合わない、なんとなく空気が悪い、職場になじめないといった、ふわっとした理由を挙げる傾向があります。

親世代には「そんな理由で!?」と思われそうですが、今の20代30代には、「いざとなったら会社が守ってくれる」という共通認識がありません。

(画像:『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』)

仕事以外に優先したいこともある。居心地が悪い場所に居続ける強い理由がないのです。「なんとなく違う」というのは会社に伝える退職理由にはなりにくいので、それなりの理由をつけますが、若者世代にはふんわり退職が意外と多いんですね。

(画像:『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』)

1年後のイメージが実現できるか?

会社を辞めようかと考えたときに、転職先が見つかるかどうかは切実な問題です。「キャリアプランがないから面接で話せることがなくて…」とあきらめてしまう人もいるのではないでしょうか。でも実は多くの人にとって、キャリアイメージは明確ではなく、なんだかぼんやりしたものなのです。

壮大なキャリアプランを組み立てようとせず、1年単位で考えてみましょう。

1年後には今の仕事を先輩のサポートなしにできるようになる、2年後には小さなチームのリーダー的存在になる、3年後には部署全体を見て仕事がさばけるようになる、といったイメージです。

(画像:『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』)

そう考えると、それが果たして今の会社で実現できるのかどうかが見えてくるのではないでしょうか。

転職の面接でも「キャリアプランをどう考えますか?」と聞かれることはあります。でもそれは会社が求めている数年後の社員の姿と、あなたの自己イメージにずれがないかを確認したいからなのです。

着実に社員を育てたい会社で「3年後には社長を目指します」と言えば、ミスマッチな印象を持たれてしまうでしょう。大きな夢を語ることがキャリアプランではないのです。

(画像:『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』)

低成長業界の未来が暗いとは言い切れない

会社の将来性は給料や待遇にかかわるので気になるところ。花形産業は時代によって変わりますが、令和の今、伸び盛り業界の筆頭はデジタル産業でしょう。

中でもDXは国が重点施策と位置づけています。DX支援を行うシステム開発会社やコンサルティング会社、自社で積極的にDXを推進している会社には勢いがあります。AI関連企業、半導体企業なども伸びています。

一方で、保育や教育産業などは人口が伸びないので過当競争になり、厳しい業界です。医療や介護分野もとても大切な仕事ですが、給料は伸びづらい傾向にあります。

ただ、「低成長の業界だから会社の未来は暗い」と決めつけるのも早計です。生き残りをかけてさまざまな取り組みをした結果、業績を伸ばして待遇がいい会社もあるからです。

普通のネジだけでなく、特殊形状ネジを作ってニッチな商売を狙うなど、チャレンジ精神のある会社は、たとえ低成長産業でも伸びる可能性があります。

自社の製品やサービスに希少性があるか、前例踏襲ではなく新しいことにチャレンジしているかどうかも、会社の将来を見きわめるうえでのポイントです。