65歳以上「住民税非課税世帯」もらえるお金・軽減できる負担、どんなのがある?「優遇措置」4選
「介護保険料」や「国民健康保険料」の負担は減らせる?

65歳以上「住民税非課税世帯」もらえるお金・軽減できる負担、どんなのがある?「優遇措置」4選
「2026年度の国民年金が1.9%増加」「4月から子ども・子育て支援金の徴収開始」と、2026年も気になるトピックが増えています。年金が増えても、手取りが減ってしまえば生活はますます厳しくなります。
しかし、シニア世代は、住民税がかからない「住民税非課税世帯」に該当する人も多いようです。住民税非課税世帯は、給付金を受け取れたり金銭負担が軽減されたりといった優遇措置を受けられます。そのため、収入を生活支出に充てやすくなっています。
住民税非課税世帯には、どういった優遇があるのでしょうか。この記事では、住民税非課税世帯が受けられる優遇措置を、4つ解説します。
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住民税非課税の要件
住民税が非課税になる要件は自治体によって異なります。東京23区の場合、単身世帯なら所得が45万円以下、夫婦世帯なら所得101万円以下であれば住民税は非課税です。
また、65歳以上の人は、公的年金等控除により最低でも110万円の控除が受けられます。そのため、住民税非課税になる基準額は、以下のようになります。

住民税非課税になる基準額
単身世帯:155万円まで(月額約12万9000円まで)
・公的年金等控除:110万円(65歳以上)
・東京23区の住民税非課税基準:45万円
夫婦世帯:211万円まで(月額約17万5000円まで、配偶者は月額約12万9000円まで)
・公的年金等控除:110万円(65歳以上)
・東京23区の住民税非課税基準:(35万円×2)+31万円=101万円
※配偶者の年金収入は155万円以下であること
上記は、収入が年金のみの場合の金額です。給与など別途収入がある場合は、基準が変わります。
では、次章からは住民税非課税世帯の優遇制度を見ていきましょう。
住民税非課税世帯が受けられる優遇制度4選
住民税非課税世帯が受けられる優遇制度として、今回は以下の4つを紹介します。
・年金生活者支援給付金
・国民健康保険料の軽減
・介護保険料の軽減
・予防接種の助成
とくに医療・介護において給付や負担軽減を受けられるシーンが多いです。なかには要申請の手続きもあるため、それぞれの措置の詳細だけでなく手続きの仕方もおさえておきましょう。
年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金は、所得の少ない年金受給者に対して支給される給付金です。年金と同じく2ヵ月に1回支給され、実質的な上乗せ金額として、日常生活で役立てられます。
給付金を受け取れる要件は、以下のとおりです。

年金生活者支援給付金の受給要件
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
・世帯全員が市町村民税非課税である。
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は80万6700円以下(※2)である。
障害年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・障害基礎年金の受給者である。
・前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。
遺族年金生活者支援給付金
・以下を満たす場合に対象となる。
・遺族基礎年金の受給者である。
・前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。
※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
※2昭和31年4月2日以後生まれで80万9000円を超え90万9000円以下の人や昭和31年4月1日以前生まれで80万6700円を超え90万6700円以下の人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
※3同一生計配偶者のうち70歳以上の人または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となる。
基礎年金を受給していることに加え、所得が一定額以下であることが要件になっています。老齢年金生活者支援給付金については、世帯全員が住民税非課税であることも要件のひとつです。
年金生活者支援給付金の支給額は、2026年度の年金改定にあわせて増額される見込みです。現行の金額と、2026年度の金額を見てみましょう。

年金生活者支援給付金の支給額
老齢年金生活者支援給付金基準額
・2025年度:5450円
・2026年度:5620円(前年比+170円)
障害年金生活者支援給付金基準額
・2025年度
・1級:6813円
・2級:5450円
・2026年度
・1級:7025円(前年比+212円)
・2級:5620円(前年比+170円)
遺族年金生活者支援給付金基準額
・2025年度:5450円
・2026年度:5620円(前年比+170円)
現在は月あたり5450円を基準として支給されていますが、4月からは5620円が基準になります。
年金生活者支援給付金を受け取るには、申請が必要です。対象となる人には、年金の受給開始前または毎年9月ごろに所定の書類が届くため、必要事項を記入して返送しましょう。
国民健康保険料の軽減
住民税非課税世帯は、社会保険料の軽減措置を受けられます。比較的負担の大きい国民健康保険料についても、軽減の対象です。
国民健康保険料は、所得金額に応じて2割・5割・7割のいずれかの減額を受けられます。基準は自治体ごとに異なるため、住んでいる自治体に確認しましょう。
例として、東京都港区の軽減基準を見ていきます。

東京都港区の軽減基準
・7割軽減:43万円+(給与所得者の数-1)×10万円以下
・5割軽減:43万円+(給与所得者の数-1)×10万円+30万5000円×被保険者数以下
・2割軽減:43万円+(給与所得者の数-1)×10万円+56万円×被保険者数以下
たとえば、単身世帯で年金収入が120万円の場合、公的年金等控除により所得は10万円となります。そのため、7割軽減の対象です。
この軽減措置は、申請の必要がありません。対象者には自動で軽減措置が適用されます。ただし、自動で軽減措置が適用されるには、確定申告または住民税申告をしている必要があるため、注意しましょう。
介護保険料の軽減
住民税非課税世帯なら、国民健康保険料だけでなく、介護保険料についても軽減を受けられます。介護保険料は、2000年の導入以降上昇を続けています。物価高も相まって、負担に感じる人は多いのではないでしょうか。
住民税非課税世帯の場合、介護保険料は基準額を下回る金額に設定されるのが一般的です。基準額の全国平均は6225円となっていますが、自治体ごとに金額設定は異なります。
東京都新宿区の介護保険料を例に、住民税非課税世帯の場合の保険料額を見てみましょう。

東京都新宿区の介護保険料
・基準額に対する割合:基準額×0.25〜0.65
・月額:1650円〜4290円
住民税非課税世帯の場合は、基準額の4分の1から半分程度の負担で済みます。年間でも1万円台〜5万円台と、課税世帯に比べると保険料は大きく軽減されます。
こちらも、所得をもとに保険料額が決定されるため、軽減に関する手続きは不要です。所得を適切に申告し、軽減を受けてください。
予防接種の助成
高齢の住民税非課税世帯は、予防接種を無料または格安で受けられる可能性が高いです。多くの自治体で、非課税世帯を対象に予防接種を無料または低負担で受けられる制度を設けています。
たとえば、千葉市では以下のような予防接種で、自己負担が軽減されます。
・高齢者帯状疱疹予防接種(2000円に軽減)
・高齢者肺炎球菌予防接種(0円に軽減)
このほか、高齢者インフルエンザ予防接種も、軽減の対象です。
予防接種の費用軽減を受けるには、所定の申請書・同意書の記入が必要な場合があります。住んでいる自治体で、予防接種を受けたい旨を伝え、必要な提出書類があるか確かめておきましょう。
まとめ
65歳以上の住民税非課税世帯は、給付や負担軽減などさまざまな優遇措置を受けられます。上手に活用すれば、本来医療費や社会保険料としてかかるお金を、日常の生活支出に充てられます。
措置内容によっては申請が必要な場合もあるため、住んでいる市区町村の窓口など公的機関で詳細を確認するようにしてください。
参考資料
・国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
・東京都主税局「個人住民税」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・港区「国民健康保険の保険料」
・厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
・新宿区「介護保険料の決まり方」
・千葉市「高齢者定期予防接種の自己負担免除のご案内」
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