【フィリピン】35年までに再エネ25GW稼働[公益] エネ省、2年で8.9GWの入札計画

ガリン・エネルギー相は「開発事業者や金融機関の計画策定や資金動員に必要な市場見通しを提供している」と強調した=13日、首都圏タギッグ市(NNA撮影)
フィリピンのエネルギー省は、2035年までに発電容量25ギガワット(2万5,000メガワット)分の再生可能エネルギー発電の稼働開始を目指すと発表した。「グリーン・エネルギー入札(GEA)」で発電事業者を決めていき、27年からの順次稼働を見込む。26~27年にかけて8.85ギガワット分の入札プロセスを進める。国内の電力構成における再エネ比率を40年までに50%へ引き上げる政府目標の達成につなげる。
エネルギー省がマニラ首都圏タギッグ市で13日に開いたイベントで、再生可能エネルギー管理局(REMB)のセレソ局長が明らかにした。
セレソ氏は今後の入札プロセスについて、第6弾から第8弾が年内、第9弾が27年の実施を予定していると説明した。次のGEAは3月末までに実施するという。
発電種別を見ると、第6弾では陸上風力と浮体式太陽光を扱う。第7弾ではビサヤ、ミンダナオ両地方での屋上太陽光と、ミンダナオ開発庁(MINDA)と提携して2次電池電力貯蔵システム(BESS)を備えた太陽光発電を手がける。
第8弾では養殖池を対象にした高床式太陽光と営農型太陽光、運河上太陽光を扱う。農業省や農地改革省、国家かんがい庁(NIA)と連携する。
第9弾ではバイオマスと地熱、太陽光、水力、陸上風力を入札にかける方針だ。
また、25年11月に公告済みの第5弾では、3.3ギガワット分の着床式洋上風力による発電を28~30年に開始すると改めて述べた。
GEAの一環の特別入札では容量230メガワットの廃棄物発電を対象とするが、28年としてきた発電開始時期は変更を計画しているとも明かした。
ガリン・エネルギー相は一連の発表について、「入札に基づく明確な計画を示すことで、開発事業者や金融機関の計画策定や資金動員に必要な市場見通しを提供している」と述べた。再エネ普及に必要な送電網の整備に関しては、フィリピン全国送電社(NGCP)による開発計画の進捗(しんちょく)を監視する姿勢を示した。

■太陽光が先行稼働の見込み
稼働時期については、27~28年に全国で太陽光3.2ギガワット分(浮体式を除く)、ビサヤ地方とミンダナオ地方で屋上太陽光85メガワット分の運転開始を目指す。
29年から35年にかけてその他の発電種別も含めて5.6ギガワット分の稼働を目指す。
35年までの目標25ギガワットに対する不足分の約16ギガワットは、再エネ開発契約や需給シナリオ、送電網などの状況を踏まえて入札スケジュールを決める。
エネルギー省は「事業実施やエネルギー安全保障の強化に向けて競争入札の活用を続けていく」と強調した。
■投資委の優先手続き、再エネが85%
ガリン氏によると、貿易産業省傘下の投資委員会(BOI)が許認可手続きを優先・迅速処理する「グリーンレーン」制度を適用した投資のうち、25年は全体の85%に当たる5兆2,100億ペソ(約13兆7,600億円)を再エネ部門が占めた。
一方で、24年から25年にかけて、エネルギー省は開発義務を履行しなかった再エネの契約163件を解除していて、容量は約18ギガワット相当に上るという。
エネ省は13日、再エネ市場参入の手引きとなる「再生可能エネルギー・オフテイク」も発表した。配電事業者の競争入札による調達、電力卸売スポット市場(WESM)への参加、小売り・直接契約、GEAなど電力販売方法を整理した形だ。
現在の電力構成に占める再エネの比率は25.4%で、政府は40年までに50%へと引き上げる目標を掲げる。経済発展を背景に電力需要が伸び続ける中、事業者の再エネ投資判断を促すには、政府の継続的かつ信頼できる情報発信と制度運営が一層必要となりそうだ。
